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アビリティ・コネクト  作者: 高坂ライト
アビリティ・コネクト ~レベル対抗団体戦編~
20/23

犬井彩夏&猫理冬美vs御堂谷エル 2

最近、話を考えるのが楽しいです。


展開が、早かったり、遅くなったりしますが、是非読み続けてくれたら嬉しいです

御堂谷の自主性が認められ特別ルールが適応される。前代未聞の団体戦。団体戦初の、特別ルールにより2vs1。

数的有利など意味がない。実力が全てものをいう。御堂谷がそう伝えたそうに、このルールをもってきたようにも思える。

『力』が世界を支配した今。だからこそ、犬井彩夏と猫理冬美はその『力』に抗う。


ーーーーーーーーーー


1組ベンチ


「まさか、2対1になるなんて…」


澪は口に手をやり思い詰めた表情を浮かべている。


「どうしたんだよ。チャンスじゃん」


「うん。だけどチャンスになりえるには、相手が同等に近くなければいけないの」


「じゃあ…」


「うん。実力の差が圧倒的なこの状況じゃ、意味がないね。たぶん」

「それに、もっと重要なことがあるよ」


「何だ?」


澪は一度、静寂を作ると、言葉を告げる。


「この2vs1。負ければ、私達に勝ち目はなくなる」


ーーーーえ?ーーーー


何故?この試合の状況で、俺達の、団体戦の結果が決まるのか?


「分からないの?」


言葉はでなかった。先の戦いの緊張も込み上げて来ている状態で、心に残る言葉が染みる。

思考がまわらない。


「分からないなら、今はいいわ。今は、応援しないと」


「ああ。そうだな…」


ーーーーーーーーーー


9組ベンチ


「エルさん。どうしてこんな…」


唯は、口に手をやり思い詰めた表情を浮かべている。


「カカッ。いいじゃねぇか。マジで、御堂谷の戦い方はツボだ!」


高々と笑いをあげる五十土。それに反発するように唯は言う。


「こんなやり方、間違ってる!何がそんなに面白いの?!」


「あ?さっきもいっただろ?俺に勝ってから言えよ。そういうことはよ」


でかい身長で見下すように言う五十土に対し、唯は暗い表情を浮かべている。だが、その目には怒りが込み上げてるように思える。俺は、黙って会場の中を見続ける。

すると、不意に、空いてる隣の席に腰かける男が現れた。


「唯さんと、凶司朗さんって仲悪いですよね」


浅木翔馬は、俺に向けボソッと呟く。軽く、目線を向けると、翔馬はどこかもの悲しげな表情を浮かべていた。

翔馬は視線に気づいたのか、こちらをむく。


「そうだな。2位と3位だけにプライドがあるんだろ。それに、唯は…」


言葉に詰まる。言って良いのか、悪いのか、考えた結果、言葉を続けなかった。


「唯さんがどうかしたんですか?」


翔馬は俺に言葉の続きを促そうとしている。だが、俺は何も言わなかった。視線を反らすだけだった。


「もしかして、『月衆一族』に関わること…」


「察しの良いガキは、俺は嫌いだ。言葉を慎め」


翔馬の言葉を遮り、睨み付ける。一瞬身をひいた翔馬だが、直ぐにたてなおす。


「はい。すみません。ちょっとした、出来心で」


「気をつけろ。俺の前で二度と『月衆一族』と言うな」


俺らしくもなく、少し気が立ってしまった。今は、少し気持ちを落ち着かせるか。

勝負を見届けるのが、俺の役目だ。



ーーーーーーーーーー


ドーム内


緊迫とした空気に包まれる、ドームの内で、犬井の荒い息の音しか聞こえない。私は、犬井を支えたまま、目は御堂谷をとらえ続けている。


一歩、一歩とこちらに歩み寄る御堂谷。私達は、ジリジリと後ろに下がり続ける。

御堂谷に隙が出来たわけじゃない。だけど私は咄嗟にフォースを溜め、技を造り出す。

造り出した水が、一滴、二滴と落ちると、放った。


「水縛り!ポセイン!」


細い水が、10本近く放たれ、御堂谷の足を縛りあげる。


「あらら?なんだこれ」


一瞬動きを縛られる御堂谷だが、その一瞬の後に足から毒液を流し込み水を重さで落とす。いや、水を殺すといった方が正しい。私の水は、威力が弱い代わりに、蒸発して無くなるまではいくらでも使い続ける事が出来る。

だから、落とされはしたが、更に動かそうとした。だけど、水はいうことを聞かなかった。すなわち、私の水は、御堂谷の毒に飲み込まれ、殺された。

代わりに御堂谷の毒が増量したようにも思える。


「せっかく、チャンスを与えたんだ。楽しませてほしい、な!」


腕を上に振り上げる御堂谷。その後ろに毒が集められ、下から上へ毒が上昇する。その毒の形は別の形に変形する。


「さぁ。これはどう防ぐ?」


ヒドラ。ヒュドラ。いろいろ呼び名は聞いた事はある。九つの頭に、全身毒の竜。この技を喰らった生徒は、レベル9以外で、立ち上がった人はいないという。


《猛毒操作》の御堂谷エル。またの名を『毒素竜ヒュドラの支配者』


その名を改めて思いだし、状況をみる。絶望的。圧倒的。

勝ち目はない。


私の顔は、たぶん青ざめていたのだろう。助けに来たのに何も出来ず、『力』に怯えている。

彩夏はとっくに虫の息。

私達は何も出来ない。


「はぁ。絶望って顔してるね。所詮、レベル1だ。二人いたとしても1+1で2。いや、1×1で1のままだ。9の僕には勝てやしないんだ」


図星。その通り。当然。当たり前。

異論も反論も抗議もできない。

それほどまでに『力』は正しい。


私は言葉に詰まり何も言えない。

遂に顔は俯いてしまった。


「戦意を失った奴と戦うほどつまらないものはないね。」


ため息混じりに言ったその声音は冷たかった。


「これで、おしまいだ」


腕を降り下げた。ヒュドラは一度高い雄叫びをあげると、私達に、襲いかかる。だけどその雄叫びは私の耳に通らなかった。


終わりが近いときって、こんなに静かなんだ。何も聞こえないのだ……ーーーーーーーー


私は諦めた。認めた。私には、何もできないと悟った。


ーーーー私の『力』は及ばないーーーー


















「冬美伏せて!!」


第20話~犬井彩夏&猫理冬美vs御堂谷エル 2~

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