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敵さんは一人とは限らないよ

学園に到着すると、正門では生徒達が列を作って待っていた。

イツキ、小鳥、トンボ、ユイの順に門の前に到着し、最後にショウがのんびりとビルから飛び下りてきた。十四階から飛び降りてきたことに驚いた生徒達は歓声を上げ、先生方が静かにするように声をかけていた。


「どうも、護衛班、第三班の教忍の犬井ショウです。右から、ユイ、イツキ、小鳥、トンボ。私の生徒です」


「ようこそいらっしゃいました。校長の榊浩二さかきこうじと申します」


ショウと握手を交わすと、校長は仕事のために席をはずれた。

後を引き継いだのは教頭の熊田源助くまだげんすけが四人の先生とともに生徒達をジャリでできた校庭の真ん中に移動させた。


「ジャリの地面って、慣れないね」


「転んだら痛そうだな」


ユイとイツキが話しながら歩いていると、移動している生徒達の一人が二人の持ち歩いている物が何かを質問してきた。


「これは煙玉。ベルトに挿してるのが忍刀だ」


「私のはクナイとか熊手、まきびし、手裏剣、いっぱい入ってるよ」


四本のクナイをリュックから取り出して見せた。クナイを見た生徒達は再度歓声を上げた。


「そこの二人、遊んでないで円陣描くのを手伝う」


ショウが二人に投げた太めの枝を受け取り、急いで円を作る生徒達の中心に向かった。その際、生徒達の頭上を飛んだ。


「イツキは外の文字、ユイは待機ね」


「じゃあ、この棒は何のためなんですか?」


「何となく?」


楽しそうにユイの頭をワシャワシャと撫でるショウにため息をつき、その場に座った。

一方イツキ達三人は渡された図面通りに円陣を描いていた。その様子を生徒たちは必死に覗き込んでいた。


「さて、今回の忍者交流授業に参加してもらったのは六年生の皆さん。私の生徒達よりも年上だね。ところで、忍者を見た人はいるかな?」


円陣を描いている姿だけでは退屈してしまうため、ショウは円陣の外を歩きながら質問してみた。すると、二、三人が手を上げた。


「俺のじいちゃんが山で遭難した時に、ばあちゃんが忍者に依頼したんだ。そん時に会った」


「私は遠い親戚に忍者がいるの」


長い髪を三つ網にしたメガネの少女は少し照れたように頬を掻いた。

周りの生徒達は驚いたように少女を見上げた。


「君は覚えがあるよ。忍者交流野外授業に来ていたね」


学年でも有名なイケメン男子はショウの言葉に頷いた。


「先生と同じ班でした」


これにはユイ達も驚き、任務終了の後聞いてみる事にした。


「ではでは、円陣も書き終わったので、これから口寄せ獣を二頭呼び寄せるよ」


「先生の口寄せ獣って、黒アゲハですよね? しかも大量の」


以前授業の一環で呼び寄せを披露した時、ショウは黒アゲハで全身が黒く染まるほどの黒アゲハを呼び寄せた事があった。


「そうだね。だけど、今回は仮口寄せ。保護された呼び寄せ獣を呼ぶんだよ」


円陣の中心に立つと、生徒達を少し下がらせ、術を唱え始めた。しかし声があまりにも小さく、術の内容を聞き取る事ができなかった。


「おい、なんであのセンコーはしっかりと術を言わないんだ?」


小鳥のすぐ後ろに座っていた男子は小鳥の格好を上からしたまで見てから聞いた。


「術は、忍者しか知る事は許されない」


「つまんね」


「でもさ、術を知っても力とあの術式を覚えないと結局は使えないんだよ」


小鳥を助太刀するようにユイが男子の目の前にしゃがみこんだ。


「ま、あれほどの術は先生くらいにならないと、まず始めに使えないし」


術を唱え終わり、巻き起こった土煙が晴れた円陣の中には、金色の立派な雄鹿と大きな狛犬が座っていた。

ショウは金色の鹿を撫でながら、四人に来るように手招きした。


「これが、口寄せ獣だ。こちらの金色の鹿は非常に珍しい。大人しいが、一度主と認めた者には忠実に従い、己が命を顧みず主を守り抜く」


金色の鹿を輝いた目で見つめる生徒達に説明しながらも、ショウはユイ達四人に忍者特有の指文字で生徒達を見張るように伝えた。

イツキがなぜ生徒達を見張るのかと聞けば、金色の鹿を狙う者が混ざりこんでいる可能性があると返した。


「次に、狛犬は本来、守りと攻めの二匹で成り立つ。だが、今回は相棒を失い口寄せ獣としては使えなくなった攻めの狛犬を呼んだ」


巨大な犬、狛犬は険しい顔つきでショウを睨んでいた。


ショウが二頭の説明をしている間、ユイ、イツキ、小鳥、トンボは生徒達の邪魔にならないように見張っていた。


「金色の鹿って、たくましい感が溢れ出してるよね」


「俺達二人乗っても走れそうだな」


「あそこの長髪、ニオイが違う」


突然ユイとイツキの側に駆け寄ってきたトンボが目で茶髪で長い髪を一つにまとめた少年にしては少し老いて見える少年を指した。


「とりあえず、小鳥にも伝えて、気付かれないように見張ろう」


いそいそと動く教え子達を見て、ショウは口元に弧を描いた。


「一人目発見。だけど、一人とは限らないんだよなぁ」



シ:あれ? 


ユ:どうしたんですか?


イ:トイレか?


ト:忘れ物?


シ:いやね、小鳥があまりこっちに来ないなぁって


小:犬アレルギー


シ:なるほど 

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