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【完結】追放された第二王女、辺境王領の監査官になる 〜毒舌黒柴フェンリルと暴く王国の陰謀〜  作者: 柴門そら


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第25話 王都への道

王都へ戻ると言っても、レオノーラとバレないように戻らなければ。

どうする?考えろレオノーラ。


いつものオンボロ馬車でも見つかってしまうだろう。

そして急がないと、父様と姉様が危ない。

私がただ捕まっても、彼らを解放するとは限らない。

だから私の目の前で解放してもらわなくてはならない。


大使館の中で必要なものをアイテムボックスに詰め込みながら考える。


「あのー、レオノーラ様」


「え、どうしたのトーマス?」


「実は、前回のルミナーラの街で商業ギルドにいたロッシの窯の親方の姪っ子さん、

覚えてますか?」


「え、ええもちろん。ご実家が小麦農家の娘さんよね?」


「はい、その兄妹が今、小麦の商売で馬車と小麦の荷物を持ってこの街に来てるんです。

レオノーラ様がお倒れになっていた時に、この前この街に着いたと挨拶に来てくれたんですよ。」


「そうなのね、それがどうかしたの?」


「この町で、小麦を売って、別の商品を買い付けて帰るんだそうですが、

彼らの荷台や荷物に紛れてこの街を出られないかと思って。

確か明日、出発なんだそうです。」


「トーマス!さすがだわ!それでいきましょう!」


まだ暗いうちに、その兄弟が泊まっているという宿の前にある荷馬車に乗り込む。

一応私は少年の服装に着替え、エイミーも町娘風、キースもアドリアン殿下ももちろんトーマスも商人の服装に着替える。ヴェルは出発まで見張りだ。


そして基本は全員荷物の中に隠れることになった。

まずは城壁の検問を出るまでは油断できない。


「レオノーラ様、ご無事で何よりです。あの時は本当にお世話になりました。

灯台の爆発の件、街中で噂になっています。レオノーラ様の安否がわからないと。

レオノーラ様のお役に立てるのであれば、私も兄も協力いたします。

この街を出て、ルミナーラから王都に向かう方法もなんとかします!」


「ありがとう、本当に助かるわ。」


------


検問を通る。

荷馬車の荷物が検められる。


一つ、二つと樽や箱が開けられる。

背中に冷や汗が流れる。


門番がもう一つ樽に手をかけた。

「あ!それは!ダメです!」

「なんだ、怪しいな。開けろ!」


開けた途端、ものすごい激臭が漂った。


「わ、これは、あれか。

魚を発酵させた例の特産品か。」


「すみません、うちの街のお貴族様でこれを所望する方がおりまして、

毎回、購入を頼まれるんですよ。」


周りに漂う発酵臭とアンモニア臭がすごい。


「は、早く閉めろ!」


「はい、直ちに!」


「ああ、もう!行け!行ってよし!」


「「はい、ありがとうございます。」」


兄、妹は声を揃えて礼を行って馬車を進ませた。


城門が遠くなった頃、


「レオノーラ様、皆様、もう大丈夫ですよ」


「ぷはぁ〜、助かったわ。本当にありがとう。」


箱の中からおがくずだらけになりながらレオノーラが出てくる。

そして次々に箱から出て、それぞれが、新鮮な空気を吸い込んだ。



「さすがに箱に果物と一緒に入ったのは初めてだ」

とアドリアンは笑っている。


商人の服を着た王子スマイルに、

びっくりして倒れてしまった妹を兄が介抱している。


トーマスが荷馬車を走らせながら、まずはルミナーラへと向かう。


みんなでりんごを齧りながら、馬車に揺られた。


御者台に、兄妹が座り、


エイミーが荷台の部分に防音の結界を張る。


「こんな旅は初めてだ。」


アドリアンはしみじみ言った。


「そして、改めてレオノーラ、申し訳ない。

兄があなたの家族に対してしたことを謝罪する。」


「あなたは知らなかったのでしょう?」


「もちろんだ。でもあの短剣を見た時、もっと警戒すべきだったかもしれぬ。

何か先に手が打てたかもしれん。よもや兄がからんでいるとは。」


「殿下も暗殺されかかったのですから。

きっと今回の視察の時から仕組まれていたのだと思いますわ。」


「おい、おまえんとこの王太子、そんな奴だったか?

オレの印象では気が弱い、当たり障りのない男だった気がするが。」


「ヴェル、言い方!」


「いや、ヴェルの言うとおりだ。

彼は優しい、王族らしからぬ、ある意味普通の人だから。」


「だからお前、第二王子を担ごうとする輩もいたわけだな。

そして第一王子を傀儡にしようという勢力もあっただろう。」


「まぁ。そういうことだ。

私はそもそも王位に興味がないし、

兄上を支えるつもりでいたが、なぜ兄上が王位簒奪などど。

黙っていても王位は兄のものであったはずだ。


父、国王は厳しい人で、ある意味王らしい王だったが、

確かに兄とは折り合いは悪かったとは思うが。」


「最近何か変わったことはありませんでしたか?」


しばらく考えていたアドリアンは、

はっと思い出したように、


「そうだ、我が国でとある新しい教会が勢力を増してきてな。

それについて、兄上が調べさせていた。

国教とはまた別で、急に信者を増やしたと。」


「その教会の宗派の名はなんだ?」


「ナイトフォール教団」と聞いている。


「「「ナイトフォール....」」」


エイミー、ヴェルと3人で顔を見合わせる。


「ナイトウさんのことよね?」

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


第一部で出てきたナイトフォール、ようやく再登場。


完結まであと少し、

もしレオノーラと黒柴フェンリルの旅を

もう少し見守ってもいいと思っていただけたなら、

ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。


次回も、どうぞよろしくお願いいたします。

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