リィナの天敵
「レイは魔法を恨んでいるのかと思っていたからな。」
「えっ?何か言った?」
「いいや、まぁ、これでレイにもちゃーんと魔力があることが分かったな。」
「えっうっ、あっはい。」
本当に私に魔力があって魔術も出来たなんて、まだちょっと信じられてないけど。
いや実感がないってのが正しいや。
でも、じわじわと実感も湧いてくるのかも。
「っで、いつまでここに居る気だ?」
「あー、一応そろそろくるはずなんですけどー。」
そうリィナさんが言って後方を見れば何かがこっちに来ている音がしている。
「あっ、きましたきましたー!ってげぇー。」
来ている者を確かめてリィナさんは嬉しそうに笑ったがその笑顔は一瞬で消えて嫌そうに顔を歪めている。
いつも笑顔のリィナさんが・・・。
一体何が?
「わっ私、急用思い出したのでー!報告は隊長にお任せしてー。」
「駄目です。倒したのはリィナでしょう。」
「えー、でもー!!」
「はぁ、どうせ、今来ているのが3番隊なのでしょう?」
「そうですー!あーもう、やだなぁ。」
「えっと、リュウ様?なんで、リィナさんはあんな風に?」
心底嫌そうなリィナさんをライアさんが止めているのですが。
一体何でこんな風になっているのだろうか?
不思議に思って近くに居たリュウ様に尋ねてみる。
するとリュウ様は少し屈んで小さな声で話し始めた。
「魔獣を倒したら処理をしなければならないのだが、宝玉の乙女は数が少なく多忙なことも多いから基本は宝玉の乙女が倒した場合はその後の処理を他の兵達に任せるんだ。」
「へー。じゃあ、今来ているのって。」
「そうだ、その後処理を担当する者たちだろうな。」
「でも、なんで急にリィナさんはあんな風に?」
「そのことは・・・まぁ、リィナの事情もあるからあまり深くは言えないが、今来ている3番隊の中にリィナが会いたくない奴がいるんだ。」
「えっ?」
「まぁ、今から見てたら分かる。後処理に報告するのは倒した宝玉の乙女と決まっているからな。リィナは逃げられないし。」
そう言ってリュウ様はリィナさん達の方を見た。
私も一緒に見ていると、リィナさんは嫌だ嫌だと駄々をライアさんにこねている。
そんなリィナさん達を見ていると数分後に後処理をすると聞いた3番隊の人たちが馬に乗って到着した。
人数は8人。
先頭にいるのが1番偉い人かな?
「遅くなってすまない。」
「いいえ、エルマン隊長。ご苦労様です。」
「おや、ライアさん。あなたもいらっしゃったのか。」
「えぇ、少々リィナだけだと心配だったのもありまして、私も後から来ました。」
「そうですか。っでそのリィナさんは?」
穏やかに笑う美中年さんにライアさんが穏やかに対応している。
エルマン隊長ってライアさん言ってたし、やっぱりこの人が1番偉い人だった。
この人がリィナさんが会いたくない人?
「嗚呼、いつものあれです。」
「嗚呼・・・。すまない。こちらも人手が足りないもので。」
「いいえ、これはあの子の気持ちの問題ですので。」
「いやいや、こちらも彼奴があれほどもするのはどうかと思うのですが・・・。」
「まぁ、お互い色々ありますものね。でも、今はお仕事ですから!!」
そうライアさんが言って一瞬姿が消え、再度現れ、手にはリィナさんが・・・。
「隊長!!」
「お仕事ですので。早く報告しなさい。」
「ですがー!!!」
リィナさんは不満げにライアさんに訴えるが、ライアさんは素知らぬ顔をしている。
それでもリィナさんはめげずにずっと言っているが・・・。
「リィナ!!!」
「うげっ!!」




