宝玉の乙女という名
ゴウ様に案内されて、出発の日までいる部屋にやってきたが、本当にここお城の中だったんですね。
転移魔法でやってきた場所は薄暗い部屋で何も無かったから、どこかよく分からなかったけども、リュウ様が帝国に飛ぶとだけは言ってたから帝国なんだろうなとは思ってたけども。
お城だったとは。
「レイ。どうかしたか?」
「いえ、ただ、近いので離れてくださいませんか?」
「ん?なんのこと?」
「とぼけるな。」
ぐいっとリュウ様を押せば、簡単に離れた。
通された部屋は煌びやかで、しかし、リュウ様と一緒の部屋だった。
なぜと、思ったけども、本来ならばリュウ様だけが来るはずだった。
だから用意されているのはリュウ様の部屋だけなのだ。
そこに私が勝手に付いてきたのだ。
リュウ様はゴウ様には伝えていたようだけども、他には伝わっていなかったようでゴウ様はこのことを伝えるために行ってしまった。
「大丈夫でしょうか?」
「ん?何が?」
「私が勝手に着いてきてしまって。」
「大丈夫だろう。なんたって、レイは俺の運命であり、宝玉の乙女に覚醒したものなのだから。」
「でも、宝玉の乙女は。」
「大丈夫、この国もうちよりも劣るが宝玉の乙女に対して良い国だから。」
「そうなんですか?」
「嗚呼、なんたって、始まりの王達が初代の宝玉の乙女だから。今でこそうちの方が宝玉の乙女の保護に力を入れているが、元々1番適していた国だ。寧ろ宝玉の乙女を、しかも初代と同じほど力を持っている者が現れたということに喜びはすれど、逆なことはないはずだ。」
だから、師匠達も伝えなかったとか。
寧ろ伝えればなんとしても、自分の国にとしようとするから。
それを聞いて、まさかとは思っていたが。
「歓迎するよ、勇者。そして宝玉の乙女よ。」
目の前の王様を見て、納得してしまった。
勇者と呼ばれたリュウ様をちらりと見た後、じっと私を見ている。
居心地が悪い。
でも、王様を前に隠れる訳にもいけないから、じっと我慢していたのだが、スっと私の前にリュウ様が立てっていた。
「私の運命をそんなに見ないで頂きたい。」
「あっ、嗚呼。すまない。ゴウから聞いてはいたが、まさか、本当にだとは。」
「酷いな。ちゃんと見たことを伝えたのに。」
「いや、まさか、本当に初代様と同じ力をもつ宝玉の乙女がいるとは。」
そう言いながらも目線は未だに私に向けられている。
リュウ様が前に立ってくれたから少しはマシになったけども、やっぱり居心地が悪い。
「初代様の宝玉の欠片を分けて欲しいと言われた時、どうなるかと思っていたが、まさかだ。」
「父上は、ゴードン陛下に伝えていたんですね。」
「嗚呼、何故かと聞かなければならなかったからね。初代様の宝玉は我が国の宝だから、易々と渡すわけにはいかないからな。」




