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千年一昔マニハイル 〜兜ノ京の呪いを祓いたまえ!〜  作者: 藍笑屋


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案内人に纏う、黒い霧を払え


今回の出来事は、瞬く間に大鎧御殿の職員達を中心に広まってゆく。




「一楠は何処にいるのですか。案内してください。」

倒れた一楠を放置するわけにはいかない。

阿礼が同行人となった!

爽真は阿礼と共に大鎧御殿内に戻り、一楠のいる階段下へ向かう。



阿礼が言うには、階段にいた通りすがりの職員の叫びにより、大鎧御殿の中に居た職員や一般の人々は表玄関の外に避難したらしい。






ガヤガヤ....

「聞いて。さっき、恐ろしいのを目にしてしまって。」

「ほう、何が見えたんだ?」

「あの例の部屋の横を通ったら、半透明の黒い球体が目に入って。」

「へぇ。」

「あぁ。それが一楠様に当たったら倒れたの。」

「え?あの一楠様が?」

「そうなの。その時の一楠様の...」


ガヤガヤ.....

          ガヤガヤ.....

   ガヤガヤ.....






表玄関の外から話し声が爽真の耳にも届く。

この騒ぎはなんなのか、と情報共有し合っていた。


階段付近まで歩くと、声が遠ざかる。

階段下にいる一楠の元へ辿り着いた。

「先ずは一楠を助けなければ。」

阿礼が一楠に近寄る。


====================================

メインストーリー:一楠に纏う、黒い霧を払え


ルール

人に黒い霧を当てると、メインストーリーが未達成となり、ゲームオーバーします。

制限時間:一時間

====================================

メインストーリーが発動した。


一楠には黒い霧がまだ纏わりついている。

阿礼に注意を促す。

「近づくのは危険です。」

「分かりました。」

阿礼は黒い霧に触れずに済んだ。


爽真は、神のお供を呼ぶ。

『神のお供召喚』が光り、ボタンを押した。

ナビコが召喚された!


「一楠に纏う、黒い霧を払え。」と命令する。

お供のナビコは、眉間に皺を寄せ、なんとも険しい表情をしていた。


「いいでしょう。しかし、発動する条件が足りません。」

「不足している条件とは。」

「薬草祭りを催せ。祭りの活気ある力と、酒の奉納、そして大量の薬草の奉納が必要。」


質問している間に、一楠さんが咳込む。

すると、黒い霧が口から出る。

阿礼は黒い霧が見えていないようだ。

阿礼を安全なところまで引っ張った。


命令した後に発動条件が足りないがある事に驚きはしたが、この程度の用件ならばすぐにできそうだ。

爽真は阿礼に声をかけ、ダメ元で聞いてみる。

「急ぎで薬草の祭りを頼めないか。」

「至急でですか?私が話を通しておきましょう。」

阿礼は、厨家へ向かった。





数分後。

「さあ、薬草祭りの開催だ!」

ナビコの耳から透き通る声が聞こえる。

なんと、スピーカーの役割を果たしている様だ。

拍手の音も響く。







待つ間、一楠は何度か咳をする。

一楠が吐く黒い霧に触れぬよう、扇で調整しながら待つ。

煽っているうちに一つ気付く。

一楠に纏う黒い霧の中でも、喉の部分だけは移動させる事ができなかった。






数十分後、阿礼が帰ってきた。

「薬草持ってきました。」

沢山の籠が届いた。


その言葉に、ナビコが動く。

ナビコの指示通りに、爽真の扇の機能の中にある収納籠(アイテムボックス)から酒を取り出す。

ナビコの目の前に出し、酒を1樽奉納する。

酒の周りに沢山の籠を置き、薬草も奉納する。


奉納を済ませると、何故か医師の姿がナビコの後輪に見えたような。

爽真は、その白い光に包まれた!


(眩しい!)


爽真が目を開けると、外にいた。


『この薬草を手に入れよ。』

という文字が浮かび上がる。

爽真も薬草祭りに参加する事に。


その間に、大勢の人が薬草祭りですれ違う。

だが、周りから爽真は認識されていない。

手や足を見てみると、身体が半透明に透けている。

まるで幽体離脱でもしているかの様。


『必要な薬草は、3種類。桔梗、人参、甘々草。』

爽真は、浮かび上がる文字の薬草を採取する。



また白い光を浴びる。

爽真は、大鎧御殿内に引き戻された。

すると、爽真の前に命令札が浮かび上がる。

救急医疾令きゅうきゅういしつれい。」

爽真は、ナビコに命令する。


奉納した酒樽がピカッと一瞬光を放つ。

水の圧力がかかったのか、酒の噴水が発生。

酒の水滴が、籠の中にある薬草に落ちた。

薬草が光の輝きを放ち、ナビコの目の前に一つの光として集約される。

集約された光は指のひとつまみ程度の大きさになり、それが一楠の口から喉へ伝う。


一楠に纏っていた黒い霧が消えた!

先程まで辛そうにしていた咳が数分で治り、呼吸を整えてゆっくり起き上がる。

爽真は、一楠に手を差し出だす。

「無理をしないように。」

「ありがとうございます。」





この騒動を受け、大鎧御殿内で集会を行う事が決まった。


表玄関で避難していた職員を大鎧御殿の中に招く。

阿礼や一楠、爽真は、事の有り様を伝えた。

「私には黒い霧が纏わり付いていたと?」

爽真は頷く。

一楠も当時の記憶を思い出して話す。

やはり、一楠は黒い霧や黒い鉄球を目視できなかったそうだ。

さらに、階段ですれ違っていた女性の巫女さんの加耶(かや)さんからも事情を聞く。

加耶さんは、職員の中で唯一、黒い霧が見える人物のようだ。





「全職員に次ぐ。此度の異常事態を受け、大鎧御殿から一歩も出ぬ事。職員以外の人を大鎧御殿から極力入れぬ事。

外部との連絡を取る際は、加耶さんを通じてのみとする。

申し訳ないが、爽真殿も地下の部屋の人々を救うまで、この大鎧御殿から出ないで頂きたい。」


爽真と職員達は、大鎧御殿に閉じ込められることになった。





セーブ中...

神のお供:ナビコ

型: うさぎ

役割:畏怖の対象を物として捉え、指定の祭りの活気ある力と奉納を引き換えに、抑圧する力を発揮させる。

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