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初めての城下町散策です 1



早いもので、私がこの学園に来て1週間が過ぎようとしている。明日は初めてのお休み。午前中はゆっくりして、昼から勉強するか散歩に行ってみようかな…なんて色々考えていたんだけど、昨日のランチの時フルール様からあるお誘いを受けた、



〜〜〜


「トゥシェさん、よければ明日、私のお買い物に付き合って頂けませんか?」

「お買い物、ですか?」

「ええ。城下に評判の靴屋があると聞いて。取り寄せても良いのだけど、直接お店に行っていろんな靴を見比べたいのです。」



取り寄せってサラッと言ったよ流石公爵令嬢様…。



「それにせっかくの機会ですわ。王都に来たばかりのお友達に城下を紹介させてください。」



やっぱり女神だよこの公爵令嬢様…!!


〜〜〜



…とまぁこんな流れで、明日はフルール様と城下町に行く事になったのだけど。



いかんせん着ていく服が決まらない。



だって公爵令嬢だよ!?しかもあんな美人!!私なんかが隣に立って城下町歩いてたら、それこそ評判に傷が付いたりしないかな…。フルール様自身はそんな事微塵も考えてないだろうけどこっちは気にする。

クローゼットの中のグリモワールさんが揃えてくれた洋服を鏡の前で合わせてみるけど、どれが似合うかわからない。こんな時ランがいてくれたらなー、色々アドバイスしてくれたかもしれないのに。



言っても仕方がないので服選びを再開する。それでもやっぱりどれが良いか決まらなくて。明日決めよう、と考えることを放棄した。寝よう。



ちなみにフルール様とこの話をした時隣にはフラム王太子殿下もいた。「俺も行く」とか意味のわからない事を言っていたけど「明日は公務があるでしょう」とフルール様に嗜められていた。

この話をした時…いや、毎日だ。王太子殿下は、私とフルール様のカフェ裏ランチに毎日のように顔を出すようになった。しかも決まって私にばかり話しかけてくる。フルール様も所々相槌を打って会話に入ってくるものの、この状況をよく思っているはずがない。殿下にはそれとなくフルール様と喋るように促してはいるけどまるで手応えが無いんだよね、本当に勘弁して。



殿下の事考えてたら腹立ってきたな。フルール様とのお出かけ楽しみだなぁに思考をチェンジしよう。







お出かけ当日。私はドキドキしつつ、ワクワクもしながら寮の正門前に立っていた。フルール様がこの場所まで馬車で迎えにきてくれる事になっているからだ。


寮の前は大きな通りになっているのでいろんな馬車が行き来する。ふと、1台の馬車が私の目の前で停車した。扉が内から開き、若草色のワンピースに身を包むフルール様が降りてきた。学園で会う時とは違い、長いウェーブの髪を左サイドに全て流している。ワンピースと同じ色の女優帽もとても良く似合っている。


対して私は、迷いに迷ったくせに最終自棄になって決めた水色のワンピースだ。普段ポニーテールにしている髪も、上手くまとまらなかったので今日はおろす事にした。



「トゥシェさんご機嫌よう。そのワンピース、とても良く似合っています。おろした髪も艶やかで、羨ましい限りですわ。」

「そっそんな事ないですよ!フルール様の方が、今日のお洋服とってもお似合いです!」



お互いに褒め合っていると、馬車からもう1人降りてきた。スラっと伸びた背筋に品を感じる女性だ。彼女はフルール様の一歩後ろから私に一礼した。



「お初にお目にかかります。私、フルール様の侍女としてお仕えしている、スクレ=ド=テリエと申します。以後お見知り置きください。」

「ト、トゥシェ=ルルーです!こちらこそよろしくお願いします!」



侍女だって!これまた小説によく出てくるキャラクターだ、前世の血が疼くなぁ。



「スクレは私が7歳の時からずっと一緒なんです、まるで姉のように。今日のお買い物はスクレも一緒でよろしいですか?」

「勿論です!フルール様のお姉さんみたいな人と一緒だなんて、嬉しいに決まってるじゃないですか!」



ふふっとフルール様が嬉しそうに微笑んだ。釣られて私も笑みが溢れる。



「さぁ行きましょう。トゥシェさん、足元に気をつけてくださいね。」



フルール様が先に馬車に乗って手を差し伸べてくれた。うわこの光景めちゃくちゃ絵になる、写真撮って保存したい。

…と言う気持ちを押さえ込んで、私は彼女の手を取った。



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