出発の地
ギロリと睨むリュウ様に怒りをとても感じる。
父上ってアデル様のことですよね。
アデル様に乗ったって?
「レイがこうなったのはお前が俺の秘密を聞かせたからだろう。」
「あっ、あれ。」
「それはそうだけど。別に俺は聞かせただけだから。アデル様に頼まれたのはそれぐらいだし。レイちゃん自身だって知りたがってたからね。無理矢理にはしてないよ。」
「あっ、そうですね。私が知りたがってたし。」
「レイは、少し黙っていてくれ。」
えーー。
私の事っぽいのに、黙っておかなくちゃいけないの?
いやでも、滅茶苦茶リュウ様怒ってますし、黙っておきましょうか。
しかし、あれはアデル様の指示だったとは。
いえ、ゴウ様が何故あの場所にいけたのだろうかって疑問には思っていたのよね。
でも、あれがアデル様の指示ならその疑問も解決する。
「俺は、俺たちはレイを巻き込むつもりは一切無かったのに。」
「でも、そのままだったら、今の希望は無かっただろう?」
「俺の希望の為にレイが辛い思いするなんて、そんなことを望むわけがないだろう!それをお前は!」
「なら、そのままにしとけと?親友が死に行くのを静かに見ておけと?悪いが、俺は親友が生きていける未来があるなら、異世界から来た娘だろうと容赦なく巻き込むよ。」
「お前!!」
リュウ様がゴウ様に掴みかかっている様子を静かに眺めながらも考える。
まぁ、そうだよね。
見ず知らずの異世界から来た娘と幼い頃からの親友を比べることなどまずなく、その娘が上手くいけば親友が死ななくても良いかもしれないと言われれば、そりゃあ、しますよね。
私だってそうする。
私が1人納得していれば、その感情を読み取ったリュウ様がこちらをみる。
さっきまで掴みかかっていたゴウ様を離し、ゴウ様はその場で尻もちついている。
「レイ、何故、そんなに落ち着いているんだ!?君はアイツらの計画にハマってしまっていたんだぞ。」
「えっ、そんな。別にハマったってほどでもないですし。それに、私、知らないままってのは嫌だったので、遅かれ早かれ知っていたとは思いますし、結局、覚醒の鍵はアデル様が持っていたのだから、私さえが望めば誰も止められないし、逆に私が拒めばアデル様もそこまで無茶をしなかったでしょう。無茶をする気ならばまず、こんな面倒臭い計画を立てることも無く、私に無理やり飲ませばいい訳ですし。」
「そんなこと!」
「それをせずにいたのは、アデル様がお優しいからですし、ゴウ様もただ、知りたがってた私の手助けをしただけ。リュウ様が怒ることは一切ないんですよ。」
そう、リュウ様が怒ることは一切ない。
寧ろ、私は感謝しているぐらいだし。
知るための手間がはぶけたのだから。
一応当事者の私が一切怒ってないのに、部外者なリュウ様が怒るのは筋違いだと思うのですけども。
そう思ってリュウ様をみれば、ため息をつかれた。




