魔力
「えっ?」
「レイ、良かった。」
自分の名前を呼ぶ声が聞こえ、気がつけばリュウ様の顔が目の前に。
「私・・・。」
「大丈夫か?レイ。」
「大丈夫って・・・?」
「今、何度話しかけてもぼぉっとしてたからな。」
「あっ・・・。」
そうだ、折角、私の魔力について話してくれていたのに。
私、全然聞いてなかった。
「大丈夫です。でも、ごめんなさい。私、全然話を・・・。」
「レイ様が大丈夫ならいいんですよー!じゃあ、もう一度話しますね!」
全然聞いてなかったことを謝れば、ライアさん達は笑顔で許してくれ、再度話し始めてくれた。
私の魔力の話し。
確かに、あの国ではなかったはずの私の魔力。
「これは憶測でしかないのですが、元々レイ様自身にも魔力を貯める器があったのではないかと思います。」
「えっと・・・器ですか?」
「はい、器です。この器が大きければ大きいほど魔力を貯められ、魔力の力が大きいと言われます。殿下はこの器が相当大きいので魔力が多く貯められるというわけです。」
「っで、レイ様も器を持っていた。いや、多分どの人も持ってるんだと思います。レイ様の世界でもー。でも、まず魔力自体がレイ様の世界にはない。または少ないのではないでしょうかー?」
「はぁ・・・。」
「なので、器が合っても魔力がないので貯めることができなかったのではっという考えです。」
「えっと・・・その話が今私が魔力を持っていることになんのつながりが?」
器を持っていた。
それは、うん、確かめようがないので分からないし、もしかしたら持っていたのかも知れない。
でも、貯める魔力がない、少ないから、実際私が魔力を持つことはできなかった。
そういうことですよね?
じゃあ、なんで今私が魔力を持っているんでしょうか?
「えっとですね、前回いた世界には魔力がこの世界よりは少ないがあったと殿下から聞きました。魔術師などが居たと言うわけですし。」
「はい、まぁ数人の魔術師様には会いましたが・・・。」
そう、前の世界は魔術師は少なく、珍しいものだった。
だから、あの世界では魔術師、魔力を持っている人は持っているだけで高位な立場になることができると。
それこそ、聖女様なんて高位中の高位で。
まぁ、私が元々居た世界にはそんな人がまず居ませんでしたけど。
でも、この世界は基本皆魔力を持っているって師匠から聞きました。
小さな子どもでも。
なので、多分、魔力に関してはあっちの世界より多いと思うんです。
って、話がずれました。
それが一体、どういう関係があるんでしょうか?
「なーのーでー!今までは魔力がなくて、もしくは少なくて貯めることができなかったレイ様の器に、元いた世界よりは多く魔力のある世界で暮らしていたことによって、少しずつ魔力が貯まっていったんじゃないかと考えたわけですー!」
「えっ?」
「この考えなら、レイ様が最初から魔力をもってやってきたことも納得できるのです。」
えっ、えっ、本当に・・・本当に私に魔力があるんですか?
あの世界から?
なんにも出来なくて逃げてばかりだったあの時から?
「んーー、信じてないみたいですねー。じゃあ!子どもでも簡単にできる魔法いっちょしてみましょー!」
「えっ?」
「レイ様!魔力があればできる魔法です。手を前に出して、水を思い浮かべてくださいな!」
「水ですか?」
「はい!水です。」
ライアさんが笑ってそう言うので、半信半疑ながらも手を前に出し、水を思い浮かべる。
水、水、水。
「はい、思い浮かべたら、ウォーターボールと言ってくださいなー。」
「えっと、ウォーターボール・・・?」
ライアさんの真似をして言うと、目の前に小さな水のボールが出来ていた。
出来ていた・・・?
「えっ?」
出来ている?
出来ている!?
「こっこれ!」
「はい!これは子どものおもちゃみたいなものなんですけど!魔力がないとできませんよー!」
ふわふわと浮かぶ、水のボール。
私の手の上に浮かぶ。
「本当に・・・本当に魔力が・・・?」
「嗚呼、あるぞ。レイには魔力が。」
「リュウ様。」
「母上との修行では魔力を使わずにするものばかりだったから言わずにいたが。レイがこれほど喜ぶならもっと早く言っておけば良かったな。」
そういってリュウ様は微笑む。
いや、あの、そんな温かい眼差しを向けられると恥ずかしくなるんですが・・・。
ライアさん達まで見ないでください!




