仲間×世界=大切なもの
「…昨日も話したようだが、まずメインの魔方陣が見つからねぇと話にならねぇ。…ただ、どうやって見つけるか、だな。」
ルミアの事務所に今日も集まり、今後の方針について話し合う。
昨日と違うのは、二人人数が増えていることだろう。
「ふむ…じゃが、わしたち精霊は魔方陣が力を発したときなら魔力で逆探知できるぞ」
レヴィン爺さんは長いあごひげをさすりながらしゃがれた声で話す。
「…レヴィン殿、魔方陣が力を発することはあるんですか?」
「アリス嬢ちゃん、魔方陣の魔力を探知する必要はないぞ。」
「…え?ならどうやって…」
「大量の魔力を持ってそこに向かう人間を探知して場所を調べるんじゃよ」
××××
「いやぁ、世界が滅ぶのを阻止する為に集まる少年少女…若いのぅ」
話し合いが終わり、すっかり日が落ちた街を眺めながらレヴィン爺さんが呟く。
「呑気ですね…世界が滅ぶかもしれないんですよ?」
あまりにも爺さんが落ち着いていたため、つい口に出してしまった。
「ほっほっほ、どれ、二人で話をしようではないか、恭弥少年。ルミア嬢ちゃん、二階借りるぞ。」
「別に構わないよ。好きなだけ話してくれたまえ」
爺さんは俺の腕の関節を無駄に固め、二階に引きずっていった。
××××
「ルミア嬢ちゃんの部屋は相変わらず可愛げがないのぅ」
俺と爺さんは向かいあって床に座る。
「恭弥少年や。お主あまり話し合いに参加していなかったのぅ」
学校の先生かよ。
…でも確かにあまり話に入れなかった。何か引け目を感じているようで、居心地が悪かった。
「まぁ、俺はみんなと違って知らないことが多いし…強くもない。足を引っ張ってる気がするんですよ。」
するとそれを聞いた爺さんはあごひげをさすりながらまた笑う。
「少年よ何を言っておる。お主が強いか弱いかは自分で決めることじゃなかろう。」
「でも、何故俺が呼び出されたんですか?俺以外にももっと適役が…」
爺さんの目が鋭くなる。
「お主…アリス嬢ちゃんの前で絶対にそんなこと言うでないぞ。嬢ちゃんはお主を探す為に寿命を10年縮めておるんじゃよ…?」
「何故…そこまでして…?」
「嬢ちゃんにはお主しかおらんのじゃよ。お主は憶えておらんようじゃが…。嬢ちゃんは泣いておったぞ。恭弥が私を憶えていない、とな。」
「………」
「自分が弱いと思うなら、女を守れるくらいには強くなれ。泣かせちゃ駄目じゃよ。」
「………はい。」
アリスはそこまでして俺に会いに来てくれた。
俺を必要としてくれているんだ。
…なら、できる限りのことをしないとな。
「まぁ、あと三ヶ月は平和に過ごせるじゃろう。嬢ちゃんと一緒に過ごしてやってはどうじゃ?」
「…何故分かるんですか?」
「ほっほっほ。伊達に3000年生きてないからのう。年の功じゃよ。」
そう言って爺さんは立ち上がって出口に向かう。
「…お主が救いたい世界はどんな世界かのぅ?」
「…アリスやみんながいる、大切な人がいるこの世界です。」
涙と鼻水でうまく言えなかったが爺さんは優しく微笑み、
「お主なら大丈夫そうじゃな。」
と呟いた。
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