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神々の戯れ~ゴッドゲーム~   作者: 歌ポケ
第一章〜邂逅編〜

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決意

「流星類無女神(ながるるほしのたぐいなきめがみ)?」

「はい、そうです。」


それからカンナはいろいろなことを話してくれた。


世界は、上位存在が住む神界(ワンネス)、それ以外が住む道界(ベースド)、神界(ワンネス)と道界(ベースド)の何らかの影響で発生する創造界(クリエイト)の三つがあること。


流星(りゅうせい)家は天翔(てんしょう)家の分家で、千年くらい前に父親が神々の戯れ(ゴッドゲーム)を勝ち抜き上位神になったこと。


その後、父親と龍白(るはく)の姉の龍桃(るとう)が恋仲になり、カンナが生まれたこと。


カンナが生まれて間もない頃、道界(ベースド)にいる父親の神従者(パートナー)の子孫の家の近くで川の氾濫があり、掟を破り助けたこと。


上位神は力を使って道界(ベースド)や創造界(クリエイト)に影響を及ぼすことはできるが、力の行使には制限があり、それを利己的な理由で超えたとみなされれば罰を与えられること。


カンナの父親の処遇をめぐって、各家の代表の上位神が集まり会議をした結果、カンナの父親は上位神から下位の神に降格させられ、流星家は没落してしまったこと。


カンナの両親は部下や使用人のフォローが終わると、天翔(てんしょう)家に迷惑がかからないように、カンナを連れてひっそりと暮らしていたこと。


ある日、没落神の噂を嗅ぎつけた大量の神狩りの襲撃に遭い、両親が自分を守り行方不明になり、カンナはすんでのところで龍白(るはく)に助けられたこと。


龍白(るはく)が両親を探すも一向に手掛かりは見つからず、今日まで龍白(るはく)含めた天翔(てんしょう)家の人たちに助けられて生きてきたこと。


カンナは涙ぐみながら話してくれた。


特に、両親がいなくなったときの話は涙が止まらなくなっていて、辛いことは話さなくていいと伝えたものの、自分の覚悟を知ってほしいからと全て教えてくれた。


「両親を探すため、流星(りゅうせい)家を復興するため、支えてくれている人たちに恩を返すため、私は……。私は神々の戯れ(ゴッドゲーム)に勝ちたいのです。」


溜め込んでいたものを全て吐き出すように、カンナは涙を流していた。


こんなとき、気の利いた言葉がパッと浮かんでくればいいのだが、何も思いつかなかった。


何を言っても、粗末なものにしかならない気がしてしまった。


もちろん、十年以上続けた野球を軽んじているわけじゃない。


重い、あまりにもカンナの背負っているものが重すぎる。


でも、たとえお粗末だったとしても、うまく言葉にできなくてもこの気持ちは伝えるべきだと思った。


俺は泣いているカンナの前に行き、カンナの両肩を掴んだ。


「取り戻そう。失ったものが違いすぎて、言葉に重みがないかもしれないけど、一緒に大事なものを取り戻そう。」


カンナは俺の言葉を聞くと、泣きじゃくりながら抱きついてきた。


背中をポンポン叩いて落ち着かせる。


カンナの泣き声が落ち着き、俺から離れる。


「…大助、ありがとうございます。おかげで、心の中の不安が無くなりました。」


目が腫れていたが、カンナはいつもの笑顔を俺に見せてくれた。


「おう、絶対勝とうな!」

「はい!それと……。」


今度は、カンナが俺の両肩を掴んできた。


「大切なものに大小なんてありません。だから、言葉に重みがないなんて言わないでください。あなたの願いはもう、私の願いなんですから。」


いつものように、カンナがまっすぐな瞳で俺を見る。


その瞳や言葉に嘘がないことは、誰よりも俺がわかっていた。


俺よりずっと過酷で辛い時間を過ごしてきたはずなのに、それを感じさせない振る舞いや言葉。


ここに来てからずっと、自分の願いを叶えることだけを考えてきたけど、勝つ理由がもう一つ増えた。


「ありがとう。」

「ふふ、改めて宜しくお願いします。」


決意は固まった。


自分のため、カンナのため、神々の戯れ(ゴッドゲーム)に必ず勝つ。


「ところで、呼び方はどうすればいい?」

「カンナでいいですよ。本当の名は、流星(りゅうせい)家を復興したときに堂々と名乗ると決めてるんで。」

「わかった。俺もそのときは類(たぐい)ちゃんって呼ぶよ。」


カンナが少し膨れた顔になる。


「その呼び方やめてくださいよ。子供の頃の呼び方で、白(はく)姉様しか呼んでないんですから。」

「そうよ!類(たぐい)ちゃんは私だけが呼んでいい名前よ!」


突然、襖が開き龍白(るはく)が入ってきた。


「は、白(はく)姉様!?いつの間に帰ってきていたんですか!?」

「今さっきよ。」


確証はなかったが、なんとなく嘘のような気がした。


「それより、二人の話は大体終わったのかしら?」

「はい、大助には私のこと含めて話しました。」

「ふーん?」


龍白(るはく)がこちらをじーっと見てくる。


「大助、ちょっと。」

「は、はい。」


龍白(るはく)が手招きしてきたので、一緒に廊下に出る。


「まずは、いろいろとありがとう。いきなりこんなことに巻き込まれて大変でしょうけど、類(たぐい)ちゃんのことよろしくね。」

「いえ、カンナにも龍白(るはく)さんにも助けてもらってばっかりですし、俺たちの願いを叶える為にも全力を尽くします。」

「俺たち……のか。」


龍白(るはく)が嬉しそうに笑う。


「頼もしいわね。それと、白(はく)姉様でいいわよ。」

「いや、それは恐れ多いという……か……。」


龍白(るはく)が無言の圧力をかけてくる。


これは、拒否権はなさそうだ。


「わかりました。白(はく)姉……さん。」

「ふふ、よくできました。」


様はなんか気恥ずかしいのでさん呼びにしたが、ほんの少しの抵抗は成功したようだ。


「それと……。」


龍白(るはく)の雰囲気が変わる。


何故だろう、嫌なプレッシャーを感じる。


「類(たぐい)ちゃんに手を出したら……わかってるわね?」

「はい!わかってます!!!」


龍白(るはく)が優しい表情に戻り、ニコっと笑顔を向けてきた。


気づいてはいたが、カンナに対してそうとう過保護なようだ。


そりゃ、行方不明の姉の一人娘をずっと手塩にかけて育ててきたのだから気持ちはわかるのだが、それにしても怖かった。


「二人共、何を話しているんですか?」


カンナが様子を見に来た。


「何でもないわよ。さあ、私からも話があるから部屋に入りましょ!」


いろんな意味で心強い味方がいて、カンナは幸せ者だなと思った。


「まず、神々の戯れ(ゴッドゲーム)が開催されるまで、まだ時間はあると思うわ。」

「そもそもなんですけど、開催日とかは誰が発表するんですか?」


龍白(るはく)が俺のほうを向いて難しい顔をした。


「ちょぉぉぉぉぉっとややこしいんだけど、今回の神々の戯れ(ゴッドゲーム)の開催日は荒闇(あらやみ)家が決めるのよ。」

「荒闇(あらやみ)家っていうと……。」

「あなたたちが戦った、災禍(さいか)家の大元ね。」

「えぇ!?じゃあ、あいつらに主導権を握られているってことですか!?」

「厳密には違うんですけど、その認識でいいと思います。ですが、災禍忌悪(さいかいお)は神従者(パートナー)が定まっていない状況です。つまり、自眷属(ファミリオン)もまだいない為、このままでは参加することすらままならない。そうですよね、白(はく)姉様。」

「そう。昨日の戦闘で神従者(パートナー)候補が消え、加えてあれだけ痛手を負えば準備に時間がかかるはず。荒闇(あらやみ)家も、自分の身内が参加できないなんてことはしないでしょう。」

「なるほど。神々の戯れ(ゴッドゲーム)に参加するには神と神従者(パートナー)と自眷属(ファミリオン)が必要だから、災禍忌悪(さいかいお)の準備ができてから神々の戯れ(ゴッドゲーム)は開催される。それじゃあ、俺たちも早く自眷属(ファミリオン)を見つけないといけないですね。」

「それについては当てができたわ。」


龍白(るはく)が巻物を広げる。


俺とカンナが覗くと巻物には地図が書いてあり、その中に赤丸が付いている部分があった。


「霊生(れいき)の森?」


俺がそう読むと、龍白(るはく)がいつもの笑顔を見せる。


「そうよ、私たちは霊生(れいき)の森へ向かうわ!」



第九話読んでいただきありがとうございます。

感想や質問等はドシドシお待ちしております。

次回投稿は10月24日(土)22時頃を予定してます。

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