動き出す計画
私はガネットさんが帰るのを見送ってから、すぐさま作戦を始めることにしました。
「アリス様~。」
「ラルクか。入っていいぞ」
言われた通り入ると、アリス様が椅子を回転させてこちらを向きました。
今着ているのはどうやら薄手の軍服のようで、可愛いと言えるものではありません。
「アリス様、この前フリルのついた洋服を買ったような気がするのですが…」
「ああ、あれか。ひらひらが邪魔でな。こっちの方が動きやすい。」
なっていません。全然ファッションには興味が無いようです。
「ですが…やはりアリス様は可愛い洋服なども似合うのではないでしょうか。」
しかしアリス様はまともに取り合ってくれません。
「私は王国騎士団総部隊長だぞ?可愛さを求めている場合ではない。」
「才色兼備であるアリス様は女性の憧れなのですよ?」
「興味無いな。話はそれだけか?」
「は、はい…」
半ば押し出されるように部屋から追い出されてしまいました。やはり無理だったのでしょうか…
諦めかけていた私の目に飛び込んできたのは薄いピンクの手紙セットでした。
そうだ、これを使えば…。
私はすぐにペンとインクを取り出し、内容を丁寧に綴りました。
そしてしっかり封をし、ある方の家に転送しました。魔力の乏しい私にもこれくらいは朝飯前です。
そして転送してから一時間程経った頃、返事が返ってきました。
「ラルクさんへ。
この件の詳細はよくわかりませんが、できるだけ頑張ります。」
どうやら私のお願いを承諾してくださったようです。
…これで計画の準備は整いました。
××××
「アリス様、入りますよ?」
「なんだ、またか。…入っていいぞ」
相変わらず読書に没頭しているようです。読んでいる本のタイトルは「たのしい魔術超上級者用」と書いてあります。
年頃の女の子が読む本では無いような気もしますが…。アリス様は今年で成人ですからね…。
「さっきの洋服の件ですが…ちょうどいいブティックがあるようです。良ければ明日…」
「しつこいな。私は興味が無いと言っているだろう。」
若干怒っているようですが、私には最大の武器があります。
「…恭弥さんはおしゃれな女性がタイプらしいとおっしゃっていましたが…、アリス様に無理強いするのは良くありませんね。では私は…」
「待て」
回転椅子をいつのまにか私に背を向ける方向に回転させていたようです。
「…恭弥は…おしゃれな女性が良いのか?」
「はい、そのようですよ?可愛いは正義、と申しておりました。」
これは本当の話です。
「…私も、おしゃれをすれば可愛くなるか?」
「もちろんですよ、とても可愛くなると思います。」
ふとアリス様を見ると、後ろからでも耳の赤さが分かります。
そして一呼吸置いた後、
「明日、そのブティックとやらに連れて行ってもらうからな?」
こうして私はアリス様を乗り気にさせることに成功しました。
感想お待ちしております( *`ω´)




