仲間+過去=今の自分
やがて日は落ち、辺りが暗くなった。
「ラルク、準備は出来たか?」
「えぇ、もちろん。アリス様の分隊の方の顔を早く見たいですね」
「雅、酒の方はどうだ?」
「ばっちり城から転送してきましたよ〜。城の皆さん、アリスさんの名前を出したら急に協力してくれて助かりました〜。」
アリスの地位はやはり高いのだろう。家にいるときは全くそんな風には見えない。
「恭弥、後は皆を待つだけだが…一つ良いか?」
そう言って顔を耳に寄せてくる。
「私は酒を飲めないんだ。すぐ酔ってしまう。だからあまり私に飲ませないようにしてくれ」
「そうか、それならアリスには飲ませないようにするよ」
しかしアリスは少し不安なのか、眉間に皺を寄せる。
「いや…周りの連中が不安なんだが…まぁ、とりあえず私を酔わせたら大変なことになる」
「お、おぅ。それなら周りの人にも気を配るよ」
すると安心した表情になり、
「そうか、なら安心だな。私は私服に着替えてくるからな」
そう言って自分の部屋に戻っていった。
しばらくテーブルに座っていると、雅が話題を振ってきた。
「ラブラブですね〜。羨ましいかぎりですよ〜」
そういえば、アリスに本心を打ち明けてもらったんだっけ。
嬉しいんだが…記憶が戻っていない俺は、アリスが好きになった俺ではないんだ。
そんな俺が応えていいのか?
「当たり前じゃないですか〜。アリスさんはどんな恭弥さんでも愛してくれますよ〜。」
「…そうか、俺はあまりアリスのことを思い出せてないけど…。たまにフラッシュバックっていうのかな、そんなことがある気がする」
「そうですか〜、やっぱり恭弥さんは恭弥さんですねぇ〜」
いつか記憶が戻ったら、アリスはどう思うのだろうか。戻らなかったらアリスはどう思うのだろうか。
そんな不安が吹っ切れた気がする。
「やっぱり、俺はアリスのことを…」
「すまん、待たせたな。ふりるとかいうものが付いた服なんだが…どうだ?」
「うぉ、アリスか」
「うぉ、とは何だ。雅と何か話していたんだろう」
振り向くと雅は逃げていたらしく、姿がなかった。
「…まぁ、良い。そろそろ連中も来るだろう。今日は楽しむとしよう」
「…そうだな。パートナー、だもんな」
「な、何を今更改まっているんだ?私と貴方は最高のパートナーと決まっているだろう」
目の前に居る銀髪の少女。剣を振るっているとは思えないほど細く、白い腕を見ていると、何かが聞こえたような気がした。
―貴方は、私のことが好きか?…私はもちろん―
「…え?」
「ん、どうした?心ここにあらず、といった様子だったが…」
紛れもなく、さっきの声はアリスのものだった。
いつか、あの質問にきっぱりと答えられる日が来ると信じておこう。
××××
「うぃーっす。アリスさんに呼ばれたからな、行かんと煩いだろうな」
「お、テッペイさん。久しぶり」
「恭弥か。後の連中ももうすぐ来るだろうよ」
すると暗闇の中に人影が浮かび上がってきた。
「おー、恭弥君か。」
「ルミア、走ったら転んでしまいますよ?」
「ダルクも走れば良いじゃないか、気持ちいいぞ?」
「ほっほっほ。若い衆は元気があって良いのう」
「…おなかすいた」
「おぉ、サニーちゃん。もうすぐご飯だからのぅ、待っておれよ」
探偵たちを二階に案内した後、少し遅れて分隊が二つまとめて到着した。
「お、恭弥か。今日は楽しもうや。」
「右腕の包帯はどうしたんですか?」
「あぁ、これは風穴開けられたんや。慣れたら大したことないで」
慣れとは恐ろしいものだな。
「おー、恭弥。アリスとイチャイチャしてる?」
「ティアさん…まぁ、ぼちぼちですよ」
「そう、なら良いんだけど…」
「ティア様、ごきげんよう」
「げ、ラピス」
「今日こそは私と共に熱い夜を…って逃げても無駄ですわよ」
そう言って二人は走って二階に向かっていった。
「お、ロイ。今日はあたいより飲むよな?」
「ノームか。あんたの酒豪っぷりは聞いてるで」
「まぁ、今日は楽しくやろうや。あたいも賑やかなのは好きだし。なぁ、メープル」
「わ、私はあまりお酒飲めないんだけど…」
「飲ませてやるから安心しな。恭弥、これで全員か?」
確かにもう全員来ている。
「そうですね。二階に行きましょうか。皆待ってますし」
そして宴会は間も無く始まろうとしている。
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