小規模な戦闘
冬の雪も溶けて暖かい春の季節の神聖歴634年3月29日
ライトニング王国の隣国であるクラリス王国の東に帝国との国境になっている川の対岸に帝国軍の兵士が集結していた。
「ざっと5000ぐらいか」
「またいつもの威力偵察ではないでしょうか、准将」
「その通りかもしれん、だが陽動の可能性もある。副官、王都に連絡のため早馬を送り、索敵を厳とせよ」
「はっ」
クラリス王国と帝国との間にある川では毎年1回は小競り合いが起きる、多い時には2回もあることもだってある。この川には北部、中部、南部と3つの橋が掛けられており橋及び周辺地域の防衛をそれぞれの地域に6000の戦力の旅団の部隊が近くにある基地に駐留している。1番交通量の多い中部の橋で両軍睨み合っていた。
12日後の4月9日にライトニング王国でもその情報が伝わり始めていた。
その日の科目の授業後の10分間の休憩時間の教室は戦争の話で持ちきりだった。
「聞いたか、クラリスと帝国の間で戦争が始まるみたいだぞ」
「俺もその話聞いたぞ」
1班の生徒がそれぞれ聞いた話などを話している。
「戦争か腕がなるぜ」
ガウスは楽しそうにしてるけど、俺は戦うなんてごめんだけどな。
「私たちも援軍として派遣されるのかしら」
「いやそれはないと思うよ」
「俺もレオと同じ意見だな」
「あらどうしてですか」
「そりゃ入学したての人を戦場に送っても足でまといになるだけだと思うけど」
「それと今回の戦いは小規模な戦闘で終わると思います」
レオが補足説明を付け加える
「クラリスと帝国の間には毎年小規模な戦闘が起きていますので、今回も威力偵察になるでしょうね」
「へー、そうなんですの」
「良かった」
「なんだ戦わないのか」
フラウとエイミーは安心したようだ。ガウスだけ残念そうな表情をしていた。
ガラガラ扉が開きカロンと他の教官入ってくる。彼は1班の教官の1人である。
「皆も知っている通り、隣国のクラリス王国と帝国との間で戦闘が12日前に発生した」
生徒たちからやっぱりなど声が上がる
「今回の戦闘は小規模の小競り合いであり、こちらからは援軍の派遣はしない。よって諸君は訓練に集中するのだ」
生徒たちは皆、派遣されないのを聞いて喜ぶ
良かったまだ死にたくなんかないからな。入学する前に戦闘が起きていてここまで情報が伝わるのにこれだけもの時間がかかっているのか。
その日の最後の科目も終わり自由時間だ
「シオン・ハルトマンはいるか」
ん?聞いたことがある声だな。振り返ってみる
「あっ」
「ここにいたか」
「イリア姉」
「久しぶりだなシオン」
「お久しぶりですイリア姉。どうしたんですか?」
「ここではあれだから静かなところに行こう」
イリアの後について行く
「会いたかったよシオン」
「うわ」
いきなり抱きしめられた。何か柔らかいものが当たっている。これはおっぱいの感触だまだ小さいけど確かにおっぱいの当たる感触を感じる。けど腕の力が強すぎて背骨がものすごく痛い。
「痛い痛い、イリア姉痛いてばー」
「ごめんごめん」
やっと離れてくれた。背骨がまだ痛いよ。この人ここでパワーが増してるよどんな訓練してんだよ。
「それで話て何ですか?」
「それはね、どうして今まで会いに来てくれなかったの」
「え!」
「え、じゃあないわよ。シオンが入学してから何で1度も私に会いに来てくれなかったのよ」
ここでの生活で忙しくてこの学校にイリア姉がいることをすっかり忘れていた。
「忘れてたよ」
「忘れたじゃないわよ。会いに来てくれないからこっちから会いに来たのよ」
「ごめん。今度からは僕から会いにいくから許して」
「まぁ許してあげる」
ふーなんとか許してもらったな。こんな怪力で叩かれた絶対に痛いしな。
「今なんか変なこと考えてなかった」
「まさかそんな訳ないじゃあありませんか」
「ふーーーん」
あぶねなんか心が読まれた。この人そんな感覚も鋭くなってるのか
「そういば朝の話聞きましたか?」
「あぁ、戦闘の話ね」
「驚かないんですか」
「毎年2回ぐらいはその話を聞くからなれちゃったわ」
「そうなんですか」
やっぱりレオと言うとおり小規模な戦闘が起きているのか。
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