謎×魔界=ラスボスフラグ
分隊16番の連中が城に転移したのを見送ってから、俺は現場検証を始めた。
「見る限りは中級悪魔なんだがな…何故悪魔なんかが攻めてきたんだろうな」
俺たちの住む人間界と魔界は二年前くらいに正常な関係に戻ったはずだ。
「……そもそも連中がこんな雑魚に手を焼くか?納得がいかねぇな」
いくら恭弥を庇いながら戦ったとしてもロイならば中級悪魔相手に傷を負うことはないだろう。
…実は俺が槍を投げたのはさっきが初めてなんだよな。ロイがやられてるなんて想像してなかったから投げるしかなかったな。
「…一人で喋りながら現場検証か。周りから見ると危ない奴にしか見えんな」
と、俺が世の中で二番目くらいに恐いと思っている人が来たな。
「…アリスさんか。遅かったっすね。」
「お前がやったのか?」
「ええ、悪魔は頭に風穴を…」
「そっちの話ではない。」
「そっち…?何か他に問題が?」
するとアリスはかなり怒っているようで、
「お前…恭弥を戦闘に連れて行った挙句血塗れにするとは何事か?」
静かな口調の裏に物凄い殺意を感じる。ヤバい…こいつヤバいぞ。
「い、いや、それは誤解でな、俺はあいつを助けたんだぜ?」
「血塗れだった、と城の使用人が言っていたが?」
使用人が言っていたのか…口封じのしようがないな。
…?ちょっと待て。
「アリスさん…もしかして分隊16番が帰還するまで城を出てないんすか?」
「あいにく私には大切な仕事があったからな。…使用人の報告で城を飛び出してきた。」
「はぁ…そーですか。」
「まぁいい…片腕で許してやる。どちらの腕を残すか考えておけ。…ほら、現場検証するぞ」
槍を投げた話をしたら命が危ういのでやめておくか。
××××
「ふむ…何故悪魔が人間界を、という問題だな。」
「そうっすね。こいつ自体に意志はないみたいっすよ」
「テッペイ、その喋り方なんとかならんか?」
「無理っす」
ため息をつきつつ、アリスは悪魔の亡骸を調べ始める。
「……なんか、見たことがあるような…?」
「どうしたんすか、アリスさん。」
「何でもない。デジャヴを感じただけだ。」
しかしその後も有益な情報は見つけられなかった。
「仕方ない。ここは他に任せよう。戻るぞ。」
片付けは多分下っ端の兵がするのだろう。俺は御免だな。
××××
「……。」
頭が痛い。真っ暗だ。
「…………。」
不意に何かが光った。稲妻?
「…………?夢か…ってうわぁ⁉」
目を開けた瞬間、ティアさんの顔が目の前にあった。
「お、起きたー?どこも怪我してないみたいね。良かった。」
「顔が…顔が近いです。」
下手したら吐息まで顔にかかりそうな距離。
「ん?嫌かしら?」
「いえ、驚いただけで…」
「そうー?なら良いんだけど…」
「何をしている?何をしてるんだ二人とも?」
アリスがいた。しかも物凄い黒いオーラを纏っていた。
「あ、アリスさん。こんにちはー。」
「ティア、恭弥に余計なことしてたよな?」
「い、いえ。ただの治療で…失礼しますっ」
耐えきれなくなったのか、ティアさんが走って部屋を出ていく。
その足音が遠くに消えるのを確認してから、アリスは口を開いた。
「大丈夫か?どこかケガしてないか?」
涙目でこちらに詰め寄ってくる。
「あ、うん。幸いケガは無いからね」
「そうか。私の居ないところで無茶はしないでくれ。…不安だから」
「ああ。これからはもっと修行して一人でも大丈夫なように強くなるよ」
すると若干戸惑いながら、
「う、うむ。修行ならいくらでも付き合うからな?」
「本当か?ありがとうな。」
「話は変わるが…二人で魔王のところに、今度行くぞ」
やけに顔を赤くしながら、二人で、というところを強調する。
「えーと、なんで?」
「今回の悪魔の件について分かることがあるかもしれないからな。準備ができ次第行こう」
そう言い残すと、「約束だからなっ!」と言いながら部屋を出て行った。
何故アリスはあそこまであたふたしていたのかは謎だ。
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