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ジャッジメント・マナ  作者: 顕微鏡


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43/46

第43話「読み合い」

 第二回戦。

 『神代透』

 『森本海斗』

 モニターへ表示された名前を確認すると、透はゆっくりと立ち上がった。

「行ってこい」

 桐山が軽く拳を上げる。

「負けんな」

 相沢も短く言う。

「……おう」

 二人に背中を押され、透は競技場へ向かった。

 先ほどまで玲司が立っていた場所。

 同じ舞台。

 だが。

 立っている人間が違えば、感じる重圧も違う。

 歓声が聞こえる。

 名前を呼ぶ声。

 期待する声。

 透は一度だけ深呼吸をした。

「神代くん」

 振り返る。

 美月だった。

「いつも通りで大丈夫」

 それだけ言うと、美月は微笑んだ。

 透も自然と笑う。

「ありがと」

 競技場へ足を踏み入れる。

 対戦相手。

 森本海斗。

 茶色の短髪。

 透より少し背が高い。

 右手には魔力剣。

 左手には小型の盾。

 攻守のバランスが取れた装備だった。

「神代透か」

 森本が笑う。

「一回戦見た」

「そうか」

「面倒な戦い方するな」

「褒め言葉ってことでいいか?」

「どうだろうな」

 二人とも笑う。

 だが。

 試合が始まれば別だ。

「始め!」

 桐生の合図。

 森本が一気に距離を詰める。

 速い。

 透はすぐに盾を展開した。

 金属同士がぶつかるような音。

 森本の魔力剣が盾を叩く。

 すぐには離れない。

 押し込んできた。

「重っ……!」

 透は歯を食いしばる。

 藤堂より力は劣る。

 その代わり。

 技術が高い。

 一撃ごとに角度を変え、盾の隙間を狙ってくる。

「なるほど」

 透は距離を取った。

 強い。

 だからこそ。

 焦る必要はない。

 相沢との訓練を思い出す。

『一人だけ見るな』

 視線を広げる。

 森本だけじゃない。

 地面。

 距離。

 立ち位置。

 全部を見る。

 森本が再び踏み込む。

 右から斬る。

 違う。

 フェイント。

 本命は左。

 透は盾を滑らせるように動かした。

 ギィン!

 魔力剣を受け流す。

「っ!」

 森本が目を見開く。

 透はその隙を逃さない。

 左手の盾で相手の剣を弾く。

 同時に。

 右手へ魔力を集中させた。

 淡い光が集まる。

 一本の魔力剣が形を成した。

「はぁっ!」

 一歩。

 踏み込む。

 森本も剣を戻す。

 剣と剣。

 激しくぶつかり合う。

 甲高い音が競技場へ響いた。

 互角。

 観客席がどよめく。

「神代、剣も使えるのか」

「当たり前だろ。盾だけで戦う奴なんていねぇよ」

 上級生の会話が聞こえた。

 森本が笑う。

「いいな」

「何が」

「楽しくなってきた」

 透も口角を上げた。

 同じだった。

 強い相手。

 だからこそ面白い。

 森本が低く構える。

 透も剣を握り直した。

 ここからが本当の勝負。

 互いに同時に地面を蹴る。

 距離が一気に縮まる。

 勝敗を分ける一撃が、今まさに交わろうとしていた。

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