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神々の戯れ~ゴッドゲーム~   作者: 歌ポケ
第一章〜邂逅編〜

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追跡劇

「おい!いきなりなんだよ!あいつらなんなんだ!」


飛び立った光の中から、少しだけ外が見える。


黒い鳥達は追いかけてきているが、こちらのほうが速いようでどんどん追っ手を引き離していった。


「いきなりごめんなさい。先ほど現れたのはおそらく神狩りと呼ばれている者たちで、私を狙ってきたのでしょう。」

「なんで狙われてるんだよ!お前なんかしたのか!?」

「私のような下位の神は、ああいう輩によく狙われるんです。」

「下位の神って…、俺こんなところで死にたくないぞ!」


不運な怪我に加え、知らない場所に呼ばれた挙句襲われる。

人生最大の不運がこれでもかと俺を襲うので、俺はカンナにきつく当たってしまっていた。


「本当にごめんなさい。こうならない為に結界も張っていたのですが…。」


言いたいことは山ほどあったが、この状況でカンナを責めても仕方ない。


自分の中の感情を飲み込んで、できることを探すことにした。


「ああもう、俺に何かできることないか!?」

「外の様子が全部見えるようにしますので、追っ手を見ていてください!!【天翔雲閃(あまかけるくものひらめき)】!!」


カンナがそう言った瞬間、俺たちを包んでいた光がどんどん消えていき夜空が広がった。


後ろを振り向くと、追っ手はさっきよりも遠くなっていたが、代わりに黒い塊のようなものが俺の下を通り過ぎていた。


ん?下?風は全く感じなかったが足場が無くなっていて、俺は空を飛んでいた。


「おい!なんか敵がめっちゃ攻撃してきてるし俺飛んでるし、これどうなってるんだよ!」

「大丈夫です!中から外が見えるようにしただけなので、まだ私たちは光の中にいます!敵の攻撃も私が避けますから!」


次の瞬間、後方からの攻撃が掠ったのか俺は軽くよろけた。


カンナは気まずそうな顔をしていた。


「おい!攻撃当たっただろ!今絶対当たっただろ!」

「し、仕方ないでしょ!突然こんなことになって私だって動揺してるんです!むしろここまでよく避けてるんです!」

「こんな意味不明な場所に呼び出して、命の危険に晒しておいて逆ギレするなよ!大体さっきの話の続きだって…」

「うるさああああい!私にはあなたが必要なんです!命に代えても守りますから、つべこべ言わず後ろを見ててください!」


カンナの勢いに圧倒されたせいか、女の子から初めて命に代えても守るなんて言われたせいか、俺は何も言えなくなってしまった。


後ろを見ると、追っ手とはまだまだ距離があったが少しずつ距離を詰められているようだった。


「カンナ!あいつらさっきより近づいてきてるぞ!」

「いい加減しつこいですね!これでもくらいなさい!」


カンナの体からオーラのような綺麗な光が溢れた。


「【天翔光(あまかけるひかり)】!!」


俺たちの周りが強く光り輝き、そこから何本もの光線が物凄い速さで追っ手のほうに飛んでいった。


黒い鳥たちに見事に命中し、光が弾けると同時に爆発した。


「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」


遠くのほうから、爆発音と追っ手の断末魔が聞こえてきた。


断末魔なんて人生で初めて聞いたが、気にしてる余裕なんて俺にはなかった。


「ふう、やっとゆっくり話せそうですね。」


カンナは、大事を成し遂げたような誇らしい顔つきで笑っていた。


「そんな凄い技あるなら最初から使えよ!」

「何が起きるかまだ分かりませんし、できれば力は温存したかったんです。さっきの術も、あのくらいの距離が一番威力が出せますし。」

「ああ、そう。」


俺は目の前の少女が神ということを改めて実感し、その少女に数々の暴言を吐いたことを激しく後悔した。


「また追っ手が来るかもしれませんし、移動しながら話しますね。」

「わ、わかった。」


正直いろいろ起こりすぎて理解できる気はしなかったが、話を聞かないことには何も進展しない。

とりあえず、さっきの続きから話を聞くことにした。


「契約のこともそうだけど、そもそも神々の戯れ(ゴッドゲーム)ってなんなんだ?」

「神々の戯れ(ゴッドゲーム)とは、下位の神が上位の神になることができる儀式のことです。開催時期も内容も、全てが上位の神々によって決められる。そんな理不尽の中を勝ち抜いた神だけが、新しい上位の神になれるのです。」


神様にも上下があるのか。


カンナがさっき下位の神って言ってたが、さらに上がいるなんて。


一体どんな化け物なんだろう。


「カンナですら下位なんだろ?俺なんかがいたところで勝ち抜けるのか?」

「神々の戯れ(ゴッドゲーム)は神だけでは参加できません。神と神従者(パートナー)、そして自眷属(ファミリオン)で参加するのが条件なんです。」

「パートナー?ファミリオン?」

「大助の大切な野球で説明するとすれば、監督とコーチと選手が揃って初めてチームとして認められるって感じですね。」

「あぁ、それなら分かりやすい。ちなみに俺はどのポジションなの?」

「んー、説明が難しいですけど、コーチ兼選手ってところですかね。」

「え?なにそれ、めっちゃかっこいいじゃん!でも、なんで俺なんだ?」

「契約が完了したら、あなたは私の神従者(パートナー)になります。神従者(パートナー)は、その魂の強さで神の力を高めることができるんです。」

「なるほど、俺がその神従者(パートナー)ってやつになれば、カンナを助けられるってことか。」

「はい、他の神もあなたのことを狙っていて大変だったんですよ。ですが、こうして会うことができて本当に嬉しいです!」


神様なのにと言うべきか神様だからと言うべきか、あどけなく笑うその姿に心が癒されていた。


「最悪の出会いだったけどな。」

「えぇ!!そういうこと言います!?私があなたに会うために、どれほどの苦労をしたと思ってるんですか!!」

「いや、知らんわ。いきなり呼ばれた身にもなってくれ。」


さっきまで生きるか死ぬかの状況だったのに、今は軽口をたたける余裕がある。


カンナには、そういう魅力があるのかもしれない。


「話を戻すぞ?契約ってのは何をすればいい?そんで、どんな危険があるんだ?」

「私とあなたの魂を繋げる、それで契約は完了します。やり方は、掌を合わせて私が神力を流します。あなたはそれを拒まずに受け入れてください。」

「もし拒んだ場合はどうなるんだ?」

「爆発します。」

「爆発!?」


思いもよらないリスクに思わず声を荒げてしまった。


「そんな危ない物を拒まずに受け入れろなんて無理に決まってるだろ!!」

「爆発といっても、あなたの魂体(こんたい)が弾け飛ぶだけで、あなたの本体にはそんなに影響は無いです。それに受け入れられない程の神力なんて流しませんよ。」

「その、こんたい?ってのがよくわかんないんだけど、一体何なの?」

「魂体(こんたい)とは魂で作った体のことです。魂は消滅しない限り、少量でも残っていれば本体に帰るようにできているので、たとえ爆発してもあなたの魂は元の体に戻りますよ。」


他人事だからなのか天然なのか、カンナは物騒なワードをすらすらと並べて説明してくれた。


「…契約で魂が消滅することは絶対に無いんだな?」

「…ありますけど、私が調整しますから、安心してください!!」


カンナはわかりやすい。


そしてそのわかりやすさは、俺を不安にさせるには十分な要素だった。


「絶対危ないやつじゃん!全然安心できないやつじゃん!」

「え、えっと…、魂体が消滅する程の神力を注ぐなんて、契約を初めてやる神が暴走してやり過ぎるみたいな滅多にない状況じゃないと起きませんし、あなたを失ったら、また神従者(パートナー)探しからしないといけなくなるんです!そんな時間はありませんし、私は神々の戯れ(ゴッドゲーム)で勝たなきゃいけないんです!だから…信じてください!!」


カンナの必死な様子からして嘘をついていないとは思うが、これだけは聞いておかなければならない。


「ちなみに契約したことは?」

「ありません。初めてです。」

「ほらぁ!!」

「だ、大丈夫ですって!!何が何でも契約は成功させま…」


「【災禍(さいか)】!!!」


突然目の前にどす黒い塊が現れて、俺たちを包む光にぶつかった。


「うわあああ!!」


光はそのまま落下し地面で弾け、同時に俺たちは光の中から放り出された。

第二話も読んでいただきありがとうございます!質問や感想は受け付けておりますので、ドシドシ送ってください!第三話は10月12日(月)21時に投稿予定です!

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