第8話 生贄
今回も短めです。
「おお!※※※※!勇者ロトの血を引きし者よ!そなたが来るのを待っておった。その昔…しかし、いずこともなく現れた悪の化身 竜王…このままでは世界は闇にのみこまれ やがてほろんでしまうことだろう。勇者※※※※よ!竜王をたおし その手から ひかりのたまを取りもどしてくれ!わしからの おくり物じゃ!そこにある宝箱を開けるがよい。そなたの…ではまた会おう!勇者※※※※よ!」
120ゴールドを手に入れた!
たいまつを手に入れた!
かぎを手に入れた!
「…行ったか。さすがは大臣、次から次に人が集まるわ。これで何人目だ?」
「陛下、次で168人目ですよ。」
「しかしあれだな、ロトのしるしを持っていない自称勇者風情が、ちょっとおだてて少し物を上げれば喜んで出ていったわい。これなら冒険者ギルドにすら見放されたゴミ共も一掃できそうじゃ。放置しとくと犯罪の温床にもなりかねんし。…じゃが、これだけ多いと世もしんどいわ。」
「まぁ最初は多かったですが徐々に減ってはいますよ?」
「これ、1人ずつじゃなくてもいいだろ?」
「勇者ロトは1人ですから、勇者=1人ですよ、陛下。」
「そんなものか、仕方あるまい。」
「陛下も特製の音声スピーカーで発音してますから口元を動かしてるだけでしょ?」
「座ってるのはきついんだよなぁ。」
「これも国家のためです。我慢してください。」
・・・
「これで721人目ですね、陛下。」
「徴兵して派兵することを考えれば安いんだが、これだけ(自称)勇者を送った成果はどうなっておる?」
「えっと、この2ヶ月での成果ですがこんな感じですね。」
「ラダトーム付近で冒険198名、死者157名、ラダトーム町に引きこもり85名、行方不明200名以上…これはひどいな。後引きこもりか。…さすがに町の宿屋で勇者は1晩2Gはやりすぎたか?」
「野ざらしに近いし食事も質素ですが、彼らにとっては好待遇でしょうね。」
「はぁ、引きこもり勇者はさっさと叩き出せ!」
「あと、民家に勝手に上がり込んでタンスや壺の物を盗んでいくという苦情も…」
「こちらも警備が手薄で取り締まりもままならぬ。それに勇者のため、つまり国のためだ、それくらい我慢しろと通達しろ。タンスと壺の物は盗んでも無罪だとおふれを出せ!」
「ははっ」
「全く、問題起こすなよ(自称)勇者どもが!」
・・・
ゴーストがあらわれた!
ゴーストのこうげき!
※※※※は3のダメージをうけた
※※※※のこうげき!
ゴーストは1のダメージをうけた。
ゴーストのこうげき!
つうこんのいちげき!
※※※※は10のダメージをうけた。
あなたは〇にました。
・・・
「なぁ、聞いたか。また勇者様、〇んだんだって。」
「これで何人目だ?え、200超えただと?」
「俺なんてタンスのへそくりとられたのに…」
「これじゃ勇者じゃなくてコソドロだろ?」
「俺思うんだが、あんな弱い勇者どもなんか、盗もうとしたら殴ろうぜ?」
「それいいな。」
・・・
「陛下、最近勇者の評判は凄く悪いですな。」
「ああ、盗む、弱い、成果なしの三冠王らしいな。だが、それも良し。勇者(w)の評判が落ちれば批判がそちらに流れ、相対的に王室の評判が上がるという事だ。」
「最近は勇者と市民の対立もひどくなっております。」
「…うんざりだ、捨て置け。」
「ははっ」
「で、あと何人勇者(w)を増やすんだ?」
「もうすぐで1000になります。もう少しは増やした方が良いかと。」
「そうか…」
・・・
「以上が勇者と名乗る輩の惨状です。」
「狩人よ、報告ありがとう。…さて、皆の者、聞いた通り鬼畜野郎どもに生贄にされた勇者もどきは思った以上にひどい状態らしい。」
「まぁ餌には困らない状況ですから、別にいいんですがね。」
「しかし、その中から本物が出たら…」
「武人殿、あんなゴミクズのような奴らから、勇者が出てくるとでも?」
「早々出る訳がない、よなぁ。」
「もし出てくれば狩人からの報告が出るだろう。それまでは引き続き雑魚狩りに勤しんでくれ。会議は以上だ。解散。」
やくそう8G=800円とすると1G=100円でしょうか。
1万G=100万円、高性能量産型店売武器防具ならこんなもの?
であれば王様が勇者に渡した120G=1万円前後といったところかな?
あなたは国のトップから1万円で独裁国家に潜入して要人の救出と敵のトップの始末を依頼されました。引き受けますか?移動も活動資金も全て1万円で。資金調達法として敵勢力からぶんどっていくのはありとして。あと、勝手に他人の家に上がりタンスや壺、宝箱の物を拝借するのはありとして。
現実世界では異常でもこの世界ではそれが普通、なのでしょうか?




