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はじめまして、顔も知らない旦那さま「顔も知らない旦那さま改定版」  作者: 宮崎裕子


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エピソード24

いつもの様に執務室に2人を呼んで説明する事にしました。


「あのね、以前2人に相談した被災地復興のために、商会の資金を遣わせて欲しいといったの覚えてる?」


「もちろん、だから私達は今回の件は、畑を作るだけでなく、彼らの寮に随分お金を使うことになるから大丈夫かと思っていたんです

よ」

と、テッドが言う。


「心配してくれて、ありがとう。

実はもう復興に掛かる資金の目処はついているのよ」


「それは、伯爵家で資金の目処がすべてたったと言う事ですか?」

と驚いた様に言うドミニク。

そうよね、今回の災害での被害の大きさと復興に掛かる資金は伯爵領の全収入の何年分にも匹敵するから…


「ええ、まだ詳しくは話してなかったわよね…。

当初、伯爵家では復興の為に莫大な借金を負う覚悟をしていたの。

だから2人に商会の資金を借りたいと相談したのだけど…」


2人は私の言葉に頷く。

「私がここへ帰ってくる少し前にロエベ子爵から融資の提案があったの。

それによって随分状況が好転したのよ」


「そうですか。あのロエベ商会の…」

何か考える様なドミニク。

ドミニクはもともと伯爵家の、お父様のもとで長年仕えていた人だから、今までうちとロエベ子爵とが繋がりがなかった事に少なからず疑問に思っているのかな?


「しかし、なぜロエベ商会のアラリコ・ロエベ子爵が?

今までジャルジェ伯爵様とはお付き合いはなかったように記憶していましたが…」

やっぱり予想が当たったようだ。

そう思うわよね。

「ええ、その通りよ。

子爵様から、我が家とのお付き合いを提案されたの。

その見返りと言ってはなんだけど、融資の話が出たのよ」


まだ何となく腑に落ちない顔をしている2人。

『よ、よし!』

私は心の中でもう一度気合いをいれます。

どんどん緊張して、手が冷たくなってきました。

私は2人の顔をしっかり見て、意を決して結婚の話を切り出す。

「あ、あのね

ロエベ子爵はもう1つ提案をしてきたの。

実はね…」


コンコン


その時、ドアをノックする音がしたと同時にパティが勢いよく入ってきた。


「お嬢様すいません、大変なんです。

ちょっと来ていただけませんか?」


「どうしたの?」


「店でで騒ぎが…

だから、あの…」

パティが慌てていて、要領を得ない。

まずは落ち着かせないと。


「パティ、落ち着いて、騒ぎって?」


パティに一度大きく息をすって吐き出す様に促した。


少し落ち着きを取り戻したようです。


「はい、お店に男の客が来たのですが、コレットにいきなり迫って…

何か口説いている様なんですけど、外国人みたいで話がよく分からなくって」


「直ぐ行くわ、テッドも来てくれる?」

テッドにも着いてきてもらい、一階へ急ぎます。


ここは港町なので、外国人も珍しくないのですが…



お読み頂きありがとうございます。

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