出発の地
「ここが始まりの地。」
「あれ?レイちゃん知らなかったの?」
「はっはい。すみません、この世界に来てから修行ばかりしてたもので。」
この世界の歴史やら地域やらは勉強をあまりしていないので知りませんでした。
それよりも力をつける修行の方が大事だったので。
修行に関係のあった宝玉の乙女に関しては勉強してはいますけども。
なので初代様達が生まれ育った村から旅を始めたことは知ってましたが、まさかその村が今や、帝国になっているとは、知りませんでした。
「勇者と初代宝玉の乙女は、魔王を封印したあとは自分の生まれ育った村に帰って結婚したんだ。そして勇者と初代宝玉の乙女はその村を大きくし、国となり王と王妃になったんだ。」
「えっ、それじゃあ。」
「そう、これでも、僕は勇者と初代宝玉の乙女の子孫なんだよね。」
えっ、ゴウ様が!?
いや、この帝国の王族が勇者と初代宝玉の乙女の子孫というわけですよね。
「だから、本当ならば、僕がだったはずなんだけどね。」
「その話はもういい。」
「けど、リュウ!君は、君の一族は1番遠い一族なはずなのに!」
「ゴウッ!!それ以上言えば、俺は俺たちは今すぐここを離れるぞ。」
そう冷たく言うリュウ様の表情は怒りが浮かび、感情も怒り、そして焦りがある。
何故、焦りが?
リュウ様が、というか、アデル様達一族が勇者に1番遠い一族ってことですよね?
一体何故?
リュウ様にはきっと私が疑問に思っていることは伝わっているけれども、一切こちらを見ない。
説明する気は一切ないと。
「別に俺はクソババアのいうことなんて信じていないし、仕来りやらなんやらを気にすることは一切ない。それに帝国の命令に従う気だってさらさらないをただ、一応友人であるお前が言うからいるだけだ。しかし、俺のレイにいらないことを言うつもりならば、俺はレイを連れてすぐに出ていく。分かっているだろう?それを俺ができるってことを。」
それを聞いたゴウ様は、苦い顔をし、頷いた。
「嗚呼、分かってる。ごめん。もう何も言わない。ただ、リュウ、預言は当たっていたんだ。だからこそ、リュウには力があるんだ。そして、レイちゃんが現れた。」
「レイが現れたのは俺の運命だからだ。あのババアの予言したもんじゃない。あいつはただ、俺が勇者で絶望的だと言っただけ。しかし、今はどうだ?絶望的だと?運命を手繰り寄せ、尚且つその運命が奇跡だったんだぞ?どこに絶望がある?」
「それは。」
「あのババアの予言は当たらない。なぜなら、レイがここにいるからこそ、あいつの予言はただのゴミクズでしかなくなった。嗚呼、そういえば、お前、父上の話に乗ったらしいな。」




