表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジャッジメント・マナ  作者: 顕微鏡


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/36

第10話「Sクラス」

実力確認はその後も続いた。

 炎を操る能力者。

 風を操る能力者。

 身体強化型。

 武器具現化型。

 様々な能力が披露される。

 透は改めて実感していた。

 この学校には強い奴が多い。

 本当に多い。

「次」

 桐生が名簿をめくる。

「朝霧隼人」

「はいはい」

 隼人が気軽な様子で前へ出た。

 その姿に透は少し首を傾げる。

 そういえば。

 隼人の能力をまだ見ていない。

 受験の時も別ブロックだった。

 何となく強いのは分かる。

 だが能力までは知らなかった。

「見せろ」

 桐生が言う。

「了解」

 隼人は右手を前へ出した。

 魔力が集まる。

 そして。

 何も起こらなかった。

「……?」

 透が眉をひそめる。

 だが次の瞬間。

 ドォン!!

 訓練場の壁が爆発した。

「は!?」

 透が叫ぶ。

 訓練場がざわつく。

 隼人は苦笑した。

「だから嫌なんだよなこれ」

「今の何だ?」

 透が聞く。

「能力」

「いやそれは分かる」

 全然分からない。

 桐生が代わりに説明する。

「能力名《起爆》」

 教室が少しざわついた。

「起爆?」

 透が聞き返す。

「自分の魔力を設置し、任意のタイミングで爆発させる能力だ」

 透は目を見開く。

 強い。

 単純だが強い。

「壁に魔力仕込んでたのか」

「正解」

 隼人が笑う。

「見えない場所に設置できるのが強み」

 確かに厄介だ。

 戦闘中に使われたら相当嫌だろう。

「Sクラスなだけあるな」

 透が呟く。

「まあな」

 珍しく隼人が得意げな顔をした。

 そして。

「橘美月」

 美月が前へ出る。

 静かに右手を上げた。

 淡い光が現れる。

 次の瞬間。

 数十本の光の糸が空中へ広がった。

 まるで蜘蛛の巣だった。

「綺麗……」

 誰かが呟く。

 だが。

 美しいだけではない。

 光の糸は一瞬で訓練人形へ巻き付いた。

 締め上げる。

 金属が軋む音が響いた。

 そして。

 バキン。

 訓練人形の腕が捻じ切れた。

 透の顔が引きつる。

「怖っ」

「敵にはなりたくないですね」

 近くの生徒が呟いた。

 全面的に同意だった。

「黒瀬迅」

 迅が面倒そうに前へ出る。

 ポケットに手を突っ込んだまま。

「やる気出せ」

 桐生が言う。

「出してます」

「出てない」

 即答だった。

 だが迅は気にしない。

 訓練人形の前へ立つ。

 そして。

 軽く地面を踏んだ。

 瞬間。

 ドゴォォン!!

 訓練場全体が揺れた。

 地面が爆ぜる。

 訓練人形が宙を舞った。

 そのまま天井近くまで吹き飛び、壁へ激突する。

 沈黙。

 透は言葉を失った。

 何だ今の。

「能力名《震動》」

 桐生が言う。

「触れた魔力の振動を増幅させる能力だ」

 透は思わず迅を見る。

 迅は欠伸をしていた。

 あれで本気じゃないらしい。

 そして最後。

「九条玲司」

 空気が変わる。

 玲司が前へ出た。

 誰も喋らない。

 受験の時の戦いを見た者も多い。

 期待。

 緊張。

 様々な感情が混ざっていた。

「やれ」

 桐生が言う。

 玲司は静かに頷いた。

 そして。

 一歩踏み出す。

 バチッ。

 青白い雷光が走る。

 その瞬間。

 玲司の姿が消えた。

 次の瞬間には。

 訓練人形の目の前。

 拳を振り抜く。

 轟音。

 訓練人形が吹き飛ぶ。

 壁へ激突。

 さらに。

 雷が炸裂した。

 爆発音。

 訓練人形が粉々になる。

 静寂。

 誰も言葉を発せなかった。

 強い。

 あまりにも。

「やっぱ化け物だな」

 隼人が苦笑する。

 透も同意だった。

 今の自分では勝負にならない。

 いや。

 何年かかっても届くのか分からない。

 それほどの差があった。

 だが。

 不思議と悔しいだけではない。

 むしろ。

 少しだけワクワクしていた。

 いつか追いつきたい。

 いつか肩を並べたい。

 そう思える相手だった。

「今日はここまでだ」

 桐生の声が響く。

 生徒たちが動き始める。

 その時だった。

 透のスマートフォンが震える。

 メッセージ。

 送り主を見た瞬間。

 透の表情が変わった。

 病院。

 妹が入院している病院からだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ