魔力
「流石は聖女様!歴代最強の魔力です!!」
「流石だ!スミレ!」
「スミレ様!素敵です!!」
異世界に巻き込まれで召喚され数日が経った。
菫のおまけで召喚された私はいつも周囲に睨まれている。
いつ、お城から放り出されるか分からない。
そんな私を菫が庇ってくれ、常に私をそばに置いてくれている。
それをまた周囲は憎悪しており、さらに私に対して睨んだり、暴言を吐いてくるのだが。
今日は、私を憎々しげに思っている中の1人でもある神官様。
その神官様は早く聖女様である菫の魔力がどれほどあるか調べたかったらしいが、常日頃邪魔者の私が居てなかなか調べられなかったそうで。
今日は邪魔者がいても仕方がないと諦めて、魔力がどれほどあるかを調べられる神聖な水晶をもって現れた。
そしてついでのように王子様や騎士様達も一緒に来たのだが。
皆が真剣に見つめる中、菫は落ち着いて水晶に手をかざす。
手をかざした瞬間に水晶は黄金に輝きはじめる。
その輝きはあまりにもまぶしすぎて私は目が開けられないぐらいだった。
光が落ち着いたとたん周囲は次々と菫を褒め、讃えた。
「すごい・・・。」
思わず私も小さく呟いてしまった。
それに気がついた菫は笑顔で私を見る。
後ろの人々は菫に笑顔を向けられているか憎々しげに私を睨み付けている。
思わず肩が揺れる。
でも、そんなこと菫は気付かず私に抱きついてくる。
「良かったー!魔力あったって!」
「おっおめでとう、菫。」
「ありがとー!!あっ!そうだ!澪!澪もしてみようよ!」
「えっ?」
「スミレ様!?何を!?」
「だって、澪だって魔力あるかもしれないよ!私と一緒の世界から来たんだし!」
菫は笑顔でそう言う。
その言葉に私は思わず、考えてしまった。
私に魔力がある・・・?
そんな・・・そんな馬鹿な・・・。
私は、菫のおまけで・・・。
「そんなはずがありません!それに神聖な水晶に邪悪な色をもつ娘に触れさせるなど!」
「でもでも!澪だって魔力あるか調べないと!!」
菫があまりにも言うので周囲は黙ってしまう。
菫はそれをいいと捉えたのか私を水晶の方に押す。
「すっすみれ!?」
「澪、してみようよー!」
「えっえっ!?いや、私は!!」
「なんでなんでー!?してみようよー!もしかしたら澪だってすごい魔力あるかもだよ!」
「そっそんなこと。」
「それに!」
「えっ?」
菫は小さく呟く。
私にだけ聞こえるように。
「それに、魔力があれば、皆きっと澪に対してあんな態度もうとらなくなるよ?」
「あっ・・・。」
その言葉は菫の罠。
甘い言葉で騙す甘い罠だった。
そんなはずないのに。
そんなことがあるはずないのに。
菫と同じ世界から来たとしても魔力があるなんて・・・。
そんなはずないのに。
でも思ってしまった。
魔力があれば、もうあんな目で見られなくて良い?
暴言を聞かなくて良い?
もっと普通に見てくれる?
そう思ってしまった。
甘い言葉にたぶらかされ、私は愚かにも手を伸ばしてしまった。
でも。
やっぱり。
「やはり、おまけはおまけでしかないな。」
何の反応を示さない水晶。
周囲は馬鹿にするように笑う。
なんて馬鹿なことを。
恥ずかしい。
恥ずかしい。
周囲の声に顔が上げられない。
なんて馬鹿なことを。
「大丈夫よ。澪。」
「す、菫。」
「澪に魔力なんて必要ないわ。私が守ってあげるからね。」
「菫・・・。」
菫に抱きしめられる。
そのときはそんな菫の言葉に助けれたような気がした。
でも、きっとこのとき菫は・・・。
「レイ!レイ!!!」




