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Witches×WitchBot  作者: 三嶋トウカ
訓練

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8/25

第8話:魔女到来_3


 何か聞かれると思っていなかったキャスは、少し面を食らった様子だったがすぐに答えた。


「新たにナンバーを振ったあの魔女は、初めて顔を合わせる魔女なんです。だから、様子を見ているんですよ、情報のために」

「そんなことしてたら、あっという間に殺されるかもしれないのに?」

「危なくなったら、すぐに転送させます」

「だったら、さっさと攻撃仕掛けて逃げれば良いじゃない」

「そういうわけにも。簡単には……」

「あぁもう、つまりは腑抜けばっかりってこと? だから魔女の一人二人も倒せないでいるのよ!」

「そんな言い方……魔女はどれだけ存在しているのかわかりません。だから、情報はとても大事なんです! ウィッチボットだって、機体数が……」

「あーあーあーあー!! アタシ、言い訳なんか別に聞きたくないんですけど」

「えっ、あっ、エイナさん⁉︎」


 エイナは机の上にあった箱の中から掴み取れるだけ掴み、見本として置いてあったウィッチコアに吸収させた。


「アタシが行く。アタシが倒す」

「いけません! まだ訓練もしていないのに!」

「ほっといてよ! 何もしないくせに!」


 そのままコアを手に取り、ギュッと握りしめた。


「ダメです! エイナさん!!」


 ピピッ。


 音と同時に、エイナが消え始めた。アレフの時と同じように。


「えっ、えっ? エイナ?」

「キャス先生!? これって止められないんですか!?」

「起動した後は、本人の意思で出てくるか、生体反応がなくなるまでは出られないんです……」

「なっ……エイナ! 入ってもすぐに出てこいよ! 無茶だって!」

「エイナちゃん! ダメだよ! 危ないよ!!」

「うるさい!!」


 そう言い残してエイナの姿が消えた。同時にまたピピッと音が鳴り、コアの色がパールホワイトから黒へと変わった。


「こ、このコアは、一体どのウィッチボットのコアなんですか……?」


 トウヤが聞く。


「これは……」


 黒くなった球は浮かび上がると、そのまま機体のほうへと飛んでいった。


「……オーブ。私たちとともに、一番最初に魔女と戦ったウィッチボットです。そして、一番最初に見つかったウィッチボットでもあります」


 ――ヴゥン――


「……オーブが……起動しました……」


 ハッと目を開いて、キャスは急いでパソコンを操作すると、二つ目のモニタが付いた。


「エイナさん? 聞こえますか? エイナさん?」

『……何よ、大きな声出さないで。聞こえてる』

「良かった……。危険ですから、すぐに戻ってください!」

『戻らないわよ。何のために乗り込んだんだか』

「いけません! すぐに同化を解除してください!」

『嫌なんだってば。はぁ、シードの中にこれがあってラッキーだった。サポートにお願いしても、絶対に転送してくれないもんね』

「これ……って……?」

『えーっと――星都AA-05へ、転移!』

「エイナさん!?」


 彼女が沢山のシード入った箱の中に見つけていたのは、転移魔法の使えるシードだった。どんなに小さな欠片でも、魔女が持つかコアに埋めれば転移魔法が使える。転移魔法は今見つかっているシードの中でも珍しく、見つけた時にすべて回収されているが、今回この中に残っていたのはその回収漏れだった。彼女は瞬時にそれが転移魔法のシードだと理解し、他のシードと混ぜてコアへ流したのだ。


『――あっ、ははっ!! 着いた、着いちゃった!』

『なっ――はぁっ!?』


 アレフの乗るダスティ目線のモニタにはエイナの乗るオーブが、エイナの乗るオーブ目線のモニタにはアレフの乗るダスティが、それぞれしっかりと映っている。


『何しに来たんだエイナ! ってか、何で勝手に乗ってる!!』

『魔女をアンタが全然倒さないからよ!!』

『今回の目的は倒すことじゃない、あくまでも観察、情報収集だ!』

『悠長にそんなことしてるから、いつまで経っても魔女がやってくるんじゃなくて? 片っ端から殺していけば、魔女の数だって目に見えて減るっていうのに』

『だから、殺すばかりが手段じゃないんだ』

『甘いんだって! だいたい、こんなの感覚で乗れるのに、わざわざ実習なんか』

『お前はまた勝手なことをするのか! どれだけ迷惑が掛かったと思ってる!』

『何よその言い方! アタシは向いてるの! 適性があるの! 立場だって候補生の中の誰よりも上なの!!』

『そんなことはどうでも良い! 勝手な行動をとるなと言っている! 誰もここへ来ることを許してもいなければ、認めてもいないんだろ!? 早く帰れ! 早く!!』

『何なのよその態度! もうムカつく! アタシはわざわざアンタのために』


 ――キュルキュルキュル。


『!?』


 渦を巻きながらできあがったのは、今までで一番大きな光の玉だった。先の二つとも違う、薄い緑色の球。球……というよりは、竜巻のような風の塊が、球を作るように忙しなく動いていると言ったほうが正しいだろう。


『……』


 その風の塊をグググ……と両手で圧縮させて直径十五センチほどにすると、魔女が空高く跳びあがり、その球をオーブに向かって投げつけた。


『避けろ! エイナ!』

『えっ、え、え?』


 ここまで魔法を使いやってきたエイナだったが、咄嗟のことに全く動けないでいた。その間にも、勢いよく放たれた球はエイナめがけて真っ直ぐ向かってきている。


『いっ……いやぁぁぁぁぁぁ!!』

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