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ステージ3(はじまり)


 コクメたち一行はアイスが過ごした街へとたどり着いた


コ:……これって、街なのかな?


レ:街というよりは集落に近いな


イ:自然がいっぱいだねっ


 ハイネは目を輝かせたが、コクメとレンゲはうなだれた

 見上げるだけで首が痛くなるほどの――――大樹

 つたが至る所から垂れ下がっており、住居と思われる大きな葉を用いた建造物がいくつか見受けられる


コ:街ってさ……もっとこう人がたくさんいて、額にタオルを巻いた八百屋のおじさんが大声でお客さんを呼びこんでるような、そんなイメージだったんけど……。もしかしてこれが今流行りのオーガニックってやつ?


レ:んな流行りがあってたまるか。ただの田舎だ


コ:なんだかマンモスとか狩って暮らしてそうだよね


レ:衣服も毛皮を腰に巻いてるだけだったり……それはそれでえっちなお姉さんがいそうでそそられるなあ


コ:次にちゃんとした街に行けたら一緒に病院行こうね


レ:やっぱり、コクメもそう思うか? 最近、オレの肌割れひどくなってきたよなあ


コ:肌割れはどうでもよくて頭のほうの治療に行こうね


レ:そうか、ひび割れが気になってるわけじゃないんだな。よかった……


コ:なんで喜ぶかな!


イ:二人ともあそこに人がいるよ。変なこと言ってないで、話しに行こう


二人:へーい


 三人はこの地域の住人であろう女性に声をかけた

 衣類の詰め込まれた籠を見るに洗濯中だったのだろう


住:ん? 見かけない顔だね。旅人さんかい?


コ:旅人といえば間違いではないんですけど……


レ:実をいうとこの二人記憶を失ってまして、記憶を取り戻す旅をしている最中なんですよ。んで、とりあえず近くのこの村にやってきたわけでして


住:記憶喪失……? 記憶を取り戻す旅……?


 女性の眉間のしわが重なりを増していく


コ:あはは、なんて冗談ですよ! こいつ極度の妄想癖があって困ってるんです。もしいいお医者さんを知ってたら紹介してください(レンゲの首根っこをつかむ)


レ:お、おい。何すんだよコクメ


コ:それはこっちのセリフ。急に記憶喪失とか旅してるんですとか言われても怪しまれるだけでしょ


レ:けっ、結局この世は正直者が損するんだな


コ:ぐっ、返す言葉がない……っ


ハ:わたしたち、アイスちゃんにここを紹介されてやってきたんです


住:ああ、あなたたちアイちゃんのお友達なのね。それならそうと早く言ってくれればいいのに!


コ:ほれ見ろレンゲ。これが正しい初めましての作法だよ


レ:どうも納得がいかない


住:ほれみんなあー! アイちゃんのお友達がやってきたよー


 手を拡声器代わりにして住人たちに知らせる

 すると、先ほどまでの静けさが嘘のように、たくさんの人々がコクメたちを囲った


若い男:あんたたち、アイちゃんの知り合いなんだってな


老婆:アイちゃんは元気にしてるかい?


住:おばあちゃん。あの子がここを出てからまだ三日も経ってませんよ


筋肉男:あいつは村のアイドルみたいなもんだったからな、寂しくてしょうがねえんだよ。ガハハハッ!


 コクメたちが話しかける余地もなく盛り上がる住人たち


レ:なんだか見世物にされてるみたいで気分が悪いぞ


コ:実際闖入者なんだから仕方ないよ。それにしても


イ:うん、アイスちゃんの人望……すごい


 群衆の中から十歳前後のショートカットをした赤髪の女の子が人々の群れからひょっこりを顔を出した

 小さく首をかしげ、


赤髪の子:ねえ、おにいちゃんたちはアイスねえちゃんのともだちなの?


コ:そうだよ。長い時間一緒にいたわけじゃないけど、ボクたちとアイスちゃんは友達だ


レ:コクメはアイスに嫌われたけどな


コ:うるさいレンゲ


イ:あなたも、アイスちゃんのお友達だったの?


赤髪の子:うん、そうだよ! たくさん遊んでくれたんだ!


イ:そっかっ


赤髪の子:よかったらさ、おねえちゃんもあたしと遊ぼうよ


イ:えっ?


赤髪の子:ちょうどミツキちゃんの家に遊びにいくところなの。ミツキちゃんのおかあ、おやどのおかみさんなんだよね


 彼女に手を引かれ、内気そうな女の子が前に出てきた

 長い前髪が顔の半分ほどを覆っている


赤髪の子:この子がミツキちゃん。声は小さいけど面白い子なんだ! ちなみにあたしはオクトね


コ:ミツキちゃんに、オクトちゃんね。ボクはコクメ。こちらの冴えない男がレンゲで可愛らしい女性がハイネだよ


イ:よろしくね、ミツキちゃん。オクトちゃん


レ:おい待てなんだその紹介の仕方は


コ:それで、ミツキちゃんのお母さんが女将さんっていうのは……


住:その子の母親はこの村で唯一の宿屋を営んでいるんですよ。アイちゃんもそこで衣食住を過ごしていてね。ちょうどいい、オクトちゃん、みなさんを案内してあげて


オ:ほーい。行こう、おにいちゃんたち


 こうして、コクメたちは今晩の床へとありつく目途がたった

 赤髪のオクトを先頭に、宿屋へと案内される


オ:気になってたんだけどさあ


コ:ん?


オ:おにいちゃんたち三人は、ふれんちなの?


コ:ふれんち? ……ああ、フレンドのことね。もちろん、ボクたち三人は最高のフレンドさ!


オ:ふえ~っ。おにいちゃんたちみかけによらずふれんちなんだね


コ:ボ、ボクたち仲良さそうに見えない……?


レ:おそらくオクトはフレンドではなくハレンチと言いたいんだろう


コ:なんだ、ハレンチのことだったのか。それならそうと早く言ってよ……って、んなわけあるか!


オ:あたしも早くおとなになってふれんちしたいなあ


コ:お、オクトちゃん……? フレンド、だよね?


オ:はあっ、はあっ……


コ:まずい、確信犯だ!


レ:最近の子供はませてるな


イ:オクトちゃんとミツキちゃんも仲良さそうだね?


オ:もちろん。あたしたちの絆はさいきょーなの! ねえー、ミツキちゃん!


ミ:ふ、ふわ……っ


オ:しゃべれてないけど言いたいことはわかるぞミツキちゃん!


コ:性格とか正反対っぽいのに、仲いいのって不思議だよね


レ:だからこそ、みたいなところはあるんじゃないか?


イ:コーくんとレンゲくんも似たような感じだと思うよっ?


二人:そうは思わないけどなあ~


イ:ふふっ、そういうところとかねっ


オ:おにいちゃんたちやっぱり仲いいねえ~っ。あたしたちも負けてないぞ!


ミ:ぉ、おぅ……っ


オ:声ちっちゃ!


コ:ちなみに、二人が仲良くなったきっかけとかはあったりするの?


オ:うん! さいしょに話しかけてくれたのはミツキちゃんのほうなんだよね


コ:へえ


レ:意外といえば意外だな


コ:こらレンゲ


オ:あたし、こういう性格だからみんなからはよくきらわれがちなんだ。五歳のころとかは一人ですなばでおしろとかつくってた


コ:……そうなんだ


オ:でもさ、ミツキちゃんだけはちがったんだ。あたしのつくったおしろにおひめさまのお人形をもってきてね、「おしろにはおひめさまがひつよう」って、あたしおなかをかかえて笑っちゃってさ!


レ:いいセンスしてるなあ、ミツキ


ミ:あ、あのときはおしろがすごかったから……っ! いいおしろにはおひめさまはひっす!


オ:ね、おもしろいやつでしょ? じまんの友達なんだ!


イ:うん、いいお友達だね。大切にしなくちゃっ


オ:もちろん。なっ、ミツキちゃん!


ミ:……ぅんっ


オ:あっ、着いたよっ!



 ステージ3(A)へ


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