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王国騎士団×個性=十人十色

朝起きてリビングに向かうと、テーブルにアリスが座っていた。


新聞をテーブルに広げて読んでいるようで、俺にはまだ気づいていないようだ。


「おはよう、アリス。」


するとあたふたしながら新聞紙を畳み、


「ふぇ⁉…お、おはよう。今日は早いんだな」


と若干早口で挨拶してくれた。


昨日のことがあったせいか、目を合わせようとすると目をそらされてしまう。


「…ラルクさんは?」


「ラルクなら、今…台所で朝食を作っているぞ。」


だいぶ落ち着いたのか、ゆっくりとした口調に戻る。


「あら、恭弥さん。おはようございます。」


ふと振り向くと、三人分の朝食を持ったラルクさんが立っていた。


長い金髪を束ねた先端を三つ編みのようにしていて、いつもとはまた違った雰囲気だ。もちろんよく似合っている。


××××


三人で朝食を食べていると、ラルクさんがアリスの異変に気付いた。


「…どうしました?さっきからそわそわしてますよ?」


「い、いや、特に何もない。それより、今日は弁当頼む。」


「は…はい。作っておきますね。」


話をすり替えられたことに気付かず、今日の弁当のメニューを考えているラルクさん。


やがて全員が食べ終わり、ラルクさんが


「夕食にお赤飯でも炊いておきますね。」


と、アリスと俺に向かってにこやかな笑顔とともに言った。どうやら分かっていたようだ。


涙目になりながら拗ねて自分の部屋に戻るアリス。多分恥ずかしかったのだろう。


しかし二階に向かうその足音は途中で止まり、一階に戻ってきた。


ドアを少し開けて顔をのぞかせる。


「な、なぁ、ラルク。弁当のグリンピースは今日は抜きで…」


「駄目です」


××××


アリスが仕事に出て行った後、ラルクさんは何かに気づいたようだ。


「……あら。」


「どうしました?」


「いや、これを…」


ラルクさんが持っていたのは黒猫のぬいぐるみのようなストラップだった。俺の手のひらサイズだ。


「…もしかしてアリスのですか?」


「はい。いつも肌身離さず持っているようで…今日は慌てていたのでしょうか?」


持って行ってあげた方がいいだろうか?…ラルクさんの話を聞く限り大切なものだろうし…


「じゃあ、俺が持っていきますよ。」


××××


城の門の前に転移すると、珍しくテッペイは寝ていなかった。


「よぅ、なんか用か?」


「アリスに忘れ物を…」


「おぉ、今アリスさんは分隊11番の訓練をしてるぜ。俺たち分隊16番の部屋の五つ右だ。」


彼に礼を言い、城の中に入る。


階段を上り、言われた通りの部屋をノックした。


「はいはい、どちらさんだ?」


煙草を咥えた背の高い女性が扉から顔をのぞかせる。


「アリスに忘れ物を…」


「なるほど、アリスに届けに来た…ってアリスさんにか⁉」


驚いた様子で金髪ショートの女性は俺の顔を見つめる。


「ま、まぁ入りな。アリスさんならもうすぐ来るだろ。」


××××


中に入ると、橙色の長い髪の毛を頭の横で二つに結んだ女性が何やら裁縫をしていた。


「おい、シャル。お客さんだぞ。」


すると彼女は顔を上げる。


「あら、見ない顔ですわね。新入りですの?」


「こいつはアリスさんに忘れ物を届けに来ただけだ。そうだよな?」


そういえば名乗っていなかったので自己紹介をした。


「ほう、キョーヤか。珍しい名前だな。…あたいの名前はアルフレッド=ノーム。見たまんま王国騎士団の兵士だ。」


「私はラピス=ラズリ=シャルです。好きな宝石は瑠璃ですわ。」


スカートの端を持ち上げて優雅に頭を下げる。お嬢様、という言葉が彼女には似合いそうだ。


「分隊11番にはもう一人、女がいるんだが…今日は薬草の収穫に行ってて留守だ。」


「非戦闘兵士は羨ましいですわね…」


するとドアを開く音がした後、軍服姿のアリスが入って来た。家で着ているひらひらとした服とはやはり違うな。


「…恭弥?…えっと、何故ここに?」


席を立ち、アリスに忘れ物を手渡す。


「これはキューちゃん…⁉…こほん、忘れ物を届けに来てくれてありがとう。」


若干アリスの素が出ていた気がするが、これで俺の任務は終了だ。


「では、また会いましょうね、恭弥さん。」


「またいつでも来ていいからな?」


「貴様ら、早く着替えろ。そんなに鎧着用マラソンがしたいか?」


「「すみません、すぐ着替えます」」


××××



家に戻ると、ラルクさんが紅茶とクッキーを出してくれた。


「今日はすみません。わざわざ届けに行ってもらって…」


「いえいえ、結構楽しかったですよ。あそこには個性的な人がたくさんいますからね」


「そうですか、それは良かったです。」


紅茶を一口啜った後、ラルクさんは続ける。


「アリス様も結構女の子ですからね…」


「まぁ、良いんじゃないですか?十分可愛いと思いますよ。」


「そうですね、クーデレも魅力的ですよね。」


紅茶を啜りながら俺はこう思った。


ラルクさんはどこでそんな言葉を知ったんだ、と。


感想お待ちしております( *`ω´)

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