第十五話 未来では今ごろ日本を牛耳ってる会社YYゲームズ潰れかけ
俺は矢部秋男。十五歳で中学三年生。
サル顔でそんなにカッコよくはないが、俺はそれをネタにして笑いを取っているので実はこの顔を俺は結構気に入っている。
そしてうなぎ中学のサッカー部のキャプテンで王様だ。しかし他にもやってる事がある。
それは幼馴染の芹沢勇気ことユーキといっしょにゲーム会社を経営しているのだ。
その名はYYゲームズ。
矢部とユーキという二人の苗字と名前からきた会社名だ。
その会社が今ヤバイ……つまり経営の危機ってやつだ。
その状況を解決すべく俺はある人物を呼び出した。
ソイツは、未来からやってきたと自称する。同じ歳の林修という少年だ!
俺は今、会議室で会社の幹部の俺の兄の社長と元銀行マンの副社長。
さらに開発のトップ開発部長と経営者のユーキと俺の五人で林の到着を待っている。
この場の空気は重い……誰も話し出さない。そりゃ会社がヤバイので当然だ。
バン! と、ドアを開けて林が入ってきた!
「初めまして! 僕は林修! 未来からきたみなさんの友達です!」
***
「矢部春男社長と斉藤健一副社長と銀次開発部長! 初めまして! 林修です! やべっちとユーキから僕の話は聞いてますか?」
林にはこの三人の名前を教えていない。
「「「え?」」」
いきなり自分たちの名前を呼ばれてびっくり仰天の大人三人。
一応林が未来からきたらしいと、いう事は三人には伝えているが……
いざ、自己紹介もしてないのに名前を言われるとそりゃ遅くだろう。
「林は今のYYゲームズについてどのくらいまで知ってるんだ?」
俺は大人たちを無視して話を進める。
「えっと。確かスーパーヤベオと探偵少女fを発売したけど思ったより売れなかったんだよね?」
「そうだよ。ちなみに林がいた未来ではどのくらい売れてんの?」
「探偵少女fは出してすぐの時は今と同じくらいの売り上げだったよ。でもスーパーヤベオはめちゃくちゃ売れてたよ!」
スーパーヤベオというゲームは、2Dアクションゲームだ。まあ、わかりやすくいうと、あのマリオのパクリなのだが、ただのパクリではない。
例えば初めての敵のクリボーみたいなやつを踏んで倒そうとすると、プレイヤーが操作するヤベオの方がやられるのだ。
そこで俺の分身のヤベが「今のは敵の頭がトンガっていたからやられちまったんだ!」と説明する。
つまりスーパーヤベオはパロディゲームでバカゲーだ。
これを一本五百円で売り出したのだが、一万本くらいしか売れなかった。十万本は売れて欲しかった……
「おい林! スーパーヤベオは未来では何本売れたんだ!?」
「ミリオンヒットしたよ! 130万本くらいまでは行ったよ!」
「え! マジかよ!?」
俺に頭をハンマーで殴られたような衝撃が走る!大人たち三人も同じように驚いているだろう。
「林くん。スーパーヤベオの仕様は同じなんだよね?」
フーリズしていた俺たちを見てユーキが気になる事を聞いてくれた。
「そうだよ。買ってプレイしてみたけど同じ仕様だよ。あの頃はDSブームだったから違ったのかな?」
この言葉に大人たち反応し、「DSブームならなぁ」とか「その頃ならワンチャンあったなぁ」とか呟き合っている。
「そういえば未来って言ってるけど、俺が1991年生まれだったら2006年に発売できてるだよな……」
俺はつぶやく。しかしこれ……ややこしいな!
「やべっちなんで2006年に発売出来なかったのー?」
「俺が生まれてないんだよ!」
林がボケて俺がツッコミ。
はははっとみんなで笑いが生まれて。この場の空気は良くなるが……
でもこれからどうしたらいいんだよ!?
「やべっちさぁ。スーパーヤベオ2は作らなの?」
林がYYゲームズの今後の事を切り出してくれた!
ちなみにYYゲームズで考えてるスーパーヤベオ2はマリオとは違う。
俺、矢部秋男の作家性を盛り盛りの入れた。3Dアクションアドベンチャーゲームだ。
「それが、資金がないんだよ……未来……というか、2006年のYYゲームズはどうだったの?」
「それがさぁ。派手に儲かっちゃって調子乗っちゃってさ、社員増やしたり、寄付したりしちゃったから2006年のYYゲームズもお金が無かったんだよ。やばくなった時に副社長が古巣の銀行に頭下げてお金借りてきてくれて、スーパーヤベオ2は完成したんだよ。副社長! それ今でも出来ますか?」
売れてても金には困ったってことか!? 俺は心の中でツッコミを入れる。
「林くん……もう行ったんだけど、無理だったんだ……こんなベンチャーには貸せないって言われてしまったんだ……」
副社長は申し訳なさそうに語る。
そらミリオン売れてるタイトルがあったら違うかも……
「そうですか……じゃあさ、僕はサッカー頑張ってきたからそこそこお金あるから。僕が貸しても良いよ。やべっち、スーパーヤベオ2作るには幾ら必要なの?」
そういえば林は長年ヨーロッパでサッカーやってきたんだったけ。そりゃ金は持ってるよな。
悪いがそれに頼ろう。
「そうだな……億は必要か。開発部長! 短い3Dアクションゲームなら幾らぐらいですか?」
「うーん。途中で開発費が膨らむことも考えれば、三億から五億は欲しいな。林くん申し訳ないけど出せる?」
「出せると思いますよ。僕全然お金使わないし、今未来のスマホ「ミラスマ」で残高見てみます」
林はスマホを取り出し、おばつかない手つきで未来のスマホとやらを操作する。
未来のスマホは全然今のスマホと見分けがつかないが……機能がすごいのだろうか?
「やべっち。僕の預金いくらなのかな? ちょっと桁が多くてわからないんだよ」
俺は林の「ミラスマ」の画面を見てみると、そこには見たことない桁の数字が並んでいた!
「俺にもわからんわ。副社長! 見てくださいよ!」
銀行マンだった副社長だったらわかるだろう。
「ええっと。コンマが五つだな……という事は、一京円!? 林くん! これ本当に円なの!? 別の通貨じゃないの!?」
普段は冷静な副社長が大声を出して、取り乱している!
「多分、円だと思いますよ。ユーロから円に換えて投資していたんで。僕2008年から投資してて、ずっと使ってなかったので、200年コールドスリープしていた間に増えたんじゃないですか?」
林は冷静だ。いや一京円持ってるんだぜ!? なんでそんなに冷静でいられるんだ!
「林! じゃあ五億貸してくれる?」
俺は恐る恐る聞く。
「いいよ! やべっち! でもちゃんとした手続きはしてね! ちゃんと弁護士さん呼んで、書類作ってよ!」
「わかった! ちゃんと返すし、儲かったら利子も付けるよ! じゃあ弁護士さんを探そうか!」
「何言ってるんだよ。やべっち! やべっちのお母さんにやってもらったらいいじゃん!」
「え……母さんに!?」
***
俺はすぐに敏腕弁護士の母さんを呼んだ。
ちょうど暇だったので来てくれた。
「秋男! 春男! 来たわよ! 契約書を作ればいいのよね? でも二人とも私の専門わかっているわよね?」
来て早々にこう言われる。
「わかってるんだけど……でも林が母さんを指名したから……」
母さんのは刑事事件が専門なのだ。
「玲子さんだ! やっぱり玲子さんはカッコいいですね! 機会があればデートしてくださいよー!」
林は満面の笑みで軽口をたたく。
「えっと、君が林くんね……君が未来からきたらしいというのは、聞いているけど、私の名前も知っているのね」
母さん。矢部玲子は、名乗ってもないのに名前を呼ばれても冷静だ。さすが仕事が出来る女だ。
「じゃあ契約書を作れば良いのね? 条件もちゃんと決めるわよ!」
話し合った結果。返済期間は期限無しで利子もかなり低めの0.5%に決まった。
林はもっと低くても良いと言ってくれたが、母さんと副社長がこのくらいが最低だと助言したので0.5%に決まった。
「ユーキ! やべっち! 玲子さん! そして幹部の三人の大人みなさん! 僕の事は修って名前で呼んでね! 約束だよ!」
林……いや修はこう高らかに発言した後。こう続けた。
「ユーキ! 君はまく美さんのことで困ってるんでしょ!? 今から僕が家に行こうか?」
これを聞いたユーキはハッとして。
「そうなんだよ! 今から家にきてくれよ!」
二人は会社の会議室から出て行った! 金本から聞いてはいたが、修は止まらないんだな……
みなさんも2008年から200年投資したら儲かるかもしれませんよ!
矢部とユーキがYYゲームズという会社をやっている。
という設定は大事なので、「この二人会社やってたな〜」と覚えていてください。
探偵少女fについてはそのうち語られると思います。
スーパーヤベオも一応覚えてもらえると嬉しいです。
今回3000文字超えちゃったんですけど、大丈夫でしたか?
あとすごく読みにくくないですか?
これでも推敲頑張りました…
あとで指摘があったら書き直します…
次の話は明日7時に公開です。
ブックマーク。評価。感想待ってます!




