第三話 努力は裏切らない!
「…え、誰?」
入ってきたのは見たことがない美少年だった。
「ロゼリッタ、この子が今日からお前の専属従者だ。学園にもついていくから仲良くしなさい」
お父様に話しかけられて気がついた。
(あの子なんだ)
あの部屋にいた時は座ってたから気が付かなかったけど、私より背、高かったんだ。髪の毛も綺麗な藍色。髪の毛が切られ、見えるようになったキリッとした目元と目が合った。
その子のことを眺めていたらご飯を食べ終わっていた。
「ロゼリッタ、くれぐれも喧嘩とかしないように気をつけなさい。
私は今から仕事をしに行ってくる。」
私喧嘩なんてしないのに!
「頑張ってください」
少し頬を膨らませて言った。
部屋についてずっと気になっていたことを聞いてみた。
「君!名前、なんていうの?私はロゼリッタよ!」
すると少し悲しそうな顔をしていた。
「名前、ない…」
「じゃ!私がつけてもいいかしら?
うーん…レイってのはどうかしら!」
確か、レイってハワイ語とかで首飾り、花輪って意味で愛情や絆の象徴だった気がする。
「…レイ」
彼は小さく微笑んだ。
私とレイは消灯の時間まで何の意味もない話をした。
「そろそろ私寝るわね。」
キリのいいところで言ったら、気になることがあったのか聞いてきた。
「あの、なんで俺を選んでくれたのですか?」
眉をひそめていた。
「ビビッときたの!」
そう笑顔でレイの顔を見ると、胸のつっかえが取れたのかさっきとは違う心からの笑顔を見せてくれた。
「おやすみなさい、ロゼリッタ様」
「おやすみ」
(やっと名前…よんでくれた)
コンコンコンッ
「失礼します。おはようございますお嬢様。今日から入学前日までレイさんは特訓をするそうです」
シェリアが笑顔でこっちを見た。
(転生したことに気がついた時より、心を許してくれてる)
「失礼します。私はこれで」
「あっ!ねぇ、ちょっとだけ時間ちょうだい!2分だけ」
「私って変われるかな?」
「はい!お嬢様は変われます!!実際に変わっています!!私は今のお嬢様大好きです!」
「そう…ありがとう!頑張るわ」
バタンッ
(そう、よね、私はあのわがままなロゼリッタじゃない!よし!レイも頑張っているもの、私も頑張らなきゃ!)
私は少しずつノルマを上げていった。
運動だけじゃなく、勉強、作法の見直し、剣術と武術のお稽古、自分の記憶の整理、そして少しの筋トレ
毎日、入学式に間に合うように特訓をした。
「お嬢様、綺麗な体型になってきたわよね」
「ここまで続けるとは思わなかったわ」
あの時応援してくれた侍女たちがざわざわしていた。
ロゼリッタ様…
俺が従者特訓をしているとき、窓の外を見たら絶対にロゼリッタ様が運動していた。雨の日も風の日も。
(ロゼリッタ様は今日も頑張っている、俺も頑張らなきゃ)
最初はそうとしか思っていなかった。
でも少しずつでも明らかにロゼリッタ様は自分の理想に近づいていた。
ロゼリッタ様は決めたことは必ず最後までやり遂げていた。
俺は理想に近づけているかわからないけどロゼリッタ様の近くに居続けられるように頑張ろう。
「フゥーッ!1000!」
私は今日まで1か月間の特訓をした。
最初は10回ずつからどんどん増やしていき最終的には1000までできるようになった。この1か月間、鏡や自分が映るものはお父様にお願いして隠してもらっていた。
(ついに見れる!)
私の部屋にある大きい鏡にかかっている布をとった。
「嘘…!すごい痩せてる」
あの頃のロゼリッタとは思えないほど痩せていて、お腹には腹筋がうっすらと浮かんでいた。
太ってたから、目が小さく見えていたけど今はバランスがいい。
(人並みになったから見た目でハブられる可能性は低くなったわ)
前世の自分よりも痩せていて少し嬉しくなった。
私は走って外に出た。
「ねぇ、レイ!!見て!私痩せたわ!」
庭で掃除をしていたレイに話しかけた。
「お嬢様の努力の賜物です。」
落ち着いた声でこっちを見たレイは、1か月前とは見違えるほどさらにかっこよくなっていた。
「お嬢様、ついに明後日入学式ですね。明日、寮に荷物を運びますよ」
レイが言ったことで気がついた。
ついに明後日が入学式だってことに。
次話更新は8月1日土曜日予定ですが、毎日投稿を目標にしているので、早くなる可能性があります!
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