表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】追放された第二王女、辺境王領の監査官になる 〜毒舌黒柴フェンリルと暴く王国の陰謀〜  作者: 柴門そら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/60

第19話 ペンダントとレオノーラの発作

「囮って、ヴェルは本気かしら?」


「まあ、本気でしょうね。」とエイミー。


(全くアイツは何考えてるんだか!)


「え、エイミー何か言った?」


「いえいえ、レオノーラ様。なんでもありませんよー。

私は軽食の準備をしますので。キッチンに向かいますね。


リビングでしばしお待ちください。


今日は、侵入者もいたので、

食品庫にある食材は毒も警戒しなくてはなりませんし、

アイテムボックスで保存してる材料で作る簡単なものと、

サムが持たせてくれたパンのみになります。


よろしいですか?」


サムのパンと聞いて、ヴェルの耳がぴくりと動いた。


「もちろんよ、エイミーありがとう。

いっぱいいろんなことがありすぎて、

ちょっと飽和気味よね。


でも何か食べた方がいいわよね」


「そして、護衛はキースとヴェルにお願いします。

お茶は先にお持ちしますので。


先ほどトーマスもお医者様がみてくれましたが、

一晩安静にしてれば大丈夫とのことなので、

リビングのソファで休ませています。


トーマスにとっては部屋で休んだ方がよいとは思ったのですが、

護衛が分散するよりはいいかと。」


「そうね。ありがとう、エイミー」




皆でリビングに移動したら、

セレーヌの料理人サムが焼いてくれた焼き菓子とお茶が準備されていた。


「さすが、エイミー!サムにも感謝ね。サムはお菓子作りの腕も素晴らしいわね。」


「さっきは食欲ない、みたいなこと言ってなかったか?」


「いや、美味しいものは正義!でしょう?」


「ところで、レオノーラ、お前、指輪って何か心当たりはあるのか?」


ヴェルがもぐもぐしながら話しかけてくる。

硬くないお菓子は食べるらしい。


小麦+柔らかさが大事なのか...


「うーん、ないわね。私はほとんど指輪をしないのよ。


指に何か付けてるとどうしても気になってしまって。

だから夜会とかお茶会の時とかは仕方ないからつけるけど、

旅の時にはわざわざ持ってこないわ」


「そうか」


「あぁ、いつも身につけているものならば...」


と首からかけている細い鎖をしゃらんと引っ張り出した。


王家の刻印が押されたペンダント。


「母様の形見なのよ。これを肌身離さず持つようにって。


母様が亡くなる直前に渡されたらしいわ」


「らしいってどういうことだ?」


「私、その時の記憶がないの。誰に聞いても教えてくれないのよ。


ただ、このペンダントは母様からだって。

その時以来ずっと身につけているわ。」


「ちょっと見せてみろ。」


クンクンと匂いをかぐように近づいてくるヴェルがなんだか可愛い。

この姿で黙っていれば可愛いんだけどね。毒舌黒柴フェンリルめ。


キースもペンダントを覗き込んでいる。


「ほう、これは...」

「ああ、そうだよな」


キースとヴェルが頷き合っている。


「レオノーラ、これは元は、シグネットリングだ。

王家の紋章ともう一つ違う紋章が彫られている」


「シグネットリング?あの封蝋とかに使うやつよね。」


「ああ、お前本当に王家の人間か?身分の証明にも使われるだろう。」


「このペンダント、ロケットになっていて母様の姿絵が入っているのよ。」


「そうなのか、開けてもらえるか?」


ロケットを開けると、母様の優しい笑顔。


赤ん坊だった私を抱いている姿。

これを見るといつも涙が出そうになる。


「ううっ」


突然の痛みに、頭を抱えて崩れるようにうずくまる。


「どうしたレオノーラ!」


「頭が...」

母様が亡くなった時のことを思い出そうとすると頭が酷く痛むのだ。


「レオノーラ様!大丈夫ですか?」

ちょうど、軽食をワゴンで運んできたエイミーが気づいて、駆け寄ってきた。


「エイミー、大丈夫よ。いつものことだから...」


「しばらく発作はなかったのに...すぐに薬湯を準備いたしますね。」


頭が割れそうに痛い。ガンガンする。

こんなに酷い発作は久しぶりだ。


薬湯を飲んで、ソファにもたれかかる。

だいぶましな状態になってきた。


「悪かった。大丈夫か?」


ヴェルのふさふさのしっぽがしょんぼり下がっている。めずらしい。


「何よ、ヴェル、素直すぎてなんだか変よ。

明日は嵐になるわね。


それに知らなかったんだから仕方がないことよ。

いつものことだから大丈夫よ。」


それにちょっとホッとした様子のヴェルが、

なんだかいつもとちょっと違って見える。


「レオノーラ、よく聞いてくれ。


一つ気づいたことがある。

さっき、そのペンダントから魔鉱石の気配がしたんだ。


これだけ近くにいて気づかなかったのは不思議だが、

そのロケットを開いたとたん、

魔鉱石の気配がした。


でも今はもうその気配はない。」


「じゃあ、今日の侵入者が探してた指輪って...」


「十中八九、そのペンダントのことだろう」

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


指輪?ペンダント?

なぜそれを狙うのか...


もしレオノーラと黒柴フェンリルの旅をもう少し見守ってもいいと思っていただけたなら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。

次回も、どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ