能力リレー
ー騎馬戦が思いの外早めに終了しましたので予定変更ですぐに能力リレーを始めます。参加生徒は直ぐに準備をはじめてくださいー
「能力リレーには参加するだろ?」
俺は澪に問う。知ってはいるがただの確認に過ぎない。あと、話すことが無かったからかな。
「うん。そうだよ。一人一個はでないといけないからね。仕方ないけど」
「だな。それにしても、1組は凄い人数だな。30人近く走るのか」
「そうみたいだね。だから他のクラスは1番おおいクラスに合わせるために沢山走る人が多くなるんだよね。」
能力リレーは、自分の能力を駆使して走らなければいけない。能力リレーでの勝敗は1番でゴールすることと他にパフォーマンス、つまり魅力的な走りと能力をすればいいだけだ。パフォーマンスによって順位が変動することもあるらしい。物理的な邪魔は無しみたいだ。
ーそれでは能リレーを開始します。位置について用意ー
第1走者がクラウチングのかまえをした。ピストルの合図でスタートした。
2走、3走と順番が回っていく。9組は今回は二人で回していくみたいだ。何度も走る人は同じ技を繰り出してはいけない。ということは技のヴァリエーションが多いってことか。
「エレクトリック・イリュージョン」
9組の一人、名前は分からないが、幻影で美しい花畑を造り出した。見るものを魅了するような言葉で表すには足りないほど美しい色合いの花が広がっていた。
それは、観客だけに限らずリレー参加者も見とれてしまい、動けずにいた。その間に9組はバトンをパスする。パスされた9組は幻聴を使う。噂には聞いたことがあったが、彼らは双子のようだ。要るもんなんだな。似すぎてる。
「カーヴァイン・メトロノーム」
9組の彼が指を鳴らすと周りから大きなメトロノームが出現する。カチッカチッと振り子がゆれ一定の早さになるまでゆれ続ける。そして、メトロノームからリズミカルな音が流れる。音がこの場を制した。誰一人として物音もたてずにただ制止していた。
そして、バトンがもう一人の彼にわたる。
9組はその連続で見事、他を圧倒する美しさで一番にゴールした。
1位9組
2位8組
後、数字順
「おいおい。何をやらせても9組が圧勝じゃねぇか」
「そうだねぇ。力の差は歴然だねぇ」
「そうみたいですね」
俺、澪と暗いムードになってしまうが先生がそれを壊した。
「でも、僕はねこの力の差を埋められるのは君たちにしか出来ないと思うんだ。」
え、、、、
「普通、トーナメントで9組に当たった人は確実に負ける。負けるだけならまだしもその後に学校をやめてしまうのがほとんどだ。それほど力の差を思い知らされてしまう。だけど、君は違った。一度は力の差に屈してしまってもまた立ち上がることが出来た。一度でも立ち上がるのは難しいのにだ。」
「それは、澪に支えてもらったからです。澪がいなければ、とっくに諦めていたと思います。俺は、自分の力だけでは立ち直れなかった…」
「普通、それでも逃げてしまうのが多数だろう。」
「支えてもらっただけじゃ力の差は埋まらないですよ」
「でも、君は支えてもらっただけで、勇気が与えられた。それは、立派な力じゃないのか?恐らく君達は一人では挫けて逃げ出すことがあると思う。だが、二人でなら、どんなピンチでも乗り越えられると、そう信じているよ」
「「先生……」」
いつも、のほほんとしている先生から今回は、凄く力をもらえた気がした。思わず涙が出そうだった。
「はい。話は以上。そろそろ、団体戦が始まるよぉ。じゃあ、行ってこい!!」
俺と澪は軌道院先生に背中を押され、前に進んだ。一歩ずつ。今の、俺は、澪といる限りもう負けないとそう思っていた。
そう思っていたんだ……
第13話~能力リレー~




