宝玉の乙女の修行
「ということで、もう話は通しているから。」
「はっ?」
「さぁ、リュウ様。参りましょう。」
どこからやってきたのか全身黒の人。
全然気配に気づかなかった。
大分、気配とかには敏感になったはずなのに。
この人一切気配を感じられらなかった。
「影!!」
「アデルの元に行くのに暴れられても困るからね。1人借りてきたのよ。」
「やめろ!レイから離れるつもりはないぞ!!!」
「何言ってんのよ。早く修行しないとあんたにはタイムリミットがあるのよ!?」
「それは分かってはいるが!今日ぐらいいいだろう!!ようやく、ようやく!!レイが目覚めてくれたのに!」
「それはよーく分かってるけども、時間は待ってはくれないのよ。さっさっと連れて行って。」
「分かりました。さぁ、リュウ様、我儘を言わないでください。」
そう言いながらもリュウ様を担いでいる黒の人。
そのまま、暴れるリュウ様を担いだまま居なくなってしまいました。
「あの師匠、あの方は?」
「嗚呼、アレは影の1人よ。」
「影?」
「この国の王にだけ仕えている者たちを影って呼ばれているのよ。基本表には出てこず、その名の通り王の影に潜み、王の命令にのみ従うのよ。」
「つまり、今はアデル様の?」
「そういうこと。アデルの影を1人借りてきて、リュウをつれて言ってもらったの。どうせ、暴れてなかなか行かないから、とっ捕まえる奴がいるって思ったからね。」
「そうなんですか。」
暴れることを予想されているリュウ様。
いや、私も予想できるけど、本当に残念な王子様です。
でも、これでようやく宝玉の乙女としてスタートが切れる。
「師匠。」
「何?レイ。」
「宝玉の乙女としての修行をお願い致します。」
「えぇ、勿論。そのつもりでこの2週間の予定は全てキャンセルしてきたわ。」
「えっ。」
「あの子が、勇者と旅立つのは1ヶ月後。本来なら帝国に行って、仲間を探しをして、親睦を深める期間だそうだけど、あの子は仲間をいらないと言ったので、ギリギリまでこの国でいて、転移魔法であっちに行き、魔王の住む城まで行くそうよ。」
「1ヶ月後!?」
もうそんなに期間がなかったなんて!!!
本当に良かった。
今目覚められて。
間に合うことが出来たもの。
それに、1ヶ月も宝玉の乙女としての修行をすることができる!
「苦なことだけども、レイにはこの2週間で宝玉の乙女の力をマスターしてもらう。いえ、マスターは無理でも、なんなくと力を使いこなせるようにはしてみせる。」
「分かりました。師匠。」
2週間。
短いように感じるけども、他の人は覚醒して直ぐに実戦だった人もいるんだ。
充分恵まれている。
2週間で必ず宝玉の乙女の力をマスターしてみせる。




