聖剣
嗚呼、あの小さな欠片はこちらから頂いたものなんですね。
初代様の宝玉はこの城に厳重に保管されているらしい。
「しかし、まさか、本当に覚醒するとは。」
「その話は父上に話してくださればいいです。どうでもいい話で時間を潰したくないんで。」
「リュウ様!?」
「ただでさえ、わざわざこんなところまで、決まりだとかなんとかで来たけども、本来なら時間が勿体ないんだ。」
「ですが。」
「大丈夫、それは何よりも彼らの方が分かっているはずだから。だからこそ、早く出発できるよう、今、この場でさっさと終わらせるつもりだから。」
終わらせるつもり?
一体何を?
「勇者の印である聖剣を貰うんだよ。別に俺には必要ないと思うんだけども、魔素を封印するためには聖剣が必ず必要なんだって。だから、その聖剣をさっさと貰いたい訳なんだが、決まりだなんだと言われてさ。」
嗚呼、だからわざわざここまで来たんですね。
なんでかなって思ってはいたんです。
あのリュウ様が大人しく従ってるのが、ゴウ様がいるからだけではないと思ってはいたんで。
しかし、聖剣ですか。
聖剣と言えば、前の世界でもありましたね。
勇者とか言われていた王子様が持っていた剣。
あれが、聖剣でした。
しかし、あちらの世界では、聖剣だけでは魔素の封印は出来ていませんでした。
魔素はあちらの世界にもあって、魔素が魔獣を作り、魔王さえ作ったと言われていました。
そしてまずその魔素を封印しなければ、魔獣は居なくならないし、魔王もいなくならないと言われていました。
魔素は、神殿が建てられた場所から吹き出しているそうで、それはあちらの世界でも同じでした。
何故魔素が神殿から吹き出しているかというと、それこそ初代様の時代に勇者が封印したので、そこに神殿を立てたとか。
多分、あっちの世界も同じなんでしょう。
それにしてもこの世界では聖剣だけで封印ができるんすね。
あちらの世界では聖剣だけでは封印出来ないので、聖女の祈りが必要でした。
まぁ、それが菫なんですけども。
しかし、この世界では多分1番魔力をもったリュウ様が勇者であるのはよく分かりますが、何故、王子が勇者だったのでしょう。
魔力はなく、剣の能力だって低かったと思います。
それこそ剣の能力なら、あの金の騎士の方があったでしょう。
なんたって、最強の騎士とか言われてましたから。
まあ、そこはどうでもいいんですが、この世界とあちらの世界、似通ったところがありますが、どうやらだいぶ違うところもあるようですね。
「聖剣。」
「魔獣は魔力でどうにかなるけども、魔素は聖剣じゃないと駄目らしい。今までの歴代勇者もこの聖剣を持って魔素を封印してきたそうだ。まぁ、歴代の勇者は、ほとんど、魔獣を倒すのにもこの聖剣を使っていたそうだけど。」




