徐々に明らかになる黒い影
魔方陣だけが残された廃墟の中に俺たち五人は取り残された。
「あの…殺人狂、まさかあいつが黒幕とはな。」
忌々しげにテッペイが呟く。
「まぁ、まだ確定ではなさそうだが、かなり怪しい奴だな。」
「確かに…僕もそう思うね。ただ、何故魔力を集めていたのだろうか。彼らの目的が気になる」
言われてみれば、不自然なところが多い気がする。
「まだ引っかかるところが多いな…。よし、ジュークに聞いてみよう。」
ポケットから緑色の宝石を取り出し、力を込める。慣れてきたのか、ほんの五秒で彼は現れた。
「おや、恭弥さん。どうしました?」
深々と頭を下げ、ジュークが内容について聞いてくる。
俺は今回の調査で気になっていることを聞いてみることにしてみた。
「奴らは魔力を集めているようなんだけど、邪神降臨を目的にしていないのか?」
するとジュークは少し考え、
「今のところ、可能性は二つですね。」
彼は二本指を立てる。
「一つは、上位の邪神降臨です。この魔方陣で得られる魔力はそう多くありませんから、彼らは複数の魔方陣を作って魔力を集めているのでしょう。」
「ふむ…上位の邪神になると、何か違うのか?」
アリスが疑問を口にする。
「はい。上位の邪神ほど知能が高いので、多少の交渉ならば可能でしょう。扱いやすさの違いですね」
「なるほど…では、もう一つの可能性とは何だ?」
「もう一つの可能性は…集めた魔力を自らに取り込み、そのまま魔法を使用することですね」
「な…っ!そんなことしたら身体が持たないぞ…」
「そうでしょうね。でも、奴らならしないという保証はありません。そして…何より、比較的こちらの方が簡単です」
正気の人間の考えることではない。下手すれば魔力で破裂して死んでしまう。
「ふむ…だいたい相手の目的は分かってきたね…これは実に危険だね…」
流石にルミアも危機感を覚えているようだ。
「とりあえず皆さん、事務所に一旦戻ってゆっくり話し合いましょう。」
「それもそうだな、アリス、そろそろ戻ろう。」
しかし、ジュークが遮る。
「待ってください。テッペイさんに話したいことが…」
「あぁ?」
「さっきの人間と面識があるようですが…」
「…ボス、の方か?」
「はい。その人についてなんですが…彼から人間以外の力を感じました。」
「だから何だ。」
過去の話に関することは好まないらしく、テッペイは舌打ちをする。
「多分…悪魔側に黒幕がいると考えてます」
××××
ルリディア城の内部の分隊16番の部屋に戻ると、ティアがロイの膝の上で寝ていた。
…二人仲良く寝息を立てている。
「おー…イチャイチャしやがって。呑気な奴らだな」
するとテッペイはティアの目元に泣いたような跡があることに気が付いた。
「どうしたのだい?テッペイ君。」
「いや、何でもねぇ。今は事務所に戻って話し合うのが先決だ。行くぞ」
そして半ば強引にテッペイに掴まれ、転移した。
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