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Witches×WitchBot  作者: 三嶋トウカ
訓練

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第12話:実技研修_2


 トウヤはプローベのつま先を撫でた。ラティオよりも曲線が少なく、大きなパーツを関節ごとにはめているように見えるプローベ。全体的に動かすのに力が要りそうな印象だ。実際はシードのエネルギーを使い、パイロットの動きと連動するため自分の身体と同じように動かせる。この触るという行為は、見た目と自分の中のイメージを一緒にするための作業にもなりそうだった。


「ラティオは、一番人間っぽい形をしているんじゃないかなって。等身も悪くないし、ちょっと子ども……ちいさな、みたいだけど。色が黒いから、夜は目立たないですね。この、緑の部分が光るなら別ですけど。身体の部位のイメージがし易そうだし、なんとなく初心者向きに見えます」

「ふむ、他の二機は?」

「そうですね……プローベはプロトタイプですよね? 色はベージュと灰色が混ざったような感じで、あんまり目立たない。他に入っているのも白だから、攻撃的じゃないですよね。角ばってる部分もあるし、角は削ってあるけど『お試しでまずは組み立ててみよう!』って気持ちがあるような。プロトタイプって先入観があるからかな。戦闘用じゃなくて、本当に観察とか確認用で。オーブは比べると随分人間的なロボットっぽくなったけど、まだまだ荒い感じですね。何でここで質感を変えたんだろう? 光沢がある。それに、色も地味だったのが急に派手に……まさか、赤地にシルバーってどういう心境の変化があったんだ?」


 トウヤはただ、目の前にあるウィッチボットを真剣に捉える。


「君はなかなか、面白い着眼点だね。他に気になることは?」

「頭の大きさは、どれもそんなに変わらないんですね。何階もある建物みたいに巨大じゃないから、恐怖はあまりない、かな。それから、威圧感も見ているだけなら。実際に戦ってみたら違うのかも? この言い方があっているかはわかりませんが、この中なら一番ウィッチボットとして可愛いのはラティオ、オモチャとして可愛いのはプローベかな。オーブは中間というか」

「いやいや、そういう考え方もいいんじゃないかな。愛着を持つという意味で。ホラ、愛着を持てば壊したくなくなるだろう? 運用できるウィッチボットの数は少ない。少なからずあるパイロットへの影響のために、パイロットの人数は多めにしてあるんだ。何が起こるかわからないからね。それに比べて、今ここにあるウィッチボットは三体。そしてダスティを足しても四体。研究中の機体を除いて、今太刀打ちできるのはたったこれだけなんだ」

「気になってたんですけど、何で魔女は複数で攻撃してこないんですか?」

「……そこは、謎だ」


 ブランはとぼけた顔で首を傾げた。首を傾げたいのはトウヤのほうだろうが、ブランが首を傾げるということは、本当にわからないのだろう。


「ワシらも疑問に思っているが、今はそれよりも早く新しい機体を解析して、できるだけ魔女の力を無効化できるように進めるほうが先だ。もしこの先集団できたとしても、成すすべなくやられてしまわぬように」

「……魔女って、どれくらいの数がいるんですか?」

「ハッキリわかっているのは七体。昨日きたのが七体目だ。それまでに存在が確認できているのは六体。……どれも子どもだったよ。いたって普通の少女。見た目はな」

「だから、七番目の番号が振られていたんですか?」

「あぁそうだ。見つけた順に名前として番号を振っている。実際に見た人影……おそらく魔女はもっといるが、こちらへ攻撃を仕掛けてきたり、長いこと星都や天都へ居座っていたヤツはこの七体なんだ」

「じゃあ、もしこの七体が一斉に攻撃を仕掛けてきたら……?」

「……今、解析中のウィッチボットは全部で二体」

「合わせても六体? ……考えちゃダメですね」

「そうだ。まずは目の前のことからやるべきだ」


 トウヤはプローベを見上げた。あまり戦い向きではなさそうなプロトタイプも、対等に戦えるレベルで動かせるようにならねばならないということなのだ。


「ダスティが出撃できない今、主力となるのはラティオだ。みんな、しっかりラティオを触っておけ。そしてイメージするんだ。自分が中に乗って、一挙手一投足自分の身体とシンクロさせて動かすことを。それから、魔法だ。魔法を使いたいと思ったって、上手くコイツらを動かせなきゃ意味がない。暴発して自分がダメージを受ける可能性だってある。……これはよっぽどな話だが、ないわけじゃない。ちなみに思ったより威力が出ない、逆に強すぎる、あるいは全く出ない――そうしたことは往々にある。特に最初は。その魔法が自分にあっていない場合もだ」


 これは研究によってわかったことだが、同じシードでも使い手や量によって威力が変わる。例えば同じパイロットでも、片方は炎の魔力を灯すシードを得意とし、片方は水の魔力を灯すシードを得意とする場合、得意のシードを取り込めばエネルギーのもちも良く魔法の威力も上がる。だが逆を取り込むと、その威力は目に見えて落ちエネルギーも続かない。エネルギーや手数確保のために一緒に取り込むことはあれど、それのみを選ぶことはまずないだろう。

 どのシードが最も適しているか、これは検査でわかる。パイロットとなる人間は、相性確認のために必ずその検査をしていた。シード及び戦力を無駄にしないためだ。少し変わっているが、候補生たちもこのあと経験することはもう決まっていた。

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