分隊16番
テッペイと別れた後、他の人に挨拶をしておくため、しばし廊下を歩く。
まさか彼の泣く姿を見るとは思っていなかった。リンという人は本当にテッペイを大切にしていたんだなと思う。
「………ん、新入りかな?」
不意に後ろから声を掛けられて、少し驚いた。
振り向くと白髪ショートの活発そうな少女がニヤニヤしながらこちらを見ていた。
「王国騎士団は初めて?お姉さんが案内してあげようか?」
すると俺の返事を待たずに背中を引っ張られた。
「ちょ、いきなり誰ですか⁉」
「いいからいいから、君がこれから挨拶する仲間のところに連れていくだけよ?」
では何故手錠のようなものをつける必要が?
というか、何故手錠を持っているんだ?
「一体何者なんですか?」
すると彼女は背中を引っ張るのを緩め、
「わっちはキャルラ=アイリスフォード=ティア。占い師と猫魔術師をしてるわ。じゃ、行きましょ。」
何かと突っ込み所が満載だったのはもはや気にすることではないな。
××××
後ろで手を拘束されながら長い階段を上ると、突き当たりにドアがあった。
彼女はそれを開け、中に入るよう促す。
「みんなー、新入り君一人確保したよ!」
「おお、猫。遅かったな。彼が暴れたりしたんか?」
ぱっと見たところ、部屋には一人だけしかいなかった。
「今回は暴れられる前に手錠をかけたよ?内容も話してないから完璧でしょ?」
あれ?何か凄い危険な香りがする。
「そうだな。俺たちの仕事内容話したら、絶対人来ないけんな。」
部屋にいた屈強な男性もそう答える。これはもう逃げていいよね?
「そういえば挨拶がまだだったな。俺はレイド=スクリヤーズ=ロイや。長かったらロイでいいで。」
独特な喋り方の男性はそう言って握手をしようとしたが、俺の手錠に気づき、手錠の結合部を指で捻り潰した。
「あー、ロイったら。この手錠高いんだからね?わっちの給料の半分するんだから。」
「知らんわ。鍵無くしたのは猫やろ?」
「う、まぁわっちが無くしたのは事実だけど…」
俺を置いて話が勝手に進んでいく。
「まぁ、テッペイ隊長から話は聞いてるから、自己紹介は必要ないで。よろしくな、恭弥。」
××××
とりあえず三人でテーブルを囲み、この部隊の説明を受ける。
「ここのメンバー、分隊16番には俺、猫、テッペイ隊長。それと一人いる。」
「一人?」
「ああ。まぁ奴は危険な奴でな。普通はここに来ないんや。皆からは【十三人目の地獄】って呼ばれてるんや」
話を聞くだけで関わり合いになりたくないと思う人がいるようだ。
「…わっちはあいつ苦手だわ」
「会ったことあるんですか?」
「まぁ、そんな感じ。最低最悪よ。あいつは。」
というか何故王国騎士団にこんな危険な人が?
と、質問したかったが、それは遮られてしまった。
城から見える城下町の一部が、轟音と共に消し飛んだのだ。
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