ステージ5(G)
先に意識を取り戻したのはコクメだった
あたりはすっかり薄暗くなっている
コ:……あれは、いったい……
コクメは自身の身に起こった出来事をおぼろげに覚えていた
夢か現実か、判断がつかずにいる
コ:でも、きっとあれは現実なんだよね
隣で眠る少女の存在が物語る
いつの間にか、深紅のドレスが橙色に変わっていた
コ:…………
夜空を見上げる
自分はいったい何者なのか
なぜ、あのような力を持っているのか
記憶が戻らない限り、それは誰にも分からない
橙:…………ん
コ:あ、おはよう
橙:……コ、クメ?
橙:わたしはいったい……?
コ:もう大丈夫だよ。ボクが全部片付けた
たぶんとコクメは心の中で付け足した
橙:…………
コ:どうかしたの?
橙:な、なんでもないけどけどけどぉ……っ!
コ:言葉遣いが狂ってますけどぉ……?
少女の顔が真っ赤に染まる
どうしてあたふたしているんだろうとコクメは不思議に思ったが、少女がふと空を見上げた
橙:月が綺麗……
コ:そうだね。月が綺麗だ
コクメはぼんやりと思った
あの月は過去の自分のことを知っているのだろうか
馬鹿馬鹿しいことだとコクメは夜空から目をそらした
橙:――――
と、少女と目が合った
コ:……なんだかイタズラっぽい顔してますけれど、もしもし?
橙:そんなことはないよー?
コ:怪しさのかたまりなんですが……
橙:ねえ
コ:な、なんでございまするか……?
橙:私の名前、まだ聞いてないでしょ?
コ:あ、そういえば
少女は呆れたのやらがっかりしたのやら、よくわからない顔をした
けれど、それはつかの間のことだった
ハ:わたし、ハナっていうの。よろしくね、コーさま
少女は向日葵のような笑顔をいっぱいにして、そう口にした
ステージ5、クリア




