そして長い夜は明けて
放置してしまって本当に申し訳ありません。
遅筆ではありますが、お付き合い頂けると幸いです。
「おはよう、恭弥。」
アリスの声で目を覚ますと、そこには紅潮した顔をしたアリスがいた。
「あれ…ここは?」
「私の部屋だ。恭弥が、酔い潰れた私をここまで運んでくれたとラルクから聞いた。…ありがとう」
そうか。アリスをここに横たえてからの記憶が途切れている理由は、俺がそのまま寝てしまったからか。
「随分長いこと寝た気がするんだが…」
「恭弥も随分疲れていたようだからな。…ところで、ラルクが意味深な笑みを浮かべていた事が気になる。昨日何かあったのか?」
アリスが思い出せない、といった様子で首を捻る。
一方俺は酔ったアリスとのディープキスを思い出し、顔が不意に熱くなる。きっと耳まで赤くなっているだろう。
「どうした?恭弥。顔が赤いぞ?…まさか、昨日私が酔った勢いで…その…」
「す、すまない。酔ったアリスにされるがままで…キスをしてしまった」
「くっ…全く覚えていない。できるならば脳にでも焼き付けておきたかったな…」
残念そうに俯き、そっぽを向くアリス。
なんとか俺に出来ることはないだろうか、と必死に頭を回転させ、言葉を紡ぐ。
「も、もし良ければだが、もう一度…キスをしないか?」
精一杯の勇気を奮って絞り出した言葉。その言葉がアリスの中で爆発でもしたかのように、
彼女の顔はトマトのように紅潮した。
「わ、私も…恭弥が良ければ…その、良いぞ?今度は一生忘れんように脳に刻み込んでやる」
そしてアリスは目を閉じた。
今まで気付かなかったのだが、アリスの唇には口紅が塗られている。きっと昨日の宴会から化粧を落とさずに寝てしまったのだろう。
今まで見たことがないような艶かしいアリスの表情に思わず緊張する。
そしてお互いの吐息がかかるほどの距離まで近付く。
「恭弥、早…」
催促しようと動いたアリスの唇に、そっと口付けをした。
「はい、アリス。これでいいかな?」
「あ…うむ、そうだな。礼を言う」
そしてアリスは嬉しさで綻んだ顔を引き締め、いつもの凛とした表情で部屋を出て行った。
部屋の閉まろうとするドアの隙間に見えたアリスの顔は、やはり紅潮して綻んでいた。
「…さぁ、今日も頑張るかな」
アリスの表情を覗き見してしまった気恥ずかしさを拭い去るように、誰に言った訳でもない独り言を吐き出した。
いよいよ最終局面に入ろうとしています。
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