Episode 13:「Aiつのいない夏」
「隆太…。 ずっとこうしていたいね。」
「うん…。 友加里…。」
…お願い…。 ちょっとだけ、ウチのこと、、、抱いて。。。
「うん…。」
…友加里を優しく抱きしめた隆太。 しかし、彼女は悲しそうな表情を一層濃く表す…。
「友加里?…どうしたの??」
「うん…。 そろそろ私達、”さよなら” なのかなって…」
「何言ってんだよ!! 僕と友加里はずっと一緒------」
「ううん。 さよならなの!!!!」
…突如、抱きしめていた隆太の手を振り払う友加里。 そして彼女は、駆け足で深き霧の中へと消えて行った。
「友加里ぃーーーーー!!!!」
…隆太は必死で彼女を追うが、霧の中へ消えた彼女はその足跡ひとつ残っていない。 隆太は膝をつき、孤独な自分に涙するばかりであった。。。
「友加里ぃーーーーー!!!! …あいたっ!!」
隆太は、大きく手を伸ばした弾みで、ベッドに拳をぶつけてしまった…。
「ゆ、、、夢だったのか…。はぁ…。。。 …でも最近、こんな夢ばっかり見てるような気がするなぁ…。」
夏休みの中頃を、隆太は心にぽっかりと穴が空いたような心境で過ごしていた。
友加里は、親の勧めで遠くにある音楽スクールに休み中住み込みで通うことになっていて、夏休みが明けないうちは、会うことは勿論、電話もメールもできないことになっていた。
愛莉はバンドの演奏練習に余念がなく、あきらもまた、部活や学習塾などに多忙な毎日だった。 それは隆太も同じようなものだったが、友達と会えない時間が長くなってしまい、淋しさを募らせていた。
ある日の夜…
隆太はケータイの写メをぼんやりと眺めていた。 それは、友加里の写ったショットであり、彼は何度も暗い部屋でベッドに潜り込んでは、その写真を眺めてしまうのであった。
「いっそのこと、思い切って友加里にメール送ってみようかな…。 いやダメだダメだ…!! そんなことをして友加里の大事な時間を邪魔したら嫌われてしまう…。 辛い気持ちは友加里だって同じだ。 僕だって、耐えなきゃ…」
心の中でこそそう思っていても、現実に会えない淋しさは日ごとに強くなり、その意識のせいか、部活でも彼らしくないミスが出たり、ぼんやりしていて人の話を聞き逃したり…と、隆太の意気が消沈している様子は明らかであった。
そんな時、隆太のケータイの呼び出し音が鳴った。
(友加里…!? …違う。。。 涼子さんだ。 着信音が友加里からのじゃないから…)
「もしもし? 隆太ですけど。」
「あ、隆太くん、おひさー♪(お久しぶり) ねぇねぇ、今日と明日って隆太くん、ヒマ?」
「はい…」
「だったらウチにおいでよ!! 私の友達何人か集まって、海岸でバーベキューとか花火とかしようってことになったの♪ あ、私の友達ってみんな隆太くんより年上だけど、いい人たちだから心配しなくていいよ。 もし都合がよければ、友加里ちゃん達にも声かけてみてよ♪」
「…そ、、、その…、実は友加里も愛莉も、あきらも…」
…隆太は、今は事実上”ひとりぼっち”であることを涼子に打ち明けた。
「…そっかぁ…。 それじゃ隆太くんも辛いよね…。 でもさ、だからって一人で塞がり込んでても意味ないじゃん!! 私達と色々なお話とかすれば、きっと楽しい気持ちになれるって!! だからおいでよ!!」
「は、、、はい…」
隆太は、少し後ろめたいものを感じながらも、電車で涼子の住む、浅虫へと向かった。
「こんにちは!! 涼子さん!!」
「あ、こんにちは~♪隆太くん~♪ ねぇねぇ見て見て!! あたしの将来のダンナ様だよ~」
夕子「ええ~!?涼子ぉ!? こ、、、この子がぁ~!? あ、、、ありえないんですけどぉ~!?」
鮎美「ちょwww 話には聞いてたけど、こんな可愛い子が…!? うわぁ…、びっくり…」
涼子と一緒に出迎えてくれたのは、彼女の高校時代からの親友、石沢夕子(いしざわ・ゆうこ 22歳)と、涼子の部活の先輩であった、岩崎鮎美(いわさき・あゆみ 24歳)だった。
突然のお姉さん達のお出迎えにしどろもどろな隆太であったが、心をキリっと正して、笑顔で「こんにちは!!」とあいさつをすると、その後は学校の話、スポーツの話などで自然に会話が盛り上がった。
「やぁやぁ、良く来てくれたね♪ あ、もしかして、俺と会うのって、初めてだったかな??」
隆太たちの会話に入り込んできたのは、少し日焼けした長身の男性であった。 彼は、涼子の兄、磯倉涼一(27歳)で、漁師の仕事をしている。 涼子の話によれば、少し頼りない面もあるけれど優しいから安心してほしい…とのことだった。
「は、、、はじめまして、、、お兄さん!! ぼ、、、僕、、、あの、、、涼子さんの…、、、」
「おいおい、何を緊張してるんだいww 涼子の彼氏だって言いたいんだろ? あははwww」
一瞬、ドキっとするようなシチュエーションであったが、涼一は明るい笑顔と声で返してきた。 実は隆太の想像の中では、彼女の兄というのはどこか怖い存在であった。 アニメやドラマでよく「俺の妹についてまわるな!」といった場面を見ていたこと、涼子より10歳も年下で、まだ中学生の自分が将来の彼氏候補だということを告げれば、険悪なムードになってしまうと、隆太なりの懸念があった。
だが、涼一の瞳は至って純真であった。 涼子の恋人(候補)だと名乗っても、嫌な気持ち一つ見せず、それどころか、大歓迎ムードさえあった。
そのことを知っておきたいと思っていたが、夕暮れ間際、ビーチのキャンプ場でバーベキューをするため、道具や食材を運ぶことになった。
「隆太くん!悪いけど手伝ってくれないか? できるものだけでいいんだけど。」
「はい!!お兄さん!!」
今回のバーベキューパーティーで、男子は涼一と隆太のみであった。 隆太としては女子しかいないというのは、時に話す話題などに困るので、男性のメンバーがいることは心強かった。
道具のセットをしながら、隆太は涼一に尋ねた。 涼子と自分の仲のこと、そして、友加里という、いずれ別れることになるであろう好きな相手のことなどを…。
涼一は、デレキ(炭などをつかむハサミ)で鉄板の火加減を調節しながら、淡々とこう話した。
「ああ。確かにうちには、隆太くんぐらいの弟がいたんだよ。 (スマホの写真を見せて)ほら、こんな感じの。 …それで、涼子のやつ、最初は単なる知り合い程度だったはずが、いつの間にか、恋人になってほしいって思うようになったんだってさ。 もちろん、今すぐじゃなくって、将来、できれば…ってことでね。 俺も、去年隆太くん達がうちに泊まりに来た時、その様子見てたけど、ホントにいい男の子だなぁって思ってたよ♪ 友達のことも大事にするし、涼子とも不通に話しできてるし…。 むしろ、俺の方が隆太くんと友達になりたかったぐらいだよ。」
…色々と予想外な話が飛び出し、やや体が硬直していた隆太。 それでも、涼一の話すことを聞いていた。
「けど、もう亡くなった弟のこと思い出しても悲しいだけだから、これからは出会うことに喜びを感じて生きようって、兄妹で決意したんだよ。 俺たちがいつまでも淋しがってちゃ、弟が浮かばれないだろ? それに俺は兄として、妹が好きだって決めた相手を遠ざける権利なんてないしねwww まぁ、俺的にはさ、涼子に元気を与えてくれてありがとう!!って思ってるよ(*^-^*)♪ あいつ、弟が死んでから、全然元気なかったんだ。 兄としての俺も、何もしてあげられないし…。 …で、水泳始めてみたらどう?って勧めてみたら、何とびっくり、隆太くんっていう、思いっきり年下の恋人見つけた~!!って、大喜びで帰ってきてさ…。 正直その時は、何が何やら…ね。」
「あの…、嫌じゃありませんか? 僕は、年齢的にも幼いですし、涼子さんのことを好きだって言うの、変に思われてないかって、実はすっごい不安でした…」
「あははっwww まぁ、少なくともウチじゃそうは思ってないよ♪ 隆太くんが素直でいい子だから、俺だけじゃなく、両親だって一目置いてるんだよ。 将来、娘の婿には、ぜひ隆太くんのような心優しい相手がいいねって。」
…隆太は、赤面したと同時に、汗がにじみ出てきてしまった…。
「…ああ、、、あの、、、でも僕には、、、学校でも、好きな相手がいて…」
涼一は、ネットに野菜や肉を並べながら、それについて自身の感想を語った。
「んー、何だなー、、、要するに隆太くんは、彼女のこと、100%好きって言えないから、心にスキマっていうか、迷いがあって、気持ちがぐらつくんだろうね。 でも、俺、初恋の相手とは結ばれないって言葉、妙にその通りだって思ってるんだよなぁ…」
隆太の表情が、少しだけ曇ったが、涼一の意見もぜひ聞きたくて、話を続けてもらった。
「確か、中学校卒業したら、好き同士じゃなくなろうって話してるんだよね? …でも俺的には、それって、その”別れる”時が来てみないと、どうするかなんて決められないと思うんだよ…。 お互いに思えば思うほど、離れる、別れるってのが辛くなるし、卒業してきっぱり恋愛ってやめられるかどうか、俺には疑問だね。 やっぱり、好きであり続けるんじゃないの?」
「で…でも、、、僕はそれが辛いんです。。。 友加里は、学校の中でも話ができる数少ない女子だし、僕も正直、友加里のことが気になります…。 涼子さんと将来、、、その、、、結ばれたいのですが、友加里は、僕と涼子さんの仲のことを、本気にしてくれないんです…。」
「うーん…。。。 それは難しいナァ…」
…金網の上の食材を転がしながら、涼一も答えに困っていた。 そうしているうちに、涼子たちが集まって来て、料理を食べながら、雑談から女子トークなどなどで、夕暮れの砂浜は盛り上がった。
隆太も、焼きたてのバーベキューを味わうのは久しぶりだった。 しかし、涼子たちの厚意を嬉しく思う反面、そこに在るべき「Aiつ」がいないことを、どこか憂いに思っていた。
そのくすんだ表情に気付いた夕子は、思い切って彼にその理由を尋ねた。 そしてその話に鮎美も混ざり、急遽、隆太の恋愛お悩み相談タイムになってしまった…。
夕子「…で、いま隆太くんが淋しいのは、友加里ちゃんに会えないからだよね?」
「はい…。」
鮎美「それって、好きだから淋しいんでしょ? …だったら、一緒じゃないと淋しいって気持ちも、しっかり伝えなきゃダメだよ。」
「でも…、どうやって…??」
夕子「まぁ…、友加里ちゃんが帰ってきたら、デートにでも誘ってみたらどうかな? それで気持ちを確かめ合って、好きでいてもいいか、それとも、距離を置いていくべきか決めなきゃね。 私の本音言っちゃうと、他に好きな子が出来たんだったら、タイミングを問わず”さよなら!”って言っちゃうけどね。」
鮎美「だから夕子ぉww それができなくて隆太くん悩んでるんじゃんwww 同じ学校の同じ教室いて、まだこれからも学校通うのにそんなの無理だってwww」
夕子「そうかぁ…。 でも何だかんだ言っても、決めるのは隆太くん自身だよ!!」
鮎美「そうだよね。 卒業の時まで恋愛してて、その後は友達同士っていう関係を望んでるんでしょ? お互いにそこんとこを割り切れるように気持ちを持っていけばいいんじゃね?」
…隆太は、少し頷いたものの、自分が描いていた恋愛像とはかけ離れた答えが出ていてしまい、戸惑っていた。
「だ、、、だって、、、恋愛続ければ、いずれは結婚ってことになるし、、、結婚は、誰か一人じゃなきゃダメだし…。。。」
夕子「あらぁ? 私は男子との付き合いなんて、未だにそこまで考えてしてたことなんてないわよ?」
鮎美「あたしもそうだよ。 彼氏だ彼女だって言っても、それが必ずしも永遠の関係ってこともないよ。 出会ったり別れたりはあるよ。 特に、自分の将来の夢を叶えるのに、彼氏の存在を切り捨てなきゃならない場合だってあると思う…。 隆太くん達のケースがその一例なんじゃないかな? 友加里ちゃんは作曲家になりたいって夢を強く持っていて、その夢のためだったら彼氏でさえ手放す覚悟でいるんだよ。きっと。。。 でもその分、今は恋愛をいっぱいしておきたいんだと思うなぁ。。。 高校、大学とかって進めば、一人の男子をいつまでも思ってるなんて、できるかどうか…」
…お説ごもっともではあった。 隆太はこの時、友加里を好きでいることは、ある意味では自分勝手な都合でもあると、ふと、心に思った。
「友加里…。。。 だから夏休み中、絶対に電話もメールもするなって…。」
夕子「きっと、友加里ちゃんだって今頃は、隆太くんとお話したくてうずうずしてると思うよ。 けど、もし隆太くんが、友加里ちゃんとの仲をいつまでも引きずるようなことしちゃったら、彼女、強く抱いてた夢を、叶えられないことになっちゃうかも…。 まぁ、これって私の勝手な考えだけどね。」
…そんな会話のさなか、涼子が雰囲気を盛り上げようと、花火に火をつけた。
「さぁさぁ!! いっぱい食べていっぱい楽しんで!! 隆太くんも、ほらっ!!」
「ああっ!!ちょwww 涼子さん!! そんなに食べられないですよぉ~~~」
「あっははははははwwwww 隆太くんったらもう!! 誰がそんな一気に口に詰め込めって言ったよ~ww」
「うふふっ♪ ねぇ鮎美? あの二人、このまま成長していったら、きっといいカップルになれるよね?」
「そうだね夕子♪ けっこうお似合いの男女じゃんwww 隆太くんさえよければ、きっと…、、、ね。」
やがてバーベキューパーティーはお開きとなり、隆太たちは後片付けをして、お風呂に入り、眠ることにした。
「ねぇ、隆太くん? お兄ちゃんの部屋で寝てもらってもいい?」
「は…はい!!」
「そう? 何だったらあたしの部屋でもいいよ」
「ちょっとwww涼子さん!!!それはまずいでしょ!?!? 僕、、、女子と同じ部屋で寝るなんて無理ムリです…、、、!!!!」
「あっははははwww わかってるわかってる♪ ま、淋しくなったらお部屋においでよ。 悩み事とかあったら聞いてあげるからさ♪」
隆太は顔を真っ赤にしながら、涼一の部屋に布団を敷いた。
…その夜は、涼一から、自分が漁師になったいきさつについて話を聞くことができた。
「俺さ、昔からこの海が好きで、魚を釣ったり獲ったりするのも好きだったんだ。 だから、将来はそんな好きなことを職業に活かしたいって思って、漁師になることを決意したんだよ。 もっとも、うちはじいちゃんの代から漁師やってるから、家業を継げば就職難に嘆く必要もないし、家庭的にも丸く収まるからね…あははwww」
「でも、その意志って立派じゃないですか~。 僕なんて、まだ高校も、どこにしようか目星もつけられないでいるんですよ…」
「心配ないよ。 隆太くんはまだ中2なんだから、もう少しじっくりと進路を選ぶ時間はあるよ。 焦らない焦らない。。。 まぁ、友加里ちゃんみたいに、幼い頃から夢が決まっちゃってる人はそれでいいのだろうけどね。 けど、恋人も進路も、選べるのはたった一つ。 後悔のないように、自分に一番ふさわしい選択ができるように、これからは頑張っていかないとな!!」
「はいっ!!」
…この会話、涼子は廊下で聞いていた。
実は涼子は、隆太が友加里たちと会えないでいるので、元気がないことを心配していた。 立ち聞きは失礼と思いつつも、彼のことが不安だったので、二人の会話に聞き耳を立てていたのだった。
「ガチャッ!!」(ドアを開ける音) 「そうだよ!!隆太くん!! その意気!!ファイトだよ!!」
「なな…、何だよ涼子!! 兄の部屋にノックもしないでいきなり入り込むなんて…」
「ああ、、、ごめんごめんwww でも、私、心配してたんだもん…。 電話でも元気ない声だったし、今日最初に会った時だって、すっごい淀んだ表情してたし…。 大切なお友達と会えなかったり、お話できなかったりするのって、とっても辛いことだもんね。 だから私、隆太くんを今日のパーティーに招いたんだよ♪ 一応、人生ってか恋愛の経験もある夕子と鮎美とも話してみれば、何か隆太くんのつっかえた気持ちを流してあげることができるかも…って思って、二人を呼んだんだよ♪ でも良かった(^^♪ こうして元気な声が聞こえて来たからね。 私達も隆太くんはもちろん、あなた達みんなが描いている夢を叶えられて、幸せな未来を迎えられるようにって、いつも思ってるんだよ♪」
「あ、、、ありがとうございます!! ぼ、、、僕、何だかすっごく、勇気が湧いてきました!!」
「そうそう。 いつも通りの元気な隆太くんに戻って、また友加里ちゃん達と元気に部活頑張って、時々遊んだりデートしたりしようよ♪ 青春の時間って意外に短いものなんだから、少しでも多く楽しい思い出作らないともったいないよ!!」
「はいっ!!」
にこっと笑った涼子は、彼にウインクすると、静かにドアを閉めて自室へと戻って行った。 隆太は、涼一や涼子たちから様々な助言を受け、淋しさにしょげていた自分の気持ちが、一気に明るくなったようであった。
…もちろん、隆太にはまだまだ挑むべき壁が数々ある。
涼子は、彼女候補としてだけではなく、人生の先輩として、隆太を良き道へ導いてあげることの大切さを改めて噛み締めた。
…それから数日。
もう夏休みも残りわずかとなったある日、隆太は駅のホームで電車を待っていた。 そう。 今日、友加里が、帰って来るからだ。
電車が到着し、隆太は友加里の姿を見つけるやいなや、彼女に飛びついてしまった。
「きゃっ!!ちょっと隆太ぁ!! …や、、、やめろよぉ…、、、ウチ、ウチ、、、めっちゃ淋しかったんだよぉ…、、、そんなことするなよぉ…」
「友加里ぃ!! 僕だって同じだよぉ…!! でも、気づいたんだよ!! 僕、友加里のことを考えないで、恋愛だ好きだって言ってたことに…」
「えっ…!? それって…??」
二人は駅舎から出て、いつもの公園へとやってきた。 二人はここで、1か月分の思い出話を交わしたのと同時に、隆太が、友加里の夢の実現のためには、恋愛関係の終わりもまた必要なのだと認識したことを、彼女に打ち明けた。
「ありがとう…。 そう思ってもらえると気持ちが楽かも。。。 卒業したら友達同士って関係になるだろうね。 でも、必ず夏休みとかには会おうね!! 絶対だからね!! …それに、、、涼子さんと別れたりしたらマジ許さないからね!?!?」
「んあっ…!! わかってるって…。」
「でもこれだけは忘れないで!! ウチだって、隆太が将来どんな道に進もうが、ウチはずっと、隆太のこと応援し続けるってこと…!! たとえ、恋人同士じゃなくても、ウチら、めっちゃ固い絆で結ばれた仲だってこと、絶対忘れたくないよ!! 男女の間に友情はあるかないかってよく話題になるけれど、ウチにとっては”ある”の一言だからね!!」
「ああ!! もちろんだよ!!」
「…ところでこれ、お土産だよ♪ あげるww」
「えっ…あ、、、ありがとう…。」
隆太が受け取ったのは、音符の形をしたキーホルダーだった。 よく見ると裏にはアルファベットで「RYUTA」と彫られていた。
「友加里…。 ありがとう!!!!」
隆太は、キーホルダーを右手に握りしめ、友加里を軽く抱きしめて、暫し、風の音と胸の鼓動を聞いていた。
友加里もまた、隆太のあたたかい想いを全身で受け止め、瞳から涙が止め処なく流れた。
二人の涙が渇く頃、すっかり辺りは暗くなっていた。 そして家に着いてひと息ついていた頃、さっき公園で別れたばかりの友加里が、すごい形相で隆太の家に駆けつけて来た。
(ピンポンピンポンピンポン…!!!!!!) …友加里は、息切れしながら隆太の家のチャイムを鳴らした。
「ゆっ…、、、友加里!?!? どうしたんだよ!? 一体!?」
「はぁっ…、、、はぁっ…、、、隆太!!!!大変!!!!大変なの!!!! ついさっき、あきらから電話あって…、、、市民プールで水泳の練習してた愛莉が、、、帰り道で車にはねられて病院へ運ばれたって…!!」
「ななっ…、、、なんだってぇーーー!?!?」
-つづく-




