再会
「こんな何もねぇ、ただの廃墟が邪神降臨の儀式場か…何か緊張感に欠けるな」
テッペイはさぞ面倒そうに呟く。
「目立たない所でするのが普通だろう。」
アリスも苔むした壁を眺めながら呟く。
この廃墟は元々教会だったのだろうか。屋根には十字架が立っており、ステンドグラスも何枚か割れずに残っている。
「アリス、この中に人が居そうなんだが…?」
廃墟の中からは何かを削るような音や、複数の人の声がする。
「どうやら…僕たち以外にも誰か人がいるみたいだね。ふむ…彼らの目的を探りたい…」
「そうだな…迂闊に見つかってはまずい。テッペイ、ダルク、ここはひとまず隠れるぞ…」
「お邪魔するぞー。」
「色々と待たんか貴様ぁっ!」
アリスの話を無視し、テッペイは中に入る。
「まずい…このままでは危険だ…。中の様子を伺うぞ」
アリスを先頭に、こっそりと中に入る。
テッペイが無事なら良いのだが…
「あ、テッペイさん。お久しぶりです。」
「んだよテメェ。まだ盗賊やってんのか。」
「何普通に話してるんだ貴様らぁっ!」
とうとうアリスがテッペイを殴り倒した。
「て…テッペイさん!大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。慣れてる」
「その割には半泣きですよ…?」
とりあえずテッペイは置いておくことにして、話を進める。
「貴様らは何者だ?何故ここにいる?」
「俺らは盗賊です。何か、魔方陣を描き終わったら報酬があるらしいんすけど、ボスからの命令なので目的は分かりません。」
確かに盗賊達は魔方陣を描き続けている。
そこから溢れ出す瘴気には気づいてないらしい。
「おい。今、ボスって言ったか?」
「はい。まだボスはあのままですよ」
テッペイがボス、という言葉に食いついた。
当然、過去の憎しみなどがあるのだろう。
しかし、その話を聞いたのは俺だけなので、周りのアリス達は理解していない。
「まだ…殺人狂は元気か。」
「ナイク=スナッフドール=ヒルク様、ですよ。殺人狂だなんて言ったら殺されますよ?」
「あぁ、その名前を出すな。吐きそうだ」
嫌悪感をあらわにし、テッペイはこう続ける。
「おい、魔方陣描くの止めさせろ。死ぬぞ」
「死ぬって…⁉」
「世界共々消滅したいか?」
「いえ…でも、完成してしまいましたし…」
「じゃあ消せ。こんなもん二度と描くな」
魔方陣に向かってテッペイが歩き出した瞬間、目の前に背の高い男が現れた。
××××
「おやおや、我が部下の努力を無駄にして欲しくないのだが。テッペイ」
背筋の芯まで凍らせるような声。
男の顔を見た瞬間、テッペイの表情が変わる。目から殺意が感じ取れる。
「愛する人を殺された気持ちはどうだ?俺に刃向かうからこうなるんだ」
「てめぇ…」
胸倉をつかもうとするが、障壁のようなものに遮られて手は届かない。
「今日は魔方陣から魔力を取り出しに来ただけだ。お前らに用はない。」
手のひらから瘴気を吸い取った男は、
「じゃあ、また会う時は戦場で。」
「ふっざけん…」
男は部下と共に転移した。
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