第二十九話 修!不動山部屋で頼りにされる!
俺は金本満。仲が良い友達の黒崎守の「うなぎ自由高校」への進学を伝えないといけない人がいる。
――それは俺の実家、不動山部屋に居候している。未来からやってきたと、俺は信じている。
同級生のかわいい系イケメン! 林修だ。
俺は家に帰ってすぐに修を探す。とりあえず俺の部屋にはいない。
しょうがないので、リビングにいた俺の父親。親方の親父に聞く。
「親父。修はどこにいるの?」
すると親父は少しニヤっとして。
「ああ、修くんなら買い物に行ってもらったよ」
「え!? 買い物!? イヤ普通は居候にはやらせないんじゃない?」
「それが修くんは栄養学にも詳しいみたいで、ちゃんこ長が『力士たちを強くするための食事を修くんに教えて欲しい!』って言ってきてな。それで若い力士たちも連れて買い物に行ってもらったんだ」
なるほど……それで修を呼び出したのか。
「……でもさ親父。修はサッカー選手だったんだよ? 力士の食事なんてわかるのかな?」
「修くんも『僕にはわからないよ! でもアドバイスならできるかもね』って言っていたよ」
親父はここからは真面目な顔で話し始める。
「修くんのアドバイスは俺が聞いても的確だし、わからない事はわからないと言うんだよ。力士たちにもアドバイスをそのまま聞くのではなくて、自分で考える事が大事だって伝えるんだ。『自分で考えない選手は長く活躍できない』ともよく言ってくれているんだ」
「た、確かにそうかも……」
修は16歳からプロの世界でやってきたのだ。今までにいろんな選手を見てきたのだろう……
失敗した選手と成功した選手を見てきたからこそ説得力があるのかな?
「満! 修くんが帰って来たら伝えるから好きに過ごしておけよ!」
「わかったよ! 親父!」
俺は修が帰るのを部屋でポケモンゲーム実況を撮って待つ事にした。
***
「おーい! 満! 修くんが帰って来たぞ!」
「マジで!? 今行くよ!」
俺はポケモンゲーム実況を切り上げて、修のとこへ向かう!
勝負の途中だったが、切断せずにちゃんと降参したから叩かないでください。
ちょっと有利だったけど、それよりも修に伝える事は大切だ!
「お! かねやん出迎えてくれたんだ〜! 僕の事をすっかり大好きになっちゃったんだね!」
修の変なジョークにその場にいるお袋やちゃんこ長たちが笑う!
いっしょに買い物に行っていた力士の皆さんも笑いながら、
「満くん〜! 修にはいつでも会えるじゃないか!」
「修くんはみんなの修くんだよ! 独り占めできないよ!」
とかからかってくる!
「なんなんだよ! べ、別に修はただの友達だし! 伝える事があるからだから!」
俺は動揺しつつもある異変に気づいた!
「あれ? なんでみんな手ぶらなんですか?」
買い物に行ったはずなのに皆さん何も持ってない。一体なぜ? 普通相撲部屋の買い物なら大量の食料を抱えているものだが……
「ああ、僕のパーカーのポケットに全部入れたんだよ!」
この質問には修が答える。確か修の着ているパーカーは未来のパーカーで。そのポケットには大量の物が入るんだっけか? 無限には入らないようだが。
しかしその手があったか……! そう使えばいいんだな!
「修くんのパーカー便利ね! 一着売ってくれない?」
お袋が修に聞く。確かに一着欲しい!
「女将さんこのパーカー、一着で一億円だよ! 払える?」
一億!? やばい値段だな!?
「うーん、一億は無理だよ……そうだ、もっと安いパーカーはないの?」
そんな都合よくあるはずないだろ……
「あるよ! このパーカーは『ハイエンドパーカー』だからね! 『ローエンドパーカー』なら100万円くらいだよ!」
未来のパーカーはスマホみたいになってんの!?
お袋はさらに聞く!
「ハイエンドとローエンドはどう違うの?」
そこ気になる! 修は腕を組んで、顔を横に振りながら答える。
「確か……ポケットに入る重量の違いだよ! ハイエンドパーカーは一トン入るよ! ローエンドパーカーは100キロくらいだよ!」
そこもスマホみたいだな!? ギガ数みたいなものなの?
「いいじゃない! 買うわ! 親方に相談してくる!」
お袋は駆け足で親父の元へ向かった! 力士の皆さんも家に入って行く。
この隙に守の事を話しとくか……
「修! 実は守もうなぎ自由高校に進学する気になったんだ! まだ決まってはいないけど、守もいっしょの学校に通えるよ!」
「良いじゃん! 僕! 高校野球の応援するのが夢だったんだ! そこに友達が出るなんて最高じゃん!」
これを聞いた修は太陽のような笑顔を浮かべて答えてくれた!
修の笑顔を見ると、不思議な気持ちになる。この気持ちはなんだろう?
修はこの後。ちゃんこ作りを手伝い、力士の皆さんの髪結いをして、食事のアドバイスもしていた。
もうこの部屋は修抜きでは回らないんじゃないか?
***
修は全ての仕事を終えて、後は俺の部屋で寝るだけだった時にこんな事を言い出した!
「かねやん! 長谷川くんはちゃんと私立の学校に受かったんだよね?」
「長谷川くん……ああ! 長谷川医院の息子の長谷川くんか! 確か私立の中学受験に落ちたらしいよ!」
これを聞いた修は一気に青ざめる。
「え……僕の友達の長谷川くんが!? 一体なんで!? じゃあ長谷川くんも同じ中学のはずだよね!? 何組にいるの!?」
「確か五組だよ。あんまりクラスに馴染んでないってウワサだよ」
「じゃあ、かねやん! 明日の昼休みに長谷川くんのところにいっしょ行くよ! じゃあおやすみ!」
修はそう言い残し、寝袋に入りすぐに寝入ってしまう……
俺は長谷川くんとはあんまり仲が良くないんだがな……
明日俺もいっしょに行かないといけないのか……
パーカー便利だね〜!
ドラ◯もんのポケットも配達の仕事に使えるかもしれませんね!
次回は明日20時に公開です。
新たな登場人物「長谷川くん」編です。
そろそろしんどくなってきたので毎日投稿は辞めるかもしれません…ジェミニと相談します…
みなさん、コメント。評価。ブックマーク待ってますよ!




