SR満州戦記2
大日本帝国は終焉の時を迎えていた。
昭和二〇年八月六日、突如、ソ連が満州に侵攻して来た。その急報の直後、広島に新型爆弾が投下された。その日は、九州、四国、東京でも大規模な空襲があった。混乱の中、大本営と政府は徹夜で会議を行う。
七日、モスクワの佐藤大使はモトロフ外相から宣戦布告を告げられた。満州の都市が空襲され、また樺太や千島でも空襲があった。鈴木内閣が進めていたソ連の仲介による連合国との講和は完全に瓦解した。その夜、スイスとスウェーデンに向けて日本はポツダム宣言受諾を発信した。急転直下の中で、帝都東京ではいくつもの事件が起きる。
八日朝、政府はポツダム宣言の受諾と無期限停戦を発表した。鈴木首相の声明に国民は仰天した。連合国の要求により、降伏軍使を乗せた緑十字機が米軍占領下の沖縄へ出発する。そして正午、ラジオは天皇陛下の玉音を放送した。ここに、大日本帝国は連合国に降伏する。
九日、マニラで開かれた降伏軍使と連合国との会議は難航した。日本がソ連との停戦を拒否したからである。ポツダム宣言は米英中三国の声明であり、ソ連は署名していなかった。満州や樺太における対ソ戦闘は無警告奇襲に対する自衛行動であると日本は主張した。
一〇日、降伏軍使は降伏文書と天皇布告文の草案を携えて帰路に着く。日本と米英中との停戦は守られていた。だが、満州でも、樺太や千島でもソ連との戦闘は続いている。正午、満州国はソ連に対して宣戦布告した。そして、宇垣一成陸軍大将を首相とする新内閣が成立する。
表紙
表紙
2020/05/08 09:00
ポツダム宣言
2020/05/08 09:00
図表
2020/05/08 09:00
(改)
序章 昭和二〇年八月一〇日
停戦
2020/05/08 09:00
(改)
第一章 八月一一日
一 虎頭
2020/05/22 09:00
(改)
二 老黒山
2020/05/29 09:00
三 関門
2020/06/05 09:00
四 北京
2020/06/12 09:00
(改)
五 新京
2020/06/26 09:00
第二章 八月一二日
一 南京
2020/07/18 09:00
二 黒河
2020/07/31 09:00
(改)
三 老黒山
2020/08/11 09:00
四 哈爾浜
2020/09/01 09:00
五 穆陵
2020/09/25 09:00
(改)
第三章 八月一三日
一 新京
2020/10/09 09:00
(改)
二 代馬溝
2020/10/26 09:00
三 清津
2020/11/20 09:00
四 牡丹江
2020/12/14 09:00
五 北京
2021/01/11 09:00
第四章 八月一四日
一 老黒山支隊
2021/02/05 09:00
二 熊野丸
2021/03/02 09:00
三 侘美支隊
2021/04/12 09:00
四 大連
2021/05/31 09:00
五 虎頭
2021/06/28 09:00
番外 暴走の白ひげ山羊[中篇]
2021/07/20 09:00
第五章 八月一五日
一 大興安嶺
2021/07/26 09:00
(改)
二 奉天
2021/08/12 09:00
三 新京
2021/08/29 09:00
四 開通
2021/09/13 09:00
(改)
五 北京
2021/10/04 09:00
終章 八月一六日
敗戦
2021/11/12 09:00
参考文献など
参考資料など
2021/11/12 12:00
あとがき
2021/11/12 12:00