第二十五話 花田花の悩み③ 〜解決編前編〜
私は花田花。今は未来からきたと自称する同級生のかわいい系の背が低いイケメン。
林修くんと清流うなぎホームの副施設長清水典子先生と不動山部屋との電話が終わるのを待っているところだ。
「はい……わかりました。林くんは信頼できる子なんですね。唐揚げと焼き鳥はちゃんこ長ではなく林くんが作ったんですか!? 一人で!?」
清水先生は驚愕の声を出している! 私が代わりに聞いとくか……
「林くん? これ自分で作ったの?」
「そうだよ! 唐揚げ揚げながら、焼き鳥焼くなんてチョチョイのチョイだよ!」
林くんは笑顔で両手のレジ袋を頭の高さまで上げて自慢気に宣言する!
「いや……結構大変じゃないの? 唐揚げはともかく、焼き鳥は串に刺さないといけないでしょ!?」
私のツッコミに林くんはこう答える。
「焼き鳥と言っても、串に刺さってるやつじゃないよ! フライパンで焼いただけだよ!」
「そ、そうなんだ……」
私も料理はお母さんから教えてたっけど……多分私には唐揚げと焼き鳥を同時に作れないと思う……
大変じゃない? 同時進行でしょ!? 慣れてないと上手くこなせないよね……
「林くん! 不動山親方から聞きました。みんなに食べさせてあげて!」
清水先生が許可を出し、林くんはさっそく清流うなぎホームの中に入る。
その開口一番!
「初めまして! 僕は林修! 未来からやってきたみんなの友達だよ!」
いつもの決め台詞を言う! みんなは、「え! 未来から!?」「どういうこと!?」と戸惑っている。
この決め台詞は絶対に言わないといけないの? たまには空気読んで言わなくてもいいのでは? みんな困るよ……
「みんな! この林修くんはどうやら本当に未来からきたようだよ! 不動山親方が『そうとしか考えられない』って言ってました!」
清水先生がみんなに林くんの情報を伝える!
不動山部屋は地元でも有名な相撲部屋だからみんな知っているはずだ。
「みんな〜! 不動山部屋の美味しい唐揚げと焼き鳥作ってきたよ! 食べてね!」
林くんはみんなに配って回った。
でも……
「林くん……食べ物で釣ることが、私を馴染ませてくれることに繋がるの?」
ここでは食べることには困らない。だからこのくらいでみんなが心を開いてくれるとは思えないけど……
林くんは少しハニカミながらこう返した。
「そんな上手いこと行くわけないじゃん。食べ物はあくまで僕の演説を聞いてもらうために持ってきたんだよ! さあ! 花ちゃんも座って食べてよ!」
……一回話したらくらいで上手い行くのかなぁ。私は疑いながら、唐揚げを食べる。
「本当に美味しい!」
思わず口から言葉が出るくらい美味しい……! 焼き鳥もめちゃくちゃ美味しい! これを林くん一人で作ったの!?
他のみんなも夢中で食べている。林くんは清水先生に許可を取り。みんなの前で話し始める!
「みんな〜! さっきも言ったけど、僕の名前は林修未来からきたんだよ! でも僕の本当の年齢は十五歳じゃないんだよ! 気になるでしょ!」
食べ物に夢中だった、みんなが一気に林くんの方を向く!
「本当は1991年生まれの三十五歳なんだよ! おっさんだよ!」
この事実は私も聞いていたけど本当なんだろうか? 林くんは続ける。
「だからみんなより人生の経験があるんだよ。嫁と子供もいたんだよ!」
そうなの!? それは初耳だ!
ホームのませた子が「誰なの?」と声をかける。
「まあ、今回は嫁と子供の話はやめとくよ!」
みんな「えー!」と声を出す。めちゃくちゃ気になる!
でも林くんはここからは今まで見たことがない。真面目な顔で話し始めた。
「僕はさ。プロサッカー選手だったんだよ。プロのサッカー選手ってボランティアでこういう、児童養護施設に行くんだよ。僕はイングランドでとある児童養護施設の子と仲良くなってさ、その子が大人になっても連絡取ってたんだよ」
みんな食べるのをやめて林くんの話しに気に入ってる。
「その子は、児童養護施設から里親の元に行って。そこで育ったんだ。里親の両親がすごく良い人だったんだけど、お父さんのが無職になっちゃって。もうその子は大人だったから一人で暮らす事になったんだよ。始めは一人暮らしも上手く行ってたんだけどね……問題が起こるんだよ!」
その子になにがなったの!?
24時間テレビでやす子さんが児童養護施設に居る時に「これから私たちどうなるんだろう……」とみんなで話していたと語っていました。
それがすごく印象的でした。うろ覚えなので一字一句は合ってないとはおもいますが……
次の話はそんな不安を抱えている人への修からのメッセージです。
本当は一話にまとめたかったけど、長くなったので二話に分けました。
次回は花田花編のラストです。
明日20時に公開です!
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