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瞳に映るAiの色  作者: 穂水美奈
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12/24

Episode 11:「譲れない。それ故に…」

 夕焼けの公園で、隆太は水泳部の先輩である杏奈から、友加里が最近よそよそしく、自分を遠ざけているような態度をとる理由を聞くために、待ち合わせの時間に合わせてそこへダッシュで走った。









 ベンチにはひと足先に着いた杏奈の姿が…。








 「あんた?何走って来てんのさww そんなに浅倉のこと心配だったってこと??」








 「はぁ…、、、はぁ…、、、ちっ…、違います、、、!! ただ、、、部活の後片付けが長引いて…」











 隆太の息切れの落ち着くのを待って、杏奈は友加里の近況を、訥々と話し始めた。











 「浅倉はね、将来は作曲家になりたいってこと、あんたも知ってたよね? …でも、音楽系の高校とか大学に行くこともそうだけど、一番はまず、人に認められる作曲の技術があるかどうかってことなんだって。 …で、浅倉のやつ、親の勧めだったか、ピアノ教室の勧めだったかは忘れたけど、創作音楽コンテストっていうのがあって、浅倉はそれに作品を応募するんだってさ。 …で、もしそこでそれなりの成果をあげることが出来れば、高校とか大学への進学が有利になるらしいし、作曲家として注目されるためにも、大きなステップになるんだって。 でも、浅倉にしてみれば、音楽を白紙の状態から作るってのは、実は初めてらしくて、それでいて、将来にかかわるような一大イベントに臨んでいるわけで、本人は色々と大変だってわけね。 学校はテストも部活もあるし、音楽の勉強にだけ時間割ける余裕なんて、これからますますなくなっていくだろうからねぇ…。 ま、アタシ的にはすげぇって思うな。浅倉のこと…。 だって、まだ中学生なのに、そこまでの将来設計があって、今からそれに積極的に向かって行ってるなんて、カッコイイじゃん!!」











 …隆太は、友加里がすでに将来の自分の夢を実現させるために動いていることを知り、当惑した表情で杏奈の話の続きを聞いた。








 「…でもさ、そのコンテストって、アマチュア専門とかじゃないらしくて、かなりレベル的に高いらしいんだよ。 現に、そのコンテスト出身の作曲家も現役で活躍してるらしいからね。 ま、アタシは素人だから、その辺の事情ってわかんないんだけど、浅倉にとっては、相当なプレッシャーもあるらしいね。 何せ、作曲家って売れないと話にならないじゃん…。 売れるためには実績が必要じゃん…。 浅倉は進学したら、同人音楽とかいうジャンルで音楽作りながら、そのCDとか売ったお金で学校の学費払っていこうって考えてるんだって。 何でも音楽系の学校って、ただでさえ遠方に住むことになるし、学費から、勉強に必要な道具とか買ったり、資格取ったりするためにも、すっごい大変な費用かかるんだってさ。」








 …隆太は、普段はどこか軽い感じの友加里のイメージが一転し、彼女の心の内を見てしまったようで、杏奈の話が進むにつれて、自分の将来への不安感も相俟って、心臓の鼓動が激しくなってきた…。








 「ちょっと…!?小野ぉ!?大丈夫?聞いてる??」








 「え…、、、あ、、、はい!!」











 「浅倉の家庭って、お姉さんの由美さんも音大通ってて、子供に音楽教えるバイトしながら卒業目指してるんだってさ。 両親もブラスバンドで知り合った仲だって言うし、浅倉自身も小さい頃からピアノとか楽器習ってたらしいね。 だからこそ、作曲家に憧れるってのはわかるよね。 でも、以前この話を浅倉から聞いた時、彼女、めっちゃ泣きそうな顔してて、こっちもどうしていいかわかんなかったよなー…」








 「え…?? それって、やっぱりプレッシャーとかで…?」








 「違うよ。 まぁ、学校に入れたら、生活費とかは親がある程度サポートしてくれるらしいけど、さっきも言った通り、学校の学費が高いから、浅倉は向学を兼ねて音楽活動しながら卒業まで頑張って行きたいんだって。 けど、今や同人のCDとかって星の数ほどあって、その中で自分の作品が売れたり注目されたりするかって言われれば、当然、すっごい不安でしょう? だから、死に物狂いで音楽を勉強するって言ってたけど、そのためには、大好きな彼氏さえも遠ざけて生きないと無理だって…」








 … (それで、友加里のやつ、元気なかったっていうか、口数少なかったんだ…。 でも、中学出たら恋愛やめるって以前話してたし、けれど、ずっと仲良しでいようねっても言ったし…)











 「アタシ知ってるよ♪ あんたと浅倉って、実は恋仲なんだってねーーーwww」








 「!!!!…、、、んあああっ…!!!! あああ、、、杏奈さん…!?!?」








 「大丈夫だっつーのwww このこと誰にも話してないし、これからもナイショにしてあげるから。」








 隆太は、ひとまず胸を撫で下ろしたが、杏奈に自分たちの仲が知られていたのはショッキングであった。











 「ってかさぁ、このこと、浅倉が真っ正面からアタシに話してきたんだよねーww さっき言った、作曲家になるためのコンテストとか勉強とか、将来の生活のこととかの不安と一緒に、小野と付き合ってて、その恋をどうしていいかわかんないって…。」








 「んあ…っ…、、、その、、、」








 …自分たちのいきさつを話そうとしたが、その瞬間、杏奈の表情は強張った。








 「アタシ、本音言うと、そんな話聞かされてスッゲーーー腹立った!!!! アタシ、、、アタシ、、、中1の時、水泳部の先輩だった男子とガチ恋してて、、、いっぱいデートしたり、いっぱい話したりしてきたのに、失恋に終わっちゃって…。。。 ってか、今だから話すけど、そいつ、浮気してて、ある日、ファーストフードの店で、アタシの知らない女と手繋いでるとこ見ちゃって…。 …しかもそいつ、後でそのこと話したら、あれは俺の姉だとかいとこだとか、バカみたいな言い訳するだけで、結局最後にはアタシがビンタして別れちゃった…。」











 隆太は一瞬、女性の怖さを窺ったかのようで、表情が凍り付いていた。。。











 「でも、悔しかった、メッチャ…。 だって、グスッ…。。。 だって、、、アタシは真剣だったんだもの!! アイツは絶対、アタシと相思相愛だって信じてたし、だから、水泳部にも入ったんだよ!! 他に入りたかった部活捨てて、女子の友達と遊ぶ時間とかも、アイツと過ごす時間に廻してた。 プレゼントだっていろいろしたよ!! やれ誕生日だとか、バレンタインデーだとかってあれば、散々悩んで、でも心を込めて…。 アイツが喜んでくれるなら、本当に、何を犠牲にしても惜しくないって気持ちだったんだよ!!!! ううっ…、、、グスッ…」








 瞳に大粒の涙を浮かべた杏奈。 隆太にしてみれば、こんな展開になるとは青天の霹靂であった。 宥めようにも自分たちがいま、友加里と恋愛していることを思えば、杏奈に対しては軽口をきいたことになりそうだ。








 必死に脳内で、かけるべき言葉を探すが、全く浮かんでこない…。








 そうしているうちに、杏奈は彼の返事を待ちかねたかのように…








 「アタシ、、、だからリア充って超大っ嫌い!!!! アンタ達のことは後輩として気に入ってるけど、コイバナとかされると、ホントはメッチャメチャ頭に血のぼっちゃうんだよ…」











 …隆太は、涙をこぼしながらそう訴える杏奈を前に、顔面蒼白…。











 …しかし、杏奈が次に発した言葉は、実に意外なものだった。











 「小野? ごめん…。 つい、過去のこと思い出しちゃうとアタシ、いつもこうなっちゃうんだ…。 こんな性格が災いして彼氏できないんだって、わかってはいるけどね。。。 っていうか、小野と浅倉が恋仲だってこと、心の中では祝福したいって思ってるよ。」








 「えっ…!? ほ、、、本当ですか…!?」








 「うん…。 ホントだよ。。。 だって、二人とも真面目だし、将来への夢もちゃんと持ってるし。 誰かの幸せは、そのまま幸せであり続けますようにって願えないようだと、自分も幸せになれないもんね…。 柊と織畑だって、実は好き同士なんじゃないの…??」








 「えっ…、、、いや、、、あの二人は、、、」








 「いいよいいよ。 いまは聞かないでおくから♪ …それより、アタシからお願いあるんだけど、聞いてくれる?」








 「え…? はい。。。」











 「浅倉のやつ、いま部活休んでるけど、このままじゃ2年生から県大会への出場選手がいなくなっちゃうんだよ…。 勉強とかプレッシャー辛いのはわかるけど、部活もある程度出てくれないと、こっちとしても困っちゃうんだよねぇ…。」








 「はい!!わかりました!! 早速、友加里に部活にも出席するようにって話を---」








 「こら!! 早いっての!! そうじゃないっ!! 浅倉のやつ、不安と焦りと、孤独な感じですっごいしょげてたから、元気付けてやってほしいんだよ。 確かに、近い将来離れ離れになっちゃう彼氏の小野から声かけられるのは、嬉しくも辛くもあるだろうけど、いまの浅倉の心に割って入れるのは、アンタしかいないはずだから…」








 「…はい。 僕なりに、頑張ってみます!!」











 …友加里の胸の内に秘めた悩みを知ることはできたが、次に待っている課題は、どうやって友加里に接近するか…であった。 下手に勉強の話をするのは勿論、あまり無関心な様子を見せても嫌がられてしまうだろう。











 …しかし、隆太はあえて思った。 さっき、杏奈に言われた通り、友加里の閉ざされつつある心に入れるのは自分だけ…という言葉を信じて、積極的に声を掛けて、励ましつつも安心してもらえるよう、頑張ってみなければ!と思った。














 翌日、いつも通り学校へ行った隆太。 同じ教室にいる隆太と友加里だが、友加里は昼休みでも難しそうな音楽の教本を読みながら、五線譜に音符を書いたり、指先で机を、トン、トン、トン…と叩いたりしていた。








 勇気を出して、隆太は友加里に声を掛けた。 「ゆ、、、友加里、、、何の勉強? 随分頑張ってるね…」











 「・・・・・・・・。」 友加里は、隆太の声掛けに気付いているはずだが、無言である。











 「…ゆ、友加里…、、、杏奈さんから、話は聞いたよ。 大変なのはわかるよ。 でも、そんなに緊張しすぎない方が---」











 「うっさい!!!!失せろ!!!!消えろ!!!!バカバカバカ!!!! うわあぁぁぁーーーーん・・・・・・・」











 怒号と同時に、泣き崩れた友加里。 周囲からは、小野が浅倉を泣かせた~…といった、冷たい視線が送られていた…。











 刹那、友加里は机に広げてあった教本や五線譜ノートをまとめて、それを持って教室を飛び出して行った。








 「ああっ…!! 待てよぉ…!!友加里ぃ…!!」














 追いかけた先は、誰もいない音楽室だった。 友加里は、今にも涙がはちきれそうな表情で隆太を見つめながら、やがて彼の胸元に飛び込んで、大きな声で泣いてしまった。。。

















 「うわあああああーーーーーーーん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!」














 「隆太ぁ!! 隆太ぁ!! ごめん!!!! 私…、いま、隆太のこと考えないようにしなきゃって思ってたの…。 でもっ…、、、でもっ…、、、そ、、、そんなの、めっちゃ辛いよぉぉぉぉ・・・・・・・・」











 「友加里ぃ…」











 「ウチ、、、将来のために、いま、頑張らなきゃならないって思ってるんだよ…。 今まで無視してきてホントにごめん!!!! でも、どうしても必要な無視だったんだよぉぉぉぉ…!!!!」











 …やがて、涙を拭きながら友加里は、いま自分が挑んでいる試練について語り始めた。 内容的には杏奈から聞いた通りのことだったが、友加里はさらに、自らのやせ我慢的な気持ちも吐露したのであった。











 「ウチ、マジでバカだよね…。 考えてみれば、コンテストのために隆太と話しないで過ごすなんて、意味ないことだったよね…。 ガチガチに五線譜に向き合って、テキスト読みまくっても、何にも浮かんで来なかった…。 好きな事ガマンして集中しようって思ってたのに…、ウチ、ホントに、バカだよね…。」


 …隆太は、床に散らかった友加里の教本やノートを拾い集めながら、それを彼女に手渡して、一言自分の気持ちも添えてあげたのだった。












 「無理すんなって…(*^-^*)♪ 友加里が真剣に作曲家目指してるってこと、僕が誰よりも一番よく知っているつもりだよ。 まだ中2なんだし、いきなり高い壁に無理して挑んで、何としても成果をあげなきゃって思うのは、ちょっと早計じゃないの…? ゆっくり頑張ろうよ!! 辛い時は僕が友加里の悩み聞いてあげるって。 僕は直接的に音楽を教えられないけれど、友加里の心の支えになれればって思ってる。 友加里の譲れない夢のことはわかっているよ。 だけど、いきなり焦らないで…。。。」








 …隆太は、そっと友加里を両腕で抱きしめた。











 友加里の瞳から全力で涙が溢れる…。 友加里は、いままで隆太の心配りを無下にしてきたことを、激しく心の中で後悔していた。。。














 「ごめん。隆太。。。 でも、もうちょっとで曲が書き上がりそうなんだよ。。。 最後の方をどうするかが全然思いつかなくて、、、それでつい、イライラもしちゃったし、、、隆太に話しても勉強教わるみたいにはいかないし…。 それで、、、ウチ…、、、」











 「もういいって。 僕だって、ここまで真剣な友加里に、夢をあきらめてほしくないもん…。 確かに、結果はついて来ないかもしれないけど、これから何度でもチャンスはあるだろう? 友加里があきらめない限り、僕だって友加里の夢の応援をやめないよ…♪」











 「うわぁ…ん…。。。 ウチも、、、ウチもね、、、隆太のこと、失いたくない…。 進学して隆太と離れることになっても、気持ちまで離れたくない…。 恋仲が終わったとしても、、、ずっと仲の良い関係でいたい…。。。 もし、もしも、、、ウチが将来、作曲家になってそれなりに生活が安定したら、いや、音楽学校に入って、暮らしに慣れてきたら、また、隆太と恋愛したい…。 もっとも、隆太は、涼子さんにとられちゃってるかもしれないけど、ウチ、、、夢は絶対に叶えたい!!!! だから、隆太に応援してもらいたいよ!! 隆太は涼子さんと結婚してもいいよ!! けど万が一、涼子さんにフラレたら、ウチがその時のために、おひとりさまとして待っててあげるからさぁ…!!」











 …最後の一言がやや心に引っかかった隆太だったが、友加里の、頑なに譲れない夢を、(現)彼氏として応援しないわけがない。











 「友加里…。 頑張って!!」








 「隆太ぁぁぁぁぁ…。。。。。。。」














 すっかり二人だけのムードになっていたところだったが、突然そこに誰かが入って来た…!!








 「ガラッ!!」








 友加里「キャっ!!…って、あきら、愛莉…!?」











 「悪ぃ悪ぃ…www 実はさっき、二人が教室飛び出して行った後、俺たち、二人を付けて行ったんだよ。 そしたら、ここに来ちゃって。」








 愛莉は、表情を穏やかにしながら…








 「友加里ぃ…。 あんたにそんな高い目標があったなんて…。 それに比べたら、素人バンドで誰かの曲をテキトーに演奏してる自分なんて、お子様同然だよね…」











 友加里「そ、、、そんなこと、、、ないって…。」








 あきら「でも、俺も話立ち聞きしてて、何だか感動しちゃったよ…。 俺なんてまだ、中学卒業したらどの学校行こうかとか、どんな勉強していこうかとかって、ほとんど眼中にないし…。 でも友加里が本当に作曲家になったら、俺、絶対友加里の出したCD買うよ!! あ、、、でもどこかのアイドルグループみたいに、初回限定盤とかはやめてくれよwww 俺、握手券とかのために何枚も買うようなことできねぇしwww そんな買い方したらCDを粗末にしちゃうし…ww ってか、親友のよしみで、サインぐらいはしてくれよな(笑)」











 友加里「わかってるっつーのwww あんた達には1枚くらいタダで送ってあげるってのww もちろん、サイン欲しかったら書いてあげるって(笑)」











 あきらのちょっとしたジョークで、何だか気持ちがほぐれた友加里たちであった。











 「♪キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪」 昼休み終了のチャイムが響いた。








 あきら「わっwwやべぇ!! 次の授業遅れるぞ!!!!」








 …4人は、足早に教室へと戻って行った…。














 それから数日後…。











 久々に、水泳部の部室に、友加里の姿を見た。








 「おっつーww 浅倉!!おひさー♪」








 「杏奈先輩、お久しぶりです。 あの…、部活休んだり、私の事情を隆太に話してくれたり、、、どうも、すみませんでした…。」








 「いいっていいって(笑)♪ それより、コンテストはどうなったんだ?」








 「はい! 何とか自分としては納得のいく譜面を書けました! …もっとも、締め切りギリギリになっちゃいましたけどね…。 最後の方、隆太のおかげで、何とか自分なりにまとめることができたんです!」








 「ほぉーーーwww そりゃあ良かったねぇーーーwww ま、結果はどうなるかわからないけど、とりあえず山は越えたってことか。 それじゃあ今日は目いっぱい泳いでいきなよ!! 暫く水に入ってなかっただろうから、今日は浅倉をみっちりコーチしてやるわぁwww」








 「ちょwww先輩www お手柔らかに頼みますよぉ…ww」








 「あっははははは…www」














 部活の帰り道、隆太の着替えを待っていた友加里。 彼といろいろあったが、今一度話をしたいと思い、この時を待っていた。








 「…で、友加里? どんな楽譜を書いたの?」








 「うん…、ごめん。。。 実はこのこと、誰にも言えないんだ…。 将来、本当に作曲家としてデビューした時、それを発表したいと思ってるんでね。」








 「…そうか。。。 でも、受かるといいね。」








 「うん、ありがと…。 多分無理だと思うけどね。 今回応募したコンテストは、ウチみたいな人から、音大生とか、すでにそれなりの活躍している人まで、幅広い人口層の応募があるからね。 でも、ウチにとって、初めての挑戦だったんだ。 受かるか落ちるかは別にしても、ひとつの音楽を作り上げるっていう目標、途中で投げ出さずに成し遂げられるってこと、自分で自分に証明したかった。」











 「そうなんだ…。 でも、友加里は頑張り屋さんだね。」








 「ちょっとww 何だかいまの言い方恥ずかしいーーーwww」








 「まぁまぁ…。 それはそうと、じきに中間テストもあるし、学校の勉強の方も一緒に頑張ろうよ。 …で、それが終わったら、またあきらと愛莉も交えて一緒に遊ぼうよ!! 3年生になったら受験生だから、楽しめる時に楽しんでおかなきゃ損だよ!!」








 「あははwww そうだよね。」











 …笑顔の戻った友加里に、隆太は我が事のように喜びを抱いた。











 「あ、隆太♪ 隆太にだけこっそり、今回作った曲のこと教えようか? ちょこっとだけ…」








 「えっ…!? 教えちゃいけないんじゃなかったの…??」








 「うん…うふふっww だって、曲のイメージは、譲れない夢と、譲れない恋人を表現したんだもん♪ 隆太から曲作りのヒント、い~っぱいもらっちゃったよ♪」








 「そ、、、そうなの…??」








 「うん。。。 でも、いつか隆太に、ウチの音楽、聴かせてあげるね♪ 大切な隆太だからね…(*^^*)♪」











 「ああ…、ありがとう…。」














 そんな話をしながら、二人は通学路の分かれ道で手を振って、お互いの家路へ就いた。














 その後も相変わらず、隆太と友加里は仲良く過ごしていた。 あきらと愛莉もまた、水泳の県大会の選手に選ばれるべく、日々、泳力の鍛錬に励んだ。








 隆太もまた、涼子とプールで泳いだり、時にちょっとしたデートを楽しんだり…と、それぞれの青春の毎日が、思い出のアルバムへと刻まれていくのであった。











 彼らの進路や目標こそバラバラでも、いま在る青春を全力で謳歌していることに間違いはないのだった。











 そして、気が付けば6月に入る頃…。











 そろそろ、友加里の応募した作曲コンテストの結果が出る。 入選者にはその通知が郵送されてくることになっていた。











 友加里は、果報は寝て待てという言葉通り、後はいつも通りの自分で日々を送っていた。











 もちろん、その結果の如何は心のどこかで気にはなっていたが、残念ながら待てど暮らせど、友加里の家のポストには、入選を知らせる通知が届くことはなかった…。
















 -つづく-

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