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【完結】追放された第二王女、辺境王領の監査官になる 〜毒舌黒柴フェンリルと暴く王国の陰謀〜  作者: 柴門そら


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第19話 港町名物料理と報告

海辺のレストランに向かう。

今日は第二王子が馬車を手配してくれた。

フッカフカの馬車だ。


トーマスがちょっとむくれている。

「トーマス、今日はあなたもお客様っていうことで、

夕食に招待されているんだから今日は仕事を忘れてゆっくりしてくれたらいいのよ。


今日は気楽にみんなでこの街の名物を堪能してほしいって言っていたわ。

ふふふ、私も今日はコルセットなしのデイドレスだから

いくらでも食べられるわ!」


「レオノーラ様!今日はいきなりたくさん食べてはいけませんよ。

ワインもエールもダメです!コルセットをしないドレスにしたのはたくさん食べるためではなく、

お身体のためを思ってしめつけないようにするためですからね!

食べ過ぎ注意ですよ。」


「はいはい、エイミーわかってるわ。なんでも少しずつ、でしょう?

でもワクワクするわね。この前の貝のバケツ蒸しも美味しかったけれど、

他にどんな料理があるのかしらね。」



「妖精姫、元気になってよかった...」

キースがぽそりとつぶやく。


ヴェルは何も喋らない。

馬車の座席で丸くなって眠っている。



レストランに着くと、アドリアンが迎えに出ていた。

今日はラフな服装だ。


「わぁ、アドリアン王子、普段着も素敵ですねぇ」


「そ、そうね。」


「ようこそ、チームレオノーラの皆さん、

今日はゆっくりと食事を楽しんでいってくれ。」


「殿下、お招きありがとうございます」


「「「ありがとうございます」」」


「今日は堅苦しいのはなしだ。

この街でよく食べられるような名物料理を用意してもらった。


私自身もなかなかお忍びで出かけるのが難しいから、

たまにこういう食事を用意してもらうんだよ。


今日は貸切だから、周りを気にしなくてもいいし

ゆっくり食事を楽しんで欲しい。」


「先日は、お約束を守れずに申し訳ありませんでした。」


「いや、レオノーラ、こうして元気になってよかった。

心配で眠れなかったよ。

侍女殿には何度も連絡してしまい申し訳無かった。」


「お見舞いのお花もありがとうございました。」


「ああ、なんだか照れるな。

さぁ、席に着いてくれ。さっそく食事にしよう。」


どんどん大皿料理が運ばれてくる。

格式高いレストランだとのことだが、

今日は街の食堂でおすすめを全部並べて!とオーダーしたような感じだ。


料理長がやってきて恭しく礼をした。


「皆様、本日はお越しいただきありがとうございます。

アドリアン殿下よりこの街の名物を皆様と堪能したいというご要望で

お食事をご用意させていただきました。


この辺りでは、シーフードとオリーブオイル、ガーリックを使った料理が

よく食べられています。


こちらは、トマトベースの魚介の煮込み、魚介の旨みが凝縮したスープが人気で

これが一番有名かもしれません。


オリーブとアンチョビを乗せて焼いたパンもこの地方特有のものです。


オリーブとガーリック、アンチョビのペーストを

バゲッドに塗るのも人気です。」


と説明してくれたが、

その他にも、


卵とツナのオリーブオイルのサラダ

イカのフリット

タコの煮込み...


そして、シーフードだけかと思ったら

牛頬肉の煮込みに、

ラムのもも肉のパイ包焼き!


お肉料理も有名なのだそう。


目移りしてしまう。

病み上がりなのが残念だ。

ベストコンディションで食べたかった.....


料理長が言ったように、

オリーブやガーリック、アンチョビを使った料理が多いのね。

あと、切り込みが入っていて木の葉のような形をしたパン、カリカリな食感と

オリーブオイルやハーブの香りがいい。

もちろんライ麦パンやバゲット、クロワッサンやブリオッシュも。


ヴェルはこの街のパンは気に入ったかしらね。

とチラとヴェルを見ると目が合った。

でもフイと逸らされる。


時折エイミーに

食べ過ぎ注意!と言われつつ、

少しずつ取り分けてもらい食事を楽しんだ。


みんなも緊張がほぐれてきたようで、

ワイワイと楽しそう。

やっぱりこれが一番よね。


相変わらずトーマスがかいがいしくヴェルに食事を用意している。


デザートはラム酒をたっぷりと漬け込んだブリオッシュにクリームを添えた物。


ちょっと酔っ払いそうだけど美味しい。


私はエイミーにお酒はたくさんはダメと言われているので紅茶を飲む。

皆はエールとワインでほろ酔いだ。


-----



「ところで、皆に報告がある」


アドリアン王子は話を切り出した。


私と目を合わせて微笑む。

私も微笑み返す。


「このたびレオノーラと婚約することとなった。」


一瞬で場が静かになった。

凍りついた、とも言えるかもしれない。


キースがかちゃりとフォークを皿の上に落とした。


チームレオノーラの中では、


「え、聞いてないよ...」


という雰囲気がバリバリ出ている。


そう、私、皆に言ってないからね.....



「国王陛下には、今こちらの国から正式な申し入れと

レオノーラからは承諾を得たことの報告をしたところだ。


返事はまだきていないが、

チームレオノーラの皆には、先に知っておいて欲しかった。」


「え?婚約?本当ですか、レオノーラ様」


意識を飛ばしてフリーズしていたエイミーが改めて聞いた。


「ええ、そうよ。エイミー。

皆、祝福してくれると嬉しいわ。


もちろん監査官の仕事は続けるし、皆と旅も続けるわ。

婚姻はまだ先だし、

何より父とは違って、殿下は私の仕事に対してとても理解をしてくださっているの。

私を誰よりも理解してくれる、今回の滞在や夜会でお話ししてそう思ったの。」


「ああ、もちろんだ。仕事は続けてもらいたい。

私もそのための協力は惜しまない。


私も公務はあるが、旅の途中のレオノーラをできるだけ訪ねるつもりだ。

本当は片時も離れたくはないけれどね。」


とにっこり微笑んだ。


「お、おめでとうございます。」

「お似合いのお二人ですよね。」


ギクシャクした雰囲気がなんだか気まずい。


その雰囲気をものともせず、

にこやかにアドリアンが皆に声をかける。


「さあ、乾杯しよう。

シャンパンを用意した。


レオノーラは一口だけだけれどね。

病み上がりだから大事にしなくては。」


ヴェルは何も言わずにただそこにいた。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


二人の婚約はあまり歓迎されてなさそう...それをものともしない王子....


ヴェルのスピンオフ短編も公開しています。

本編の裏側や、旅の始まりに繋がる物語ですので、

気になる方はぜひあわせてご覧ください。

https://ncode.syosetu.com/n2644lx/


もしレオノーラと黒柴フェンリルの旅を

もう少し見守ってもいいと思っていただけたなら、

ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。


次回も、どうぞよろしくお願いいたします。

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港町料理に油断してたら、突然の婚約!
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