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【完結】追放された第二王女、辺境王領の監査官になる 〜毒舌黒柴フェンリルと暴く王国の陰謀〜  作者: 柴門そら


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第27話 王族の責務と厄災

ルミナーラの街に着いた。

商業ギルドに荷馬車を着ける前に、

ロッシの窯に寄ってもらう。


夜明け前、まだ薄暗い。


親方が店から大きなカゴを抱えて店から出てくる。


「レオノーラ様、みなさん、ご無事で良かった。

甥っ子姪っ子がお役に立てて何よりでさぁ。


ここで次の馬車に乗り換えてください。

エイミーさんのいい人からしっかり頼まれましたからな。


そして、焼きたてのパンとサンドイッチ、持って行ってくだせぇ。

レオノーラ様のおかげで、この街も元にもどりやした。

みんな安心して過ごせているのもレオノーラ様のおかげです。


ただ、王都がなんだかきな臭いようで、

ここまでは詳しく話が来ないんですが、

一大事だってことはわかります。


どうぞご武運を。」


「ありがとう、親方。

あなたたちがこうやって助けてくれたこと、忘れないわ。

無事に終わったら、またゆっくり今度はただ旅とパンを楽しむためにここへくるわね。」


「レオノーラ様、こちらです!」

ルドが乗り換える馬車から顔を出した。


地味だが、公爵家の馬車だ。

認識阻害の魔法が馬車自体にかかっている。

スレイプニル(魔獣の馬)の魔導馬車だ。

これならすぐに王都までつく。

さすが公爵家。


ロッシの窯で一度着替えてすぐ馬車に乗る。

パンとあわせて熱い紅茶も水筒に入れてくれた。


「レオノーラ様、王都まで1日です。まずは少しお休みください。」

私はエイミーの肩に頭を預けて眠りについた。


アドリアン王子もさすがに馬車の壁にもたれて眠り始める。


ヴェルは、ロッシの窯の焼きたてパンをひたすらもぐもぐしていたらしい。


------


王都近くまでついた。

公爵家所有の屋敷で作戦会議だ。


まずは湯浴み、そして着替える。

熱い紅茶と軽食が準備されていた。


全員が一部屋に集まる。


レオノーラが口を開いた。


「殿下、ここからは、以前お話しした、私が一つだけなさねばならぬこと、になります。

なので、これからの私の行動について、どうぞ黙って見守ってくださいますか?」


「ああ、約束だからな。

ただ、私がこんな形であなたに迷惑をかけるとは思いもしなかったが。

本当に申し訳ない。

私にできることがあれば、何でも言って欲しい。」


「ありがとうございます。これも何かの運命なのでしょう。


では、殿下、王太子殿下と王宮騎士団の動きをできる限り抑えていただきたいのです。

ルドヴィクの話では、貴国の騎士団は、第二王子のあなたを助けるために集まりつつあるようです。

その中心では貴国の騎士団長が指揮をとっているようです。

そこに合流し、我が国の騎士団と協力していただきたいのです。」


「そして、キース」


「はっ」


「あなたは、殿下を護衛しながら、王都の騎士団に合流してちょうだい。

そして隣国の騎士団長と繋ぎをとって欲しいの。

ここで両国が争う必要はないと、話し合いの席をできれば設けて。


軍部に関しては公爵家の管轄だから、細かくはルドヴィクと

ノクスヴァルト公爵に従ってちょうだい。」


「かしこまりました。必ずや。」


「頼りにしています」


「トーマス」


「はい。」


「あなたは、母様のお墓に行き、あるものを持ってきてもらいたいの。

この書状を持っていけば、管理人が渡してくれるはずよ。」


「かしこまりました。」


「エイミー、ヴェル、後で話があるわ。」


「はい」

「ああ」


殿下とキースは出発し、トーマスも母様のお墓に向かった。


部屋の中が3名になった。


「そして、レオノーラ、話とは何だ。」


「二人とも、よく聞いて。


私の封印は解けているわ。」


二人が目を見開く。


「母様が私を庇って亡くなったことも、

それから父の様子がおかしくなったことも、


その理由もわかっているつもり。


そしてあなたたち二人が、私が思い出さないように、

封印が解けないように、


そのままでも厄災を回避する方法を模索していたことも知っているわ。」


「なぜ...?いつ....?」


「それは今、説明している時間はないわ。


私は公爵家と宰相家の厄災における役割を全て思い出したの。


それにまつわる不幸な出来事も。


歴史の中の

何代かに1度起こる厄災の悲劇について。


母様が私を庇って亡くなった時、

私は母様から記憶を受け継いだわ。

王妃から、

この役割をもつ王族のみに継承される記憶を。


それがこの代では私だった。

それは生まれながらに決まっていたこと。


本来はあの時、私は亡き者にされ、

今の代の厄災を防ぐことができなくなるはずだった。


それを母様が私を庇ってくれたことで、

私は今回使命を果たすことができる。」


「レオノーラ様、

私が、私が何とかいたします。」


「そうだ、オレだって師匠にしごかれて、

免許皆伝にまでなったんだ。」


「ありがとう、二人とも。

でも、あなたたち二人だけにそれを負わせるわけにはいかないの。

これは王族である私の責務なのよ。」


「だから、だから王妃様は、レオノーラ様の記憶を封印したはずなのに、

なぜ、なぜ今になって....」


「エイミー、私、母様に会ったのよ。

だから大丈夫なの。母様がきっと守ってくれるわ。」


エイミーが号泣する。

そしてヴェルも苦々しい顔をしていた。



-----


我が国の厄災。


何代かに一度起こる厄災。


一般の国民に知らされることはないが、


王家、公爵家、宰相家がこれを未然に防いでいた。


予兆は必ずある。


公爵家に竜眼をもつ子が生まれ、


宰相家に黒い髪と赤い瞳を持つ次男が生まれた時、


その代に厄災は起こる。


その厄災とは、「邪竜の復活__」である。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

あと5話で完結予定です。


もしレオノーラと黒柴フェンリルの旅を

もう少し見守ってもいいと思っていただけたなら、

ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。


次回も、どうぞよろしくお願いいたします。

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