デジャヴ×魔界=蘇る記憶
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そしてあの事件から三日経った今、ついに俺たちは魔界に転移してきたのだが…
「アリス君。ここは僕の知的好奇心を満たすにはうってつけの場所に見えるね。早く魔王というやつに会いに行こう」
「…………。」
アリスは一言も発しない。
「にしても、魔界はいつもこんなに暑いのかな?僕は暑さに弱いんだ。」
「…………。」
「ルミア、空気読もう。アリスさんと恭弥さんの邪魔になるよ?」
「ふむ、ならば少し黙っておこうか。アリス君、指示を出してくれたまえ。」
ここでアリスがようやく口を開いた。
「指示か…ならば二人とも帰れ。」
殺意を剥き出しにしながらアリスは続ける。
「何故貴様ら探偵コンビが付いてきた?この問題は私たちだけで解決できると言ったはずだが?」
するとルミアはやれやれ、といった仕草で、
「おやおや、最初にこの四人はチームだと言ったのは何処の誰だい?」
「くっ…し、しかし危険な騎士団の仕事に一般人を巻き込む訳には…」
「何を言ってるんだアリス君。探偵は知的好奇心を満たす為なら命すら惜しくないよ。」
「す、すみません。アリスさん。どうしても行くってルミアが言うものなので…」
横にいる自称忍者、ダルクが頭を下げる。
「それに、僕たちは記憶こそぼやけているものの、時間逆行の経験者だ。人数が多い方が得られる情報も多いんじゃないかな?」
「ルミア、多分そういうことじゃないと思うんだけど…」
ダルクに諭され、俺とアリスの顔を交互に見る。そしてやがて結論を出したのか、
「ふむ、なるほど。要するに二人で行くことには見つかりにくいという利点がある…つまり今からハラハラドキドキのスパイ劇があるんだな⁉そうだろうアリス君?」
「本当ですかアリスさん⁉忍者大活躍ですよね⁉」
その後、アリスは二人の頭を冷やした。しかも比喩ではなく本当に氷漬けだった。
××××
「アリス君、さっきの氷は暑がりの僕に気を利かせてくれたのだね…くしゅんっ」
「ひ、酷いですよ、アリスさん。いきなり氷漬けだなんて…」
「…次は無いからな?」
改めて魔界を見渡すと、そんなに荒廃した土地ではない。
人間界とまではいかないが普通に家なども建っている。
そしてルリディア城によく似た漆黒の城が町の中心に建っている。おそらく魔王はあそこにいるのだろう。
「よし、じゃあ転移するぞ。」
「転移って…アリスは城に入ったことがあるのか?」
普通、転移魔法は行ったことがあるところにしか使えないはずだ。
「ああ、その点なら問題ない。私は一度魔王に会っているからな」
「えええええ⁉アリスさんって魔王とも顔見知りなんですか?」
「まぁ、僕は知っていたが…くしゅんっ」
「アリス、魔王ってどんな奴だ?」
「…行けば分かる。全員私の手に触れておけ。」
言う通りに四人が手を重ねた瞬間、視界が真っ白に染まった。
××××
「くくく…久しぶりだな、小娘。」
魔王と呼ばれる女性が、アリスの方を向いて話しかけている。
見た限り普通の、スタイルが良い、赤髪の綺麗な女性にしか見えない。
「貴様がわしを訪ねるとは…何かあったのか?」
「ああ。人間界に悪魔を送り込んだのはお前か?」
どうやら、三日前の事件のことをアリスは話しているようだ。
「……む?何故わしが人間界を攻撃しなくてはならんのだ?」
「とぼけるな。お前の部下がやったのだろう?悪魔召喚なぞ人間ができることではない。」
「ふむ…ただ、わしはやっておらん。その時の状況を詳しく話せ。」
アリスは中級悪魔がどうたらこうたら話している。
ただ、俺たち三人は何もすることがないため、暇である。ダルクなんて立ったままいびきをかいている。
「……なるほど。わしの部下がやった可能性が高そうじゃな。」
…ここで、何かデジャヴを感じた。
いや、正確に言うと魔界に来てからずっと、既視感を感じていた。
何か、見たことあるような場面だ。
「本当は貴様らに力を貸してやりたいが…わしはまだまだ忙しい。わしの側近を貴様らと合流させよう。」
魔王が指を鳴らすと、後ろの扉から眼鏡をかけた男性が入ってきた。
「ジューク、話は聞いていたな?」
「もちろんです、魔王様。」
すると彼は俺たちに近づいて来て、
「始めまして。ジュークと申します。これからどうぞよろしくお願いしますね。」
そう言って握手を一人一人と交わしていく。
みんなは思い出せないようだが、俺はぼんやりと何かを思い出した。
俺がループする前、確かこいつに斬られたような気がする。




