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ようやく会えたあなたは予想外でした 4



午後の授業が始まる鐘が鳴る。2人と別れた私は、教材を取りに教室に向かった。

午後の時間は、本来ならば生徒中心の魔法の実技。でも、残念ながら私には一緒が実技を出来る生徒も教師もいない。なので週2回はヴァン先生からの座学の個別補習、グリモワールさんの都合がつく日はグリモワールさんに基本的な魔法の使い方を教えてもらっている。どっちにも該当しない日は、学園の図書館で本を読んだり勉強したり。他の生徒に比べるとかなり自由に過ごしているけど、これはこれでアリかなと思っている。


今日はヴァン先生の補習の日。教えて欲しい事がまた溜まっているけど、先生は教え上手だから短時間でわかるようになるんだよね。教材を確認し、鞄ごと持って教室から出た。



ヴァン先生の部屋に行く途中、必ず立ち止まってしまう場所がある。本来この午後の時間に私がいるべき場所、時の魔法の実技部屋。その入り口のドアの前だ。

最初に補習を受けに行った日に、誰もいないし来る気配もない事は確認済み。でも気になっちゃう。だから私はいつも、ついついドアをノックして室内を覗く。中にはやっぱり誰もいなくて、ですよね〜って思いながらドアを閉めて先生の部屋に向かうの。



わかっちゃいるけどすっかり習慣になってしまった。今日もいつものドアの前で足が止まる。



…私、卒業までずっとこんな感じなのかな。例の不登校の先輩には1度も会えず、時の魔法が使える人間に出会うこともなく…。



それは流石に寂しいぞ?村でずっと生活するのと比べたら知識は絶対増えるし、魔法のコントロールは出来るようになるかもしれない。けど、なんて言うの?時の魔法あるある〜的なやつ!同じ魔法使う人にしかわからない事とか共感し合いたいじゃん!レア能力だから難しいのは重々承知ですけど!



ドアの方を見た。いつもと変わらない木製の赤いドア。


…ドア触ったら、私が今後ここで誰かといる未来が視えたりしないかな?



私だって、この1か月座学ばっかりしてた訳じゃ無い。時に特化した事は出来ていなくても、もっと根本的な魔法の知識、操作についてはグリモワールさんに指導してもらってるし自主練もしている。図書館の本だって読みまくってる。村にいた私と比べたら、魔法のコントロールだって出来るようになった。



出来るかな…。



両手のひらを実技部屋のドアに付けて瞳を閉じる。



集中、集中……!!




体内の魔力の流れを意識し、それらを手のひらに送り込む。



瞬間、閉じた瞳の内側に映像が現れた。やった、成功!




……男子生徒が倒れてる…??




映像は一瞬で終わってしまった。何だったのあれ。

見えた映像はこのドアの前で苦しそうに倒れる制服姿の男の人。それだけ。

これじゃ、いつのどんな出来事か全くわかんないじゃん!


でも、初めて自分の意思で魔法を発動できた。

今まで勝手に発動して、これっぽっちも役に立たなかった私の魔法。視えた景色の時期は定かじゃ無いけど、これは間違いなく大きな一歩。勉強や自主練の成果がみえた事がめちゃくちゃ嬉しい。



「やった、やった!」



ドアから離した両手のひらでガッツポーズをとった。嬉しさのあまりニヤニヤしてるだろうけどドアの方向いたままだから表情は見えないはず、しばらくはこの喜びに浸らせて!不審者もどきだけど気にしません!





「……楽しそうだね、君が噂のトゥシェちゃん?」

「!?」



聞き慣れない声にハッとして我に帰る。

ドアの前で突っ立っている私の視界に、その目の前のドアにつく男の人らしき右手が見えた。



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