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まさかの再会に心臓が跳ねました 4



大広間に戻り慌てて扉を閉めた。先輩が追いかけてきていない事と人混みに紛れられた事で、無事あの場から脱出できたと実感する。よ、よかった…。


良かった…んだよね、これで。先輩は完全に諦めたわけじゃ無さそうだったけど、少なくともこのパーティーでこれ以上何かしてくる事はないでしょう。



…さて。



オルロージュ先輩にはちゃんと私の気持ちを伝えた上で、ごめんなさいを言えた。あとはヴァン先生と、フラム殿下とフリュ殿下…3人。多い…!



1人1人としっかり向き合って言うべきだし向き合いたいとは思っている。

でも、最初の1人に気持ちを伝えるだけでこんなに精神削られてたら、後3回同じようにしたら私のメンタルが完全にイカれてしまいそう。

…ダメダメ、仮にそうだとしても言い訳して逃げるんじゃない。3人のうち誰でも良い…って言ったら失礼だけど、誰か次にごめんなさいをする相手を探さなくちゃ…!



と、いう事で人混みの中に身を投じる事にしたんだけど…どうしよう、誰も見つからない。



3人とも攻略対象者オーラ的なの放ってたりして、すぐに見つかると思ってたんだけどな…甘かった。このパーティーに出席している方々は殆どが貴族出身。そして綺麗な装いをしているのでみんなキラキラしている。キラキラが凄くてチカチカする程だ。


なんだろう、比喩的な意味じゃ無くて本当にチカチカしてきたような…人の多さと場の雰囲気に酔ったかな?立食のエリアで飲み物いただいたらマシになる気がするし、一旦人混みから抜けよう。



いそいそと人の波を掻い潜り少し開けた空間に出る。奥に見えた食事の並ぶテーブルまで真っ直ぐ行こうとすると、目の前を1組の男女が横切った。ギリギリぶつからずに済んだけど危ないなぁ…。

いや、危ない事しかけてたねは私の方だ。目の前には、オーケストラの演奏に合わせて向き合ってくるくる回ったり、体を揺らしたりする何組もの男女。

ここ、ダンス踊るスペースか。邪魔にならないよう数歩後退する。



向かい合いながら踊る人達、みんなとても楽しそう。そして綺麗、絵になる。



…いけない、うっかり見惚れて動き静止してた!私は気分を落ち着かせる為に飲み物を貰いに行くんだった…いや、今の数瞬で気分悪いの落ち着いたわ、自分単純すぎ。



「よし、気を取り直して探しに行くか!」

「何を探しに行くんですか?」

「おわっ!?」



1人で気合を入れたつもりだったのに予想外に返事が返ってきた。びっくりして声の方を向うとした時、声と反対方向から誰かにぶつかられて身体がバランスを崩す。倒れそうになった時、誰かにふわりと優しく抱き止められた。

あれ?この感じ、シチュエーションは微妙に違うけど前にもあったぞ。もし前と同じなら、さっき声をかけてきたのも、今私を受け止めているのもきっと…。




「大丈夫ですかトゥシェさん。」

「はっはい!ありがとうございます、フリュ殿下。」



予想当たりー!お礼を言いながら、彼の身体からスッと離れた。



シャンデリアに照らされて煌めくプラチナブロンドの髪とアクアマリンの瞳。瞳と同じ水色のジャケットがとても似合っていて、今までの見たフリュ殿下とは違って見るからに『本物の王子様』。

かっこ良すぎる…!



「…トゥシェさん?」



呼ばれて我に返る。しっかりしなさい私!フリュ殿下に何でもないと伝えて適当に誤魔化した。



次はフリュ殿下か…。


どうやって切り出そう。さっきの先輩の時は流れで今だ!って思えたから言えたけど、自分から話題として振るとなると緊張の度合いが更に跳ね上がる。



ドクン ドクン



辺りはとても賑わっているはずなのに、今は自分の心臓の音しか聞こえない。

何でもないと言った割には緊張した面持ちをしている私を不思議に思ったのか、フリュ殿下が離した距離を詰めてくる。

言え、言うんだトゥシェ=ルルー!!




「っフリュ殿下!あの、お話ししたい事があるんですけど…。」



勢い余ってはじめに大きな声を出してしまった。気づいて途中から音量を下げた為、最後の方がゴニョゴニョって感じになる。殿下は私の声に驚いた様子を見せたけど、これから何を言おうとしているのか察してくださったようで、橋の人が少ない辺りまで案内してくれた。



柱の近くの壁際に2人並ぶ。王子殿下と平民娘のツーショットを不思議に思う視線が突き刺さるけど気にしたら負けだ。せっかく殿下が作ってくれたこの状況、今言わないでいつ言うの!?


改めて覚悟を決め、真っ直ぐにフリュ殿下の方を向く。呼吸を整え言葉を発しようとした時。




「…昨日はこちらから招いたにも関わらず、追い出すような形で帰してしまってすいませんでした。」

「えっ?」



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