運命の相手
ため息を付くリュウを横目に見ながら、レイちゃんを見る。
数週間前に会った時とは全く違う彼女に驚きをかくせない。
初めて会った時、彼女がリュウが昔っから言っていた運命なのだと思ってじっくりと観察していたが、どこかビクビクとしている女性に感じていた。
別にオドオドしている訳では無いのだが、何かに怯えている様子が見られる時がある。
リュウから簡単に話は聞いてはいたけども、それがトラウマになっているのだろう。
知らない人に対して、怯え、様子を伺っている。
野生の動物のような女性だと感じた。
それがレイちゃんの初めて会った時の印象で、今もその印象が強く残っていたのだが。
アデル様から話を聞いて、レイちゃんがリュウを生き残らせるための希望となるって聞いて、俺はレイちゃんの気持ちなど考えずに協力することにしたうなづいた。
そして、レイちゃんをアデル様達が話している場に連れていったのだが、その話を聞いてる途中からレイちゃんは何かを決心したような表情をしていた。
最初は驚き、信じられないという表情だったのに。
リュウが死ななくてもいい、レイちゃんが覚醒すればと聞いた瞬間に、今までビクビクした雰囲気が一瞬なくなった。
しかし、また直ぐに、俺がいるって分かるとビクビクしてたけど。
その時、少しムカッとしたけども。
誰のおかげでここにいれると思ってんのって思ったけども。
そして今。
「お久しぶりです、ジゼル様。」
そう言うレイちゃんは以前のレイちゃんとは全く違った。
覚醒したっていうのもあるのかもしれないけども。
でも、こんなに真っ直ぐ見るようになるなんて。
その真っ直ぐさがとても綺麗で。
思わず見惚れていれば、横のリュウに睨まれて慌てて視線を外したけども。
その後のリュウの怒りを受けていれば、レイちゃんが止めてくれて。
リュウに怒られるのは仕方がないと思っていたし、何発かは殴られるだろうし、そうしようとも思っていた。
リュウの大事な宝物を危険に晒したんだから。
間接的なことだとしても、リュウにとって絶対にゆるせないこと。
それを俺はしたということはちゃんと理解している。
出会った時から嫌になるぐらい聞いたんだ。
リュウにとっての運命、レイちゃんがどれほど大事で愛しているかって。
それを知っているからこそ、受け入れようと思っていた。
その怒りを。
しかし、まさか止められるなんて思ってもみなかった。
しかも、その止めるのがレイちゃんだなんて。
あのビクビクしていた子が止めるだなんて。
そんなこと思ってもみなかったんだ。
「別にハマったってほどでもないですし。それに、私、知らないままってのは嫌だったので、遅かれ早かれ知っていたとは思いますし、結局、覚醒の鍵はアデル様が持っていたのだから、私さえが望めば誰も止められないし、逆に私が拒めばアデル様もそこまで無茶をしなかったでしょう。無茶をする気ならばまず、こんな面倒臭い計画を立てることも無く、私に無理やり飲ませばいい訳ですし。」
「そんなこと!」
「それをせずにいたのは、アデル様がお優しいからですし、ゴウ様もただ、知りたがってた私の手助けをしただけ。リュウ様が怒ることは一切ないんですよ。」
そう言って笑う彼女がとても綺麗に見えた。




