ラルクさんの記憶×今=深まる謎
「では、わしの部下のジュークを貴様らに貸してやる。何かあったら呼ぶといい。」
するとジュークは俺たちに緑色の宝石のような物を手渡してくる。
「…これは何だ?」
「はい。私は悪魔ですので、基本的には魔界にいます。何かありましたらこれを媒体として連絡してください」
「…だが、どうやって使うんだ?」
「魔力を流し込んで、私の名前を呼んでいただければすぐに駆けつけます。」
「…ふむ、貴様を信用してもいいのか?」
「それはアリスさん達に任せますよ。」
そう言ってジュークと呼ばれる悪魔は部屋の奥の扉に戻っていった。
「アリス、どうも何か思い出しそうなんだが…なんかジュークって奴が妙に引っかかる」
斬られた記憶については黙っておいた。まだ確証のない話で混乱を招くのは良くない。
「うむ、時間移動に何か関与しているかもな。探偵コンビは何か思い出したか?」
二人は首を横に振り、
「すまない。僕が思い出したことは何も。」
「同じく、思い出せません。」
ただ、いつまでもここにいる訳にはいかないため、
「…魔王、お前の力が必要になるかもしれん。準備はしておいてくれ。」
「人間風情が生意気な。まぁ、久しぶりに暴れたいから考えておこう。」
そして俺たちは魔界を後にした。
××××
「あ、アリス様。それと恭弥さん。おかえりなさい。」
アリスの家に帰ると、今日は長い金髪を束ねていないラルクさんが出迎えてくれた。
ポニーテールも良いが、ストレートもなかなか似合っている。
「ああ…ただいま。」
「ん?アリス様、もしかしたら疲れていませんか?」
「いや、まぁ。少しだけだ。」
「あまり無理しないでくださいね。」
ラルクさんがまるで天使か聖母のように見える。何て優しいメイドさんなんだろうか。
そしてアリスは自分の部屋に戻ったが、俺はラルクさんと少し話したいことがあったので、とりあえずリビングに入った。
「あら、恭弥さん。夕食まではまだ時間がかかりますよ?」
「いや、ラルクさんに一つ聞きたいことがあるんですが、いいですか?」
「ええ。もちろん。」
一呼吸置いてから口を開く。
「何故あなたが、【時間逆行】したときの記憶を持っているんですか?」
それを聞いたラルクさんは一瞬何かを考えたようだが、やがて決断したのか、俺の質問に答える。
「私も…アリス様と一緒に、世界が終わる時にいました。つまり、一緒に戦っていたんです。」
「その時の記憶ははっきりしてますか?」
少し思い出そうとしているのか、腕を組んで唸っている。
結論は出たようで、
「すみません、あまり覚えていませんが、仲間の人数なら覚えています。確か…私を含めて5人でした。分隊16番の方は合流できてなかったと思います。」
「5人…?」
少ない。今の仲間はアリス、ルミア、ダルク、テッペイ、俺、ラルクさん。そして、今日今日加入したジュークの7人だ。
もしラルクさんの言う通りにこのまま時間が進んでいけば、
二人いなくなってしまうだろう。
「ラルクさん、誰が居たか思い出せませんか⁉」
「す、すみません。アリス様しか覚えていなくて…」
良かった。とりあえずアリスは無事のようだ。
「分かりました。急に変なこと聞いてすみませんでした。」
「いえ、私もお役に立てなくて申し訳ありません…」
ラルクさんはそう言って俯く。
「とんでもない。ラルクさんにはいつもお世話になってますよ」
すると表情がぱっと明るくなり、いつものラルクさんに戻ってくれた。
「一つ、恭弥さんにお願いをしてもよろしいですか?」
「もちろん。」
「無茶は…しないでくださいね。」
感想、アドバイスお待ちしております( *`ω´)




