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【完結】追放された第二王女、辺境王領の監査官になる 〜毒舌黒柴フェンリルと暴く王国の陰謀〜  作者: 柴門そら


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第14話 朝のパン祭りとレオノーラの焦り

さて、朝食の席。

食べ始めると、みんないうことを聞かないので、

「今日はチーム会議をするわよ!」

と朝食の席の食べる前に皆に告げた。


夜会の次の日は疲れる...

あれから殿下は帰っていったが、

もう何も考えられずエイミーにドレスを脱ぐのを手伝ってもらい、

湯浴みをしてすぐに泥のように眠った。

今朝起き上がってみて結構疲れていたんだと気づく。


そして、皆、聞いているのか、いないのか。

好みのパンにチーズやジャムを塗り、ワイワイしながら自由に食べている。


さらに、卵とミルクに浸してから焼いたパンが今日の目玉、

フレンチトーストというらしい。

はちみつやメイプルシロップ、ジャム、みな好きなものをのせて頬張っている。


のどかだわ...


今思ったけれど、みんな自由よね...


私も自由になりたい。

そして少し頭を整理する時間が欲しい。

心の中でつぶやいた。


「みんな自由でいいなぁ...」


「お前は、けっこう自由な奴だと思うけどな」

ヴェルがパンをもぐもぐしながら話しかけてきた。


「あなたに言われたくはないわよ。」


と言い返しておいた。


コホン、と咳払いをして、気を取り直す。


「みんな、聞いて。

さっきも言ったけど、今日はチーム会議をするわよ!


今日の打ち合わせは海辺のレストランに行くわ。

アドリアン王子が紹介してくれたお店で、

個室もあるし、警備もしっかりしてるという話なの。


そして、せっかく港町にきたのだから海も見たいわよね。

王子も公務があるそうで、途中お茶の時間から参加するって言っていたわ。」


「テイラーの件はどうするんだ?放っておくのか?」


「騎士団の方であの場所には見張りを立てています。

とくに変わった動きはないようです。」


「そうね、その件についても今日話したいの。

そして、向こうの動きがあるのを待つか、

待っていても仕方ないから、あえて私たちが動くか。


そうすれば、また何か向こうが仕掛けてくるかもしれないわ。

今日、外出するのもその動きを誘発したい、という思いもあるの。

なので油断はできないのだけど。」


「まぁ美味いものが食べられそうだし、いいんじゃないか?」


「それぞれ話したいことがあれば、そこで提案してちょうだい。

それと、エイミー、ヴェル、先に話があるの。

朝食の後、部屋に来てくれる?」


エイミーとヴェルがちょっと顔を見合わせた。


「承知しました。お茶を準備してすぐに参ります。」


----


今日は濃いめの紅茶だ。

ありがたい。エイミー、さすがしごでき侍女。


ヴェルはクッションの上で丸くなっている。


ティーカップをソーサーに置いて、話し始める。


「ところで、ヴェル、私が知らないことがあるのよね?」


「そりゃお前が知らないことなんて世の中に山とあるだろうよ。」


「そういうことじゃなくて!

私に黙っていることがあるのでしょう?」


「だから何だ?お前はオレに自分のことを全て何でも話しているっていうのか?」


「そうじゃないけど...」


「エイミー、エイミーは何か知ってるの?」


「私の口からはなんとも。

ヴェル、あなたが自分で話したらどうなの?」


「わかった、

全てではないが、話そう。あ、後でこれ以上文句言うなよ。


まず、オレが人かどうか、ということだが、


答えは『YES』だ。


レオノーラ、どう考えたってわかるだろう。

黒いフードの男に話しかけられていた経緯からすると

人か元人だって想像がつくだろうが。


鈍いにもほどがある。」


「だって、何だか聞いちゃいけない雰囲気だっだし...はぐらかしたじゃない。

じゃあ、アリガっていう人間なの?


ルミナーラで黒いフードの男が、ナイトウだっけ、ナイトフォール?

って言う人が言っていたわよね。」



「あー...


そっちの説明もか。


今はアリガではない。過去の自分がアリガだ。

今はアーヴェルだ。


過去の話はオレもじつはよくわからん。


とにかくオレはアーヴェルと言う名の人間であることは確かだ。」



「ふうん。そもそもどこの国の人なの?」


「人の姿で、一度お前に会ったことがある。

エイミーにもな。

その時、お前はエイミーと一緒にいたからな。


はぁ...

オレの名前は、


ルシアン・ルーンベルクだ。一度しか会ってないから覚えてないだろうが...」


「え?宰相家のルシアン様?え、え?


でもアーヴェルっていうのは?」


「ミドルネームだ、普段は名乗らないが、家族はみなそっちで呼ぶからな。


フルネームは、

ルシアン・アーヴェル・ルーンベルクだ。」



「そう、そうだったの。わかったわ。

聞きたかったことは、もうわかったわ。」


ちょっとパニックになっている自覚はある。

顔もきっと真っ赤だ。


「エイミーは知っていたの?」


「はい、この前、気づきました。

ルミナーラの一件で、光の中で一瞬人に戻った姿を見たので。」


「そうなの...(やっぱり人が見えたのは見間違いじゃなかったのね。)」


「ありがとう、教えてくれて。

そ、そうだ。

私、ちょっと調べたいことがあるから屋敷の資料庫にいってくるわね。」


「え、そんな急に?え?

あ、私もお供しますよ。レオノーラ様!」


「あ、いいの、いいのエイミー、すぐに戻るから。気にしないで。

屋敷の中は危ないことはないから大丈夫よ。」


と、部屋を出てドアを閉めた。


ドアの外で、大きく息を吐いた。

そして心の中で叫ぶ。


「ヴェルが、ヴェルが、

あのルシアン様だったなんてー!」


どうしよう、どうしよう、どうしよう.....

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


動揺が隠せないレオノーラ。一体どうなっちゃうのでしょう?


もしレオノーラと黒柴フェンリルの旅をもう少し見守ってもいいと思っていただけたなら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。

次回も、どうぞよろしくお願いいたします。

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